ベラルーシの部屋ブログ

東欧の国ベラルーシでボランティアを行っているチロ基金の活動や、現地からの情報を日本語で紹介しています

2023年12月11日。ウクライナ侵攻から657日目

2023-12-11 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2023年12月11日。
 ネパールのダハル首相は今日開いた記者会見で、
「200人以上のネパール人がロシア軍に入隊していることが分かり、我が国の新たな試練になっている。」
と明らかにしました。
 すでにウクライナ軍との戦闘でネパール人兵士6人が死亡したほか、一部のネパール人がウクライナ側の捕虜になっているということです。
 ネパール人兵士らは、観光や就学のビザでロシアに入国したとみられますが、ネパール国内の組織が高い報酬をうたい、ロシア軍への入隊をあっせんしていた疑いがあることから、現地当局は5日、業者などを摘発しました。
 お金に釣られて一攫千金を狙い、命を賭けてしまうネパール人が何百人もいるということです。
 ネパール外務省は声明で、ロシア政府に対し、ネパール国民をロシア軍に徴兵しないよう要請するとともに、すでに入隊した兵士らを帰国させるよう求めています。

 一方、ダハル首相は、「ウクライナ軍にも一部のネパール人が加わっているとの情報がある」としていますが、つまりロシアもウクライナも兵士が不足している証拠です。
 外国人で人手不足を補っている状態で続く戦争・・・。
 
 他にもロシア軍にウズベキスタンなどの外国人が雇い兵として参加し、これまでに250人以上が死亡したことがわかりました。ロシア側はロシア国籍や高額の報酬と引き換えに外国人の勧誘を勧めているようです。
 そんなにロシア国籍がほしい外国人はどのような考えなのでしょう。

 イギリスBBCのロシア語版サイトは今月5日、ロシアの独立系メディアとともに外国人の雇い兵に関する資料を集め、これまでに少なくとも254人の死亡を確認したと報じました。
 最も多かったのがウズベキスタンの61人で、ほかにもタジキスタンやキューバ、アフリカのソマリアなどからもロシア軍に参加しているということです。



 ロシアの反政権活動家ナワリヌイ氏の広報担当者は今日、ナワリヌイ氏が収監先のモスクワ東方ウラジーミル州の刑務所から別の場所に移されたと明らかにしました。
 アメリカ国務省報道官は今日の記者会見で「同氏の所在の情報は無く、安否を深く懸念している」と表明しています。所在不明、安否も不明です。
 来年3月のロシア大統領選挙を前にして、対策を取ったということでしょうか。

2023年12月8日。ウクライナ侵攻から654日目

2023-12-08 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2023年12月8日。
  国際オリンピック委員会は今日、ウクライナに侵攻しているロシアとその同盟国ベラルーシの選手について、「中立」選手として2024年夏のパリ五輪に出場できると表明しました。
 もちろんウクライナ政府は反発。 
 もっとも、ロシアとベラルーシの選手は国旗、国歌、エンブレムの使用は禁じられるほか、出場できるのは個人競技のみで、団体競技には参加できません。
 団体競技に出場できないというのは選手からするとつらいですね。
 でも、個人競技に出られるだけでもとても運が良いと思わないといけないです。
 あーあ、ウクライナの選手と競技することになったら・・・双方の選手の心境が思いやられます。
 外国に移住、移籍、亡命して、その国の選手代表になるベラルーシ人選手もいると思いますが、こちらもどんな心境でしょうか。外国の国旗の下でメダル獲得を目指すことになるわけですから。



 アメリカ国務省によると、アメリカ政府とベラルーシの民主派との戦略対話が今月6日から8日にかけて行われ、ベラルーシの反体制派の象徴、チハノフスカヤ氏らが参加しました。
 来年のベラルーシ大統領選挙実施を見越しての今回の対話です。アメリカ政府がベラルーシ政府にどれだけの圧力をかけたいのか、内容、その効果のほども不明です。


2023年12月7日。ウクライナ侵攻から653日目

2023-12-07 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2023年12月7日。

 ロシア上院は大統領選挙を来年3月17日に実施することを決定しました。
 プーチン大統領は出馬をまだ表明していませんが、出馬する可能性は大変高く、そして再選される可能性も非常に高いです。
 ヘルソンやザポリージャなど現在、ロシアが占領している地域でも大統領選挙を行うでしょう。

 

2023年12月6日。ウクライナ侵攻から652日目

2023-12-06 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2023年12月6日。

 ウクライナの元国会議員で、ロシアのウクライナ侵攻を支持し国家反逆罪などに問われたイリヤ・キワ氏(46)が今日、モスクワ郊外の村でウクライナ保安局によって暗殺されました。
 同氏は先月、ロシアによるウクライナ占領を公に呼びかけた罪で、欠席裁判で14年の禁錮刑となっていました。もちろんとっくにウクライナからロシアへ逃れていたのが、居所が見つかり暗殺されたということですね。
 ウクライナ国防省情報総局のユソフ報道官も、報道内容をウクライナのテレビ局に認めたので、自国民向けに国のやり方を広く知らしめる、という態度です。
「キワ氏は確かに、もう存在しない。ウクライナを裏切ったほかの者たちや、プーチン政権の操り人形も、同じ目に遭うはずだ。」

 キワ氏は2019年のウクライナ大統領選挙で落選し、ロシアがウクライナへの全面侵攻を開始するわずか1カ月前にウクライナを離れており、ロシアに渡った後は、ロシア国営テレビのプロパガンダ番組に頻繁に出演していたそうです。だから暗殺されたんですね。自分のリスクについて同氏は考えていたのでしょうか。

日本語能力試験2023年12月

2023-12-03 | 日本文化情報センター
 今日は2023年度第2回(12月)日本語能力試験の実施日です。
 12月はミンスクが試験会場になることはないので、そしてそれは前々から分かっているため、日本文化情報センター日本語教室からは7名がロシアでの受験のため出発しました。
 うち4名がモスクワでの受験、3名がペテルブルグでの受験です。

 モスクワの7月の試験は申込受付をした後に中止が発表され、その後受験料の返金について「50%しか返金できません。」と通達があり、みんな面食らっていたのですが、今年12月の受験料に振替が可能であったため、上記4名は7月の受験を12月の受験に切り替えていたものです。
 12月の試験もまた中止になったらどうしようとみんな心配していました。でもようやく実施されたので、夜行列車や夜行バスに乗ってミンスクを出発しました。
 インフレ、そしてロシアの物価が高いことから、宿泊費を浮かそうと、試験当日の朝、モスクワやペテルブルグに到着、仮眠も取らないまま試験会場に直行する生徒もいます。

 これで不合格だったら悲しすぎるので、全員の合格を祈願しています。

 ペテルブルグで受験する3名は、7月のモスクワの試験が中止になり、多くの申込者が12月の試験に切り替えたため、モスクワの試験会場に空席がなく、ペテルブルグでの受験を決めた人たちです。
 しかし、ここで別の問題が出てきました。
 試験結果と認定証は採点を行う東京から各試験会場に3月にまとめて郵送されてくるのですが、モスクワの試験実行員会は、各受験者に転送してくれて、その郵便代も受験料に含まれています。モスクワからベラルーシへ郵送してくれるのでありがたいです。

 ところが、ペテルブルグの試験実行員会は、
「うちはそのようなサービスは行っておりません。3月ペテルブルグにベラルーシから取りに来て。」
と言っています。
 このため、もともと私は自分の生徒にはペテルブルグでの受験は勧めていません。
 でも、7月の受験を12月に振り替えた人が多くて、モスクワの試験会場には新規申込者用の空がなかったので、ペテルブルグに申し込むしかなかったのです。(ベラルーシからビザ無しで渡航できて距離も近い場所という意味では、一番便利なのはモスクワ、次がペテルブルグです。)

 合格しても東京からペテルブルグの試験実行員会に届いた認定証を取りに、わざわざ往復およそ1万円の夜行列車や夜行バスに乗ってまたペテルブルグへ行かないといけないのか・・・モスクワでの受験だったら郵送してくれるのに・・・同じロシアでもどうしてこんな差があるのかとうんざりしています。
 だったらペテルブルグの試験実行委員会のHPで申し込み手続き案内に、一言明記しておけばいいのにそれは書いてありません。
 実はこの点については、私は東京の国際交流基金に問い合わせたのですが、回答は世界各地で日本語能力試験が行われているので、細かい点は現地の実行委員会の判断に任せており、日本側は指示や規則は決定していないということでした。
 同じロシアでも都市によって対応がバラバラなのです。

 仕方ないので、一人の受験者が認定証を取りに行き、ついでにベラルーシで他に合格した人の認定証もまとめてベラルーシへ持ってきてもらったら、交通費が一人分だけになるのでみんな助かると思いましたが、試験実行委員会によると、他人の認定証を渡すには委任状を提示しないといけないということでした。
 つまり「私、◯◯はこの委任状を提示している△△さんに、私の日本語能力試験認定証を代わりに受け取ることを委任しています。△△さんは信用できる人です。」と記載してある法律上の効力を持つ委任状を作成しないといけないということです。
 そして、その公式な委任状を作成するためには公印が必要であり、その書類作成と手続きに70ベラルーシ・ルーブル、日本円にして3500円支払わないといけません。
 夜行バス片道4500円の交通費のことを考えると安いですが、代表で取りに行く人の交通費を合格した人の頭数で割って一人あたりの負担を考えると、今回受験している3人全員合格すれば得になりますが、2人しか合格しなかった場合、委任状作成の経費と合わせると、大した得にならないので、ペテルブルグへ自分で取りに行くのと差がない・・・ということになってしまいます。

 ペテルブルグで受験する3人があれこれ試験実行委員会に問い合わせたところ、結局ミンスクにある輸送会社に委託して、その業者さんが試験実行委員会に赴き、そこから直接ベラルーシの各住所に配達してもらうことになりました。これは一般の郵便ではないです。各々がこういう配達サービスに料金を払わないといけないのです。
 また夜行列車や夜行バスに乗って認定証を取りに行くよりずっと安くつきますが、やはり、ミンスクが試験会場にならないと、ベラルーシ人の日本語学習者の負担は大きいです。

 チロ基金としても何とか支援したいのですが、戦争のせいで状況がとにかく不安定で、ロシアでの受験支援になかなか踏み切れません。
 とにかく来年7月のミンスク会場の試験が実施されることを祈ります。
 それが無理な場合は、チロ基金提供の「私たちのテスト」を行います。チロ基金としてはとにかくできることは支援していきたいと思います。ともかく早く戦争が終わってほしいです。
(ウクライナもイスラエルも日本語能力試験、今日実施されているはずですけど。)

 このように書くと、「今や敵国扱いになったロシアで日本語能力試験など行うな、ベラルーシも同様だ」と思う日本人もいるでしょう。
 何だかんだ言いながら、ロシアで日本語能力試験が実施されると、受験料が動き、国の経済全体から見るとわずかですがロシア経済の一助になっているのです。
 ベラルーシ人がベラルーシで受験できないからロシアで受験します、となると、結局それはベラルーシ経済のためになりませんが、ロシア経済のためにはなります。日本はロシアにもベラルーシにも経済制裁を発動していますが。

 それから、ベラルーシで日本語を勉強しているベラルーシ人がおろうがおろうまいが、日本には関係がないと思う日本人も大勢いると思います。
 確かに国策のように力を入れて、ベラルーシで自国語普及に熱心になっている中国政府と韓国政府の努力の結果、ベラルーシでは日本語学習者の数が減ってしまいました。
 それも、どうでもいいことだと思う日本人が大多数でしょうし、それを責めるつもりは私はありません。しかし、このような現状を見ていると、その言語の学習者数が、それぞれの国の国力を表していると思えます。
 つまり日本語学習者の数が減るというのは、日本の国力、国際競争力が弱ってきていることの証拠であるということです。

2023年12月1日。ウクライナ侵攻から647日目

2023-12-01 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2023年12月1日。

 ロシア大統領府は今日、プーチン大統領が軍人を最大132万人に増やす大統領令に署名したと発表しました。
 最大17万人、約15%の増員となります。つまり兵員不足が続いているということの証拠です。
 国防省は、ウクライナ侵攻とNATO拡大の脅威への対応だとし、志願による契約兵を増やすと説明しています。ロシア人で忌避感情のある人は外国に逃げているでしょう。
 志願兵を増やすということは、報酬で釣るしかないので、一か八かの金儲けに命を賭けようという人しか集まらないと思います。