ベラルーシの部屋ブログ

東欧の国ベラルーシでボランティアを行っているチロ基金の活動や、現地からの情報を日本語で紹介しています

震災から4年

2015-03-11 | 放射能関連情報
 東日本大震災が発生して4年となりました。
 日本から離れたところに住んでいても、あの震災のことを思い出します。
 そして福島第1原発事故が起きてから4年目にもなります。
 チェルノブイリ原発事故の際には事故が起きて4年後から子どもの甲状腺がんの数が急増したことで知られています。
 日本で同じことにならないよう祈るばかりです。

 しかし私の考えですが、このような急増は日本では起こらないのではないかと思っています。
 それは検査の方法や機械や技術が1990年のソ連と2015年の日本では差があるからです。

 以前日本人の医師と話をしたときに
「日本では子どもの甲状腺がんが起こる確率は100万人に1人なんですよね。それが原発事故後、増えたらやはり放射能が原因と言えるのではないですか?」
と私が質問すると、お医者さんは「そうと言い切れない。」と答えました。
 それは事故の前は、子どもに対して事故の後の現在のように詳細な検査をしていなかったからです。検査の条件がちがうので、単純比較できないのです。

 事故前に日本中の子どもの甲状腺を詳しく調べて、「発症率は100万人に1人」と結論づけていたのではないのです。
 仮に現在検査をして「100万人に10人」の割合で甲状腺がんの子どもが見つかったとします。
 これだけ見て、「発症率が10倍になった! 放射能のせいだ!」とは言えないということになります。
 もしかすると、事故前も詳しい検査をしていたら「100万人に10人」の割合だったかもしれないのです。

 チェルノブイリ関連の放射能被爆に関するボランティアをしていると、よく日本人から「データがほしい。」「数字を示してほしい。」と言われます。
 それで数字を出しても「ソ連は秘密主義の国だから、やっぱり信じない。」「ベラルーシは医療レベルが低いからやっぱり信じない。」と言われることもあります。
 「明確なことは分からない。」と言うと「科学的データがないから、チェルノブイリの事例は役に立たない。」とか言われることもあります。

 でもはっきり言って、前述の医師の話を聞くと日本も同じで、はっきりした数字なんてどこにもないし、事故前と事故後と比較することもできないのではないかと思えてきます。
 もう時間は戻りませんから、事故前のデータというのは集められないからです。

 放射能被爆に関しては、現時点では確実な数字というのはないと思っておいたほうがいいのかもしれません。
 まだまだ人類がよく分かっていない、公式も作れない、体験もない、というものを相手にしているのだと思ったほうがいいのかもしれません。

 とにかく、日本で病気になる人が増えないことを祈ります。

 私はベラルーシで、日本人の科学者からすると役に立たない数字かもしれませんが、それでも子どもたちの被爆量を聞き取って、必要な子どもにビタペクトを渡す活動をできる限り続けていこうと思っています。
 
 

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