クトゥルフの弔詞 その3
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ここで目が醒めた。
「私」は毎夜同じ悪夢に苦しめられていた。
巨大な魚人となって、周りにいる同種の者と共に、巨大な存在に祈りを捧げている夢だ。
住宅街を歩いているのだが、この住宅街はおかしい。
人の住む気配が全くないのだ。
このあたりになると、一人称の「俺」が誰をさしているのかさえ、判然としない。
堀口なのか、それとも他の誰かなのか・・・
彷徨う内に、1軒の旧家があり、そこに人の気配を感じて、中に入ると老人を発見した。
人の気配はこの老人のものだったらしい。
老人は夢に悩まされているが、それは魚人の夢だと言う。
こうして第1の入力画面となる。
これはカタカナでないと不可で、るるいえではだめなのだ。
堀口は老人に、街には人がいなくなっていると告げると、老人は外に飛び出してしていってしまった。
こうして メモ1 「ある朝 電車に乗って」 となる。
「私」はある朝電車に乗っていると、けたたましい大きな音が鳴り響くが、周りの人間は誰もそれに気づかない。
ふと気がつくと、目の前に新井がいて嘲笑を浮かべている。
そこはバー「恋の高原」であり、バーテンはとある依頼をしてくる。
常連の客が最近店に来なくなり、帰宅の際に後をつけると、寝巻きのまま歩き回っているらしい。
気になるので調べてくれないか、というものである。
堀口は新井と共に街に出たが、全く人影がなく、その客のアパートを尋ねると、中には母子の死体があった。
第2の入力画面である。
これは「乗っ取られていたあれ」とは何かということであり、質問の意味は「何を」乗っ取られたのか、ということてである。
そして返答欄には既に漢字が入力されている。
そして「渡辺さん!」という声と共に小菅との会話のシーンに戻り、渡辺こと堀口は小菅の小屋の外にかけだした。
堀口は会話を打ち切り、外に飛び出すと、第3の入力となる。
質問は「風に乗って来るもの、その住み家はどこ?」である。
風に乗って来るものとはイタカのことだろう。
ならば答は簡単で「北極」である。
これで次はメモ4「子供の会話」となる。
二人の子供の会話劇だが、子供は尻尾が3本ある変なネコを見つけた。
これでメモは全て揃ったことになる。
堀口は小菅の小屋に戻ったが、そこは小菅の家ではなく、あの老人の家となっていた。
そして老人は変貌し始める・・・
「魚神に変わりつつある海の邪神の名は?」が、第4の入力である。
これを間違える人はいないだろう。
本ゲームのメインテーマである、アレ以外にはない。
但し、「クートルー」や「クーリトルリトル」では不可である。
と、突然新井が現れ、「異次元の色さいの卵とは何か」と問う。
これが第5の入力である。
これは卵そのもので、答えると堀口は白い世界にいる。
どこまでも一面雪雪雪だが、不思議と寒くはない。
雪をかき分けて進むと、又も新井が現れるが、新井の上頭部はすっぽりと切り取られていて、脳がない。
入力第6は、「脳を摘出する昆虫の名前は?」である。
これも楽勝で、写真に写らないあの巨大甲虫である。
と、シーンは酒場に戻る。
バーテンは10センチ程のパイプを見せるが、それは何かが第7の入力となる。
それは、ミ=ゴウが持ち帰るために、人間の脳を入れるパイプである。
それは魔物を召喚するための石笛なのだ。
堀口はもの静かに金を置いて酒場を出た。
足音が聞こえ誰かが近寄ってくるが、それは女性だった。
女性を問い詰めようと近寄ると、彼女は狭い路地に入っていった。
後を追ったが、女性は見あたらず、大きな廃ビルだけが見える。
と、侏儒が現れて惚れ愚痴の手を取り、廃ビルへと誘う。
ビルの中では、象のように長い鼻を持つものが、堀口の首に鼻の先をあてがう。
入力8は、「何を吸おうとしているのか」で、これはメモなど見なくてもすぐわかる。
赤い熱いあれである。
その瞬間、市役所の所員が目の前にいる。
しかし、次の瞬間にはあの患者と対面している。
「テケリ・リ・・・ テケリ・リ・・・」という、鳥の鳴き声のようなものが聞こえてくる。
入力9「人間と同様の知恵を持ったために、呪われた生き物は?」となる。
太古の地球に飛来した宇宙生物「古のもの」達によって創造された、ショゴスという生物である。
答えると、事務所に戻っていた。
しかも封筒には以前の数倍の厚さになった札束が入っている。
と、事務所のドアが激しく叩かれ、「開けてくれ! 頼むから開けてくれ!」という声が聞こえてきた。
その声はまさに自分の声だった・・・
そして最後の入力10「誰も入れないはずのこの部屋で、つぶやきを生み出す者は?」となる。
これはほとんど質問になっていないので、本人の名前を間違える人はいないだろう。
堀口は南極にいる。
そばには「新井」と名乗っていた人物もいる。
「新井」は言う。
「ここは最も夢に近い場所だ。
お前はこれからカダスに向かう。
カダスとは夢の世界に広がる荒野の名前であり、お前はこれから夢の世界に渡り、宇宙の宇宙の深淵に向かうのだ。
この世の出来事は、神が見た夢だからだ」
これでクレジットとなり、クトゥルフの弔詞は完了である。
内容的には非常に面白く満足できたが、もう少し長ければ更に良いのだが、それは望蜀というものだろう。
次回からは南月島の人魚の予定
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