ベラルーシの部屋ブログ

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チェルノブイリ33年 ゴメリ州立図書館の取り組み

2019-04-26 | 放射能関連情報
 2019年4月26日、チェルノブイリ原発事故発生から33年目を迎えました。
 この日、私はゴメリ州立図書館の御招待を受けて、ゴメリへ行ってきました。
 しかし、テーマはチェルノブイリとは関係がなく、ゴメリでももう事故のことは意識になく遠い過去になりつつあるのか、と思っていました。
 私はイオシフ・ゴシケーヴィチをテーマにレクチャーをしたのですが、4月26日にチェルノブイリと全く無関係な話ばかりするわけにも・・・と思ったのでゴシケーヴィチが函館に建てた病院について詳しく話をしました。人種を越えて、助け合いましょう、ということです。
(ちなみにゴシケーヴィチは現在のゴメリ州にある村で生まれました。そのためゴメリ州立図書館にはゴメリ出身の有名人コーナーの中にゴシケーヴィチのコーナーがちゃんとあります。)

 実際訪問してみると、この日ゴメリ州立図書館ではチェルノブイリ関連のイベントがちゃんと行われていました。文学と音楽のコンサートで、「チェルノブイリを私たちの記憶の中にとどめましょう」というメッセージが込められていました。

 またゴメリ州立図書館には児童図書コーナー(分館)があり、司書の方に話をうがうと、4月25日と26日は学校から団体で次々とやってきて、司書の方々は2日で合計5回チェルノブイリのお話をしたそうです。
 毎年この時期は「チェルノブイリのお話」を子ども向けに児童図書館で行っているということでしたが、対象年齢は小学4年生前後だそうです。

 そのときにはチェルノブイリに関するドキュメント映画の上映をしたり、司書の方が作成したプレゼンテーションを使用するそうです。

 そのうち小学校1-2年生向けのプレゼンテーション資料を見せてもらいましたが、私が見た限りでは、1-2年生向けとは思えないような高度な内容で、「放射能とは何か? ヨード、セシウム、ストロンチウム・・・」から始まっていて、原発の仕組みなど、小学校低学年は本当に理解できるのかしら?とびっくりするようなレベルです。

 被曝して病気になった子どもの白黒写真や、事故処理作業員の写真なども使われており、「事故は悲劇」「リクビダートルは英雄」といったメッセージが強く感じられます。

 これもゴメリという地域性によるものかもしれません。
 原発事故から33年経過した今も、ゴメリではチェルノブイリのことを風化させないように努力を続けており、公立の児童図書館でも次世代に向けて、図書館でできることをきちんとしている印象でした、

 一言でベラルーシと言っても、地域差、温度差があるように感じた一日でした。
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