ベラルーシの部屋ブログ

東欧の国ベラルーシでボランティアを行っているチロ基金の活動や、現地からの情報を日本語で紹介しています

2023年12月25日。ウクライナ侵攻から671日目

2023-12-25 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2023年12月25日。

 ウクライナは今年、クリスマスを12月25日に祝うことをすでに決定していたため、今日がクリスマスです。理由は1月7日にロシアと一緒にクリスマスを祝いたくないから。何だか感情的になっているように見えますが、よくある戦時中のクリスマス休戦をしづらくするようにウクライナが仕向けているように思えます。
 キリスト教では祝祭日は安息日なので、戦争なんてこの日はしませんよ、というムードになります。
 すると1月7日が安息日のロシア軍に安息日ではないウクライナ軍が攻撃しやすくなります。

 これで、ウクライナは12月25日がクリスマスで、1月7日は平日。ロシアは12月25日が平日で、1月7日はクリスマスということになります。
 そしてベラルーシはカトリック教徒も国民の3割を占めるため、12月25日も1月7日もクリスマスで、休日なんです。おかげで今年はベラルーシは連休になって嬉しいです。
 

 ロシア(だけではないのですが)では鶏卵の価格が急騰しています。
 独立系メディア「メドゥーザ」によると、今年11月の卵の全国平均価格は、前年同月比で40・3%値上がり。
 ロシア政府当局の発表では、ロシアの卵の価格は11月に先月から比べ15%上昇しました。
 ちなみにベラルーシでは、11月の卵の価格が先月と比較して平均1.11%上昇しました。ベラルーシも食料品の価格が上昇し続けていますが、ロシアの比ではありません。
 ロシアの地方都市では、卵が1個ずつばら売りされ、市民が行列を作っています。10個入りのケースで販売しないんですね。 
 ロシアのウクライナ侵略に伴う米欧の経済制裁でニワトリ用飼料の仕入れ先が限定され、生産コストが上昇したのが原因だそうです。ロシア当局によれば、一部の鶏卵業者が価格をつり上げるカルテルを結んだ疑惑があるとして捜査も開始しています。
 ロシア大統領は今月14日に行われた国民との「テレビ対話」で鶏卵について「政府の失敗」を認めて率直に陳謝しました。
 もうすぐお正月とクリスマスで、ケーキやサラダなどに使う卵の需要が高まっているこの時期、卵不足では、国民の不満も高まるでしょう。
 ロシア政府はベラルーシやトルコ、アゼルバイジャンから輸入を拡大し、卵の輸入関税を半年間、ゼロにする措置を取ることを決めるなどの対応に追われています。

 今日、ユーラシア最高経済評議会の会議がサンクトペテルブルクで開催されましたが、席上で出席したベラルーシ大統領が自国内での食料品を完全に自給自足しているという報告書を読み上げました。
 その食料品のリストの中に「鶏卵」という言葉があり、それを読み上げたルカシェンコ大統領は演説を中断し、プーチン大統領に微笑みかけました。
 それに対しプーチン大統領は「ロシアに卵をください。ケチらないで。」と微笑み返す一幕がありました。

 ちなみに・・・私がベラルーシに住み始めた90年代後半は年末になると店頭から鶏卵が消える年がありました。
 それはベラルーシの卵をそっくりそのままロシアに輸出していたからです。国内で売るより、高く買ってくれるロシアに売る方が儲かるので、自国のことは考えずどんどん食料品を輸出していたからです。特に人口の多いモスクワの胃袋を支えているのはベラルーシです。(食品の種類にもよりますが。)
 卵から作るマヨネーズもなくて、お正月やクリスマスに食べるサラダにかけられないとベラルーシ人は不満を政府に対してぶつくさ言っていました。(当時私はマヨネーズは手作りしていました。)ルカシェンコ大統領が年末の卵不足問題を解決すると公約し、やがてこの問題はなくなりました。

 その調子で20年うまくいっていたのですが、今年再び卵不足になるのでは?と身構えてしまいました。
 しかし、12月下旬になった今も、ベラルーシでは店頭に卵もマヨネーズも通常通り並んでいます。
 行列ができるとか闇市で手に入れるとかそのような事態はベラルーシでは起こっていません。無事に年越しできそうと一安心しています。