フォトグラフィア- 1.1 その1
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このゲームは選択肢のない完全なノベルらしい。
主人公のリューは、父が死んだ惑星PK-19を訪れた。
自分の命があと一週間だと知ったためである。
その惑星では祭りの日が近いため、旅館は満室となっていたが、居合わせたナダという青年に相部屋を勧められ、これ幸いと好意にすがることにした。
ところがこのナダは女性だった、というのがオープニングである。
このゲームは表示が非常に遅い。
グラフィックは美麗だが、表示されるまでに数秒もかかるのだ。
PK-19では主人公リューは、宿屋の看板娘リージャ、神館の神館長、他の恒星系であるシュイユェの少女イオなど、様々な人物と知り合い、その過去と未来を知る。
リューは人の思念や、過去未来を垣間見ることが出来るが、その代わりに短命なのである。
リューは子供のままで大人になれないイオを、その力で大人としたが、イオは老衰で死んで行くが、それでも神館長には感謝された。
リューに好意を持つリージャには、イバンとの未来を「見せて」、仲をとりもった。
そして、故郷に帰り、叔父のカイと話した。
リューの得た結論は、自分はオリジナルの人間ではなく、父のコピーだということであった。
カイは「そうだ、お前は兄のクローンだ」と肯定した。
リューは母のミ・ヤオに別れを告げ、旅だってゆく。
最終章はその後のリージャの姿を描いているが、これは蛇足というべきもので不要と思われる。
このゲームはプレイする前の想像では、甘ったるい純愛ものか、というものだったが、実際にプレイしてみると、文章は非常に読みやすくしかも流麗で、作者さんの高い能力に感心した。
一流どころのプロのシナリオライターにも、劣らない力量の持ち主だと思う。
このゲームには、NOSTALGIAという番外篇もあり、こちらはリューの叔父のカイが主人公である。
「兄貴が帰ってこないと、ミャオが泣きながらやってきた。
行き先はPK-19という未開の惑星。
俺と一緒なら上陸許可を出してやると、オハラに言われたそうだ。
惚れた女と一緒に、俺の恋敵を探せっていうのか?
冗談じゃねえ!!
・・・そして俺は―――未開の惑星に降り立った。」
との、作者さんのサイトの説明である。
こちらはフォトグラフィアの前日談で、ミ・ヤオとカイの物語である。
帰って来ない兄のルシアスを探しに、リューの叔父である若き日のカイは、未開の惑星PK-19に赴く。
こちらは画像の表示も速いが、フォトグラフィアの後作者の腕が上がったからなのだろうか。
ところが、ストーリーの方は内容の展開が遅く、どうにもまだるっこい。
これは前作とは大変な違いである。
カイはミヤオと共にPK-19に行き、そこでルシアスと会い、又戻る。
計30分、それだけ・・・
本篇の出来の良さと番外篇のこの落差、文字通り天と地の違いがある。
はぁ・・・
これではしょうがないので、「漆黒館密封殺人」を始めてみた。
これも吉里吉里2によるゲームで、主人公朝比奈優が気がつくと、漆黒の部屋の中にいた。
壁も黒、床も黒、ベッド迄黒一色という、不思議な部屋である。
ドアはあるので外に出てみると、廊下も黒という徹底ぶりだ。
しかも、なぜこんな所にいるのか、まるで記憶がなく、ただ途方にくれるのみである。
廊下では雨宮手児菜という高校生の少女と出会ったが、彼女も優と同様に、なぜどのようにして、ここにいるのかわからないそうだ。
壁に手を触れながら廊下を一周すると、元の所に戻った。
扉が50メートル間隔で12あるので、一周は600メートルあることになる。
600メートル・・・ 国立競技場ですな、これは。
オリンピックもここで開催するそうな・・・
漆黒館密封殺人 その2へ続く