ベラルーシの部屋ブログ

東欧の国ベラルーシでボランティアを行っているチロ基金の活動や、現地からの情報を日本語で紹介しています

茶の湯の紹介 第14回 (5)

2016-05-14 | 日本文化情報センター
 今年は茶の湯を試した後に新美南吉ロシア語訳童話集を参加者のみなさんに贈呈しました。

 日本文化への理解がますます深まってくれたらと願っています。

 茶の湯参加者以外にも、バラノビッチ市内にある5箇所の図書館に2冊ずつ、寄贈されることになりました。
 私自身は直接持って行けなかったのですが、中央図書館のナタリヤさんが代わりに各館に持って行ってくれるということで、助かりました。

 さて、今年バラノビッチで茶の湯を行うと決定したのは、理由がありました。
 新美南吉ロシア語童話集を翻訳するに当たり、ロシア語の推敲を担当したのが、ビクトル・コンスタンチノフさん。(日本語ができます。)
 コンスタンノフさんがバラノビッチ在住であったため、茶の湯の今年の開催場所として、バラノビッチが選ばれたのです。

 

茶の湯の紹介 第14回 (4)

2016-05-14 | 日本文化情報センター
 それにしても、この女の子、目の前で行われている不可思議な行動(お手前)をものすごく見ていますよね。
 何やってんだろ?と思っているでしょうねえ。

茶の湯の紹介 第14回 (3)

2016-05-14 | 日本文化情報センター
 そしてみんなのお楽しみ。希望者にお茶を点てることになりました。
 本当に小さい子まで畳の上で正座・・・はできなくてお母さんの膝の上で、お茶ができるのを待ちました。

茶の湯の紹介 第14回 (2)

2016-05-14 | 日本文化情報センター
 まずは茶の湯のデモンストレーション。
 会場に集まったバラノビッチの皆さん、カメラをかまえたり、立ち上がったりして真剣に見ています。


茶の湯の紹介 第14回 (1)

2016-05-14 | 日本文化情報センター
 14回目となりました日本文化情報センター実施の茶の湯の紹介。
 今年は5月14日バラノビッチ市立中央図書館で開催されました。 この図書館では2013年11月に出張講演を行い、新美南吉の紹介を行っています。

 このブログでご報告する前にすでにこの図書館が画像や感想を公開していますので、リンク先を貼っておきます。
 こちらです。

 そしてこちらは地元のニュースサイトです。

 バラノビッチ市立中央図書館の司書であるナタリヤさんから茶の湯の開催を頼まれてから4年近く経ってしまいましたが、ようやく今年実施できてよかったです。

 私の母が主人の役担当、私が主客担当、私の娘が次客の役担当、父が三客の担当でした。
 会場には日本文化にもともと興味があるという方々がおよそ50人が来場してくれました。年齢差がとても幅広かったです。 
 
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 過去に茶の湯の紹介を行った会場とご報告はこちらです。

2002年 日本文化情報センター創立3周年記念

2003年 グロドノ市立中央児童図書館

2004年 日本文化情報センター創立5周年記念

2005年 ポーロツク市立第7児童図書館

2006年 スベトロゴルスク市立中央児童図書館

2008年 SOS子ども村

2009年 日本文化情報センター創立10周年記念

2010年 オシポビッチ青少年創作センター.

2011年 アガレビッチ村立学校.

2012年 カリンコビッチ市立第3学校

2013年 モロジェチノ中央図書館.

2014年 日本文化情報センター創立15周年記念.

2015年 オシミャヌィ市立図書館

ミンスクの公園に桜が120本植樹されました

2016-05-12 | ベラルーシ生活
 2016年5月12日、ミンスク市内にある民族友好公園の一角に日本の桜120本が植樹されました。
 その一角は桜の並木道という名称で呼ばれます。

 ベラルーシのニュースはこちら。

 まだ細い桜の木で、来年の春に開花するかどうか分からないのですが、2年後には咲くかも・・・と期待されます。
 日本とベラルーシの友好のシンボルがまた一つ増えました。
 美しく花開いてほしいですね。(^^)

 

給食のタケノコご飯から基準超のセシウム

2016-05-11 | 放射能関連情報
5月11日付のニュースです。

給食のタケノコご飯から基準超のセシウム
 宇都宮市は11日、市内の小学校で10日に提供した学校給食のタケノコご飯のタケノコから、基準値(1キロ当たり100ベクレル)を超える放射性セシウムが検出されたと発表した。

 市によると、10日の給食で同校児童531人が食べたタケノコごはんを簡易検査したところ、基準を超える放射性セシウムが疑われたため、栃木県林業センターで精密測定。その結果、最高で234ベクレルを検出した。

 県環境森林部がタケノコの出荷者に事情を聴いたところ、出荷制限がかかっていない宇都宮市産に、出荷制限区域のタケノコが交じっていた可能性があるという。

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 食べてしまった後で気がついたんですね・・・
 給食に出す前に気づいてほしかったです。


 

チロ基金の活動「ビタペクト&『放射能と栄養』無料配布・SOS子ども村 第193回」

2016-05-04 |   ビタペクト配布活動
 5月4日にビタペクト3と「チェルノブイリ:放射能と栄養」のコピー無料配布運動として、SOS子ども村への第193回目の配布を実施いたしましたので、ご報告いたします。
 今回はビタペクト3を15個、そして「チェルノブイリ:放射能と栄養」のコピーを2部渡しました。
 これで今までに配布したビタペクト2、ビタペクトT、ビタペクト3の合計は2415個、セルロースの合計は82個、「チェルノブイリ:放射能と栄養」のコピーは2131部となりました。
 今回で通算209回目の配布となりました。
 延べ人数ですが、2415人の子どもにビタペクトを、約73人の子どもにセルロースを、2131家族に「放射能と栄養」のコピーを配布したことになります。

(これまでのビタペクト配布運動について、詳細はこちらをご覧ください。)

http://belapakoi.s1.xrea.com/chiro/katudou/bitapekt/index.html


http://blog.goo.ne.jp/nbjc/c/e1e67d76a4796f3c95377bb7bdabd215


(またこの活動報告を読むにあたり、「チロ基金の活動『ビタペクト2無料配布』について追加のご説明」も併せてご覧ください。)

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/67c3b73ea2f30e880c3d4eb8bedded13


(ビタペクト2とビタペクトTについてはこちらをご覧ください。)

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/5cab63b65562dd2f64a820a7e4298a0b


(ビタペクト3についてはこちらをご覧ください。)

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/922c333857741c5448f66d4fe00b25e1


(「チェルノブイリ:放射能と栄養」について詳細はこちらをご覧ください。)

http://belapakoi.s1.xrea.com/chiro/katudou/chel/index.html



(SOS子ども村についてはこちらをご覧ください。)

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/bb1fb7afb4cac464789e2684181e7d42


(WBCによる測定、ビタペクトを開発、製造、販売しているベルラド放射能安全研究所の公式サイトはこちらです。)

http://www.belrad-institute.org/


(ベルラド研究所について日本語でご紹介している記事はこちらです。)

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/c382ef7eca8660531e895c8a646e7f2a


http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%99%E3%83%AB%E3%83%A9%E3%83%89%E6%94%BE%E5%B0%84%E8%83%BD%E5%AE%89%E5%85%A8%E7%A0%94%E7%A9%B6%E6%89%80


 チロ基金は以前ビタペクトに代わり、ペクチン入りセルロースを配ったことがあります。セルロースについてはこちらです。

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/43f810eddd1efc451f5171ef3cd35a7a



 今回は2家族がゴメリ(チェルノブイリ原発から約140キロ)から保養滞在していました。それぞれの家族にお話を伺いました。

(家族A)

 お母さんが4人の子どもを連れてきていました。そして5番目の子どもを妊娠中でした。この家族には4個のビタペクト3を渡しました。
 それぞれの体重1キロあたりの放射能測定結果はこのとおりです。○印の子どもにビタペクト3を1個ずつ渡しました。

母親(事故発生時4歳)22ベクレル 
長女 (7歳)27ベクレル ○
長男 (6歳)20ベクレル ○
次女 (3歳)26ベクレル ○
次男 (2歳)23ベクレル ○

 2歳の次男にビタペクト3をあげるかどうか悩んだのですが、もし何か問題があれば、中止して残りは妊娠中のお母さんが飲むことになりました。
 子どもたちの健康状態ですが、長女は甲状腺肥大、長男も体が弱いそうです。
 保養には来ていませんが、お父さん(33歳)はつい最近高血圧になり、検査を受けたところ甲状腺のホルモンバランスに異常が見つかり、そのせいで高血圧になったと言う診断をされました。今はホルモン剤を飲んで、血圧も正常になったそうです。
 お母さんは汚染地域で有名だったブラーギン地区の出身です。今も自分の母親がそこで暮らしていますが、汚染地域と一言で言っても、場所によってずいぶん差があったということでした。
 お母さんは事故が起きて3ヵ月後、ロシアに保養に行ったそうです。列車で行ったのですが、被爆を恐れて保養に行く子ども達で車両は満席だったそうです。子どもは中学生ぐらいの年齢の子が一番多かったと話していました。

 
(家族B)

 お母さんが4人の実子と7人の養子を引率していました。この家族には11個のビタペクト3を渡しました。
 それぞれの体重1キロあたりの放射能測定結果はこのとおりです。○印の子どもにビタペクト3を1個ずつ渡しました。

母親(事故発生時2歳)31ベクレル
長男(11歳)42ベクレル ○
長女(11歳)33ベクレル ○
次男 (8歳)39ベクレル ○
三男 (3歳)24ベクレル ○
女子 (9歳)39ベクレル ○
女子 (8歳)41ベクレル ○ 
女子 (8歳)32ベクレル ○
男子 (7歳)20ベクレル ○
女子 (6歳)32ベクレル ○
女子 (5歳)32ベクレル ○
女子 (4歳)38ベクレル ○

 子どもたちの健康状態ですが、長女は腎臓病のため、腎臓を一つ摘出しています。
 長男は甲状腺肥大。お母さんも甲状腺が肥大しています。保養には来ていませんがお父さんは心臓病だそうです。これは被爆のせいではなく遺伝かも、とお母さんは話していました。お父さんのお父さんは40代で心臓病で亡くなっているそうです。
 
 今回も子どもたちに折り紙、折り鶴、折り鶴の作り方(千羽鶴プロジェクト)、日本語で子どもの名前を書いた絵葉書、お母さんたちには着物で作った巾着袋をプレゼントしました。  
 画像は記念撮影した様子です。

 最後になりましたが、ビタペクト3の購入費、そして「放射能と栄養」をコピーするために必要な経費を寄付してくださった方々、折り紙や絵葉書、スプーンなど子どもたちへのプレゼントを寄贈してくださった方、また日本ユーラシア協会大阪府連主催のバザーなどでSOS子ども村への交通費を捻出してくださった多くの日本人の皆様に深くお礼申し上げます。
 ベラルーシの子どもたちもお母さんたちもSOS子ども村の職員の方々も皆様に大変感謝しております。本当にありがとうございました。
 

新美南吉ロシア語訳童話集「ごん狐」が出版されました!

2016-05-03 |   新美南吉
ついに新美南吉の童話のロシア語訳が出版されました!
 翻訳活動を始めて、3年・・・長かったですがようやく実現しました。

 日本人の方々から寄せられた寄付金を集め、チロ基金が経費を全額負担した自費出版に当たり、営利目的ではないため、ほとんどの部数ははベラルーシの各地の図書館に無料で寄贈される予定です。
 出版にかかる費用を寄付してくださった日本人の方々に深く感謝しております。
 翻訳にあたり、資料の提供などご指導してくださった新美南吉記念館にも感謝申し上げます。
 日本とベラルーシの両方からの多くのご協力により完成しました。
 この本によって、南吉童話がベラルーシでも広まってほしいと願っています。
 
 内容ですが、14作品が収録されています。(収録順)
「ごん狐」
「たけのこ」
「でんでんむしのかなしみ」
「かんざし」
「去年の木」
「手袋を買いに」
「赤いろうそく」
「一年生たちとひよめ」
「小さい太郎の悲しみ」
「二ひきの蛙」
「飴だま」
「おじいさんのランプ」
「狐」
「牛をつないだ椿の木」

(上記の作品について「こんな話は読んだことない。でも読んでみたい。」と言う方は、青空文庫の新美南吉のページをぜひご覧ください。)

 このほか俳句が一句、日記からの抜粋、作者の経歴を紹介するページもあります。

 俳句は新美南吉が小学校の卒業式のときに詠んだ一句。
「たんぽぽの いく日 ふまれてけふの花」

 日記は1942年7月10日に書かれたものからの抜粋です。
「よのつねの喜びかなしみのかなたに、ひとしれぬ美しいもののあるを知っているかなしみ。そのかなしみを生涯うたいつづけた。」

 また第26回IBBYニューデリー大会で、美智子皇后陛下が発表された基調講演が収録された著書「橋をかける ― 子供時代の読書の思い出」ロシア語版から「でんでんむしのかなしみ」についての箇所だけ転載しています。

 この本のロシア語版は絶版になってしまいましたが、日本語は文庫版が出版されており、また宮内庁HPで全文を日本語と英語で読むことができます。リンク先はこちらです。

 ロシア語版の再版の見込みは少なさそうですので、「でんでんむしのかなしみ」について皇后陛下が述べられている箇所だけでも、再録しロシア語でご紹介したいと思いました。

 表紙と裏表紙はカラーですが、本文中の挿絵は白黒です。挿絵は1話につき、少なくとも1点ついています。
 画像は表紙とその裏、そして扉の部分です。

 新美南吉生誕100年に当たる2013年から翻訳作業、出版準備、資金集めとずいぶん時間が経ってしまいました。出版が実現したのがまだ夢のようです。
 若かりし日の南吉さんが雑誌に詩を投稿して、それが初めて雑誌に載っているのを見たとき「うれしくて目がぼうとした。」と日記に書いているのですが、その気持ちがよくよく分かりましたよ。
 ロシア文学が好きだったという南吉さんも天国で喜んでくれているかなあと思っています。