ベラルーシの部屋ブログ

東欧の国ベラルーシでボランティアを行っているチロ基金の活動や、現地からの情報を日本語で紹介しています

がれきとゴミ処理

2012-11-06 | 放射能関連情報
 がれきについてメールでご質問があったのですが、ここでも記事を投稿しようと思います。
 地震と津波によって大量に発生したがれき・・・。
 この処理をめぐって日本は賛否両論あるのですが、チェルノブイリ原発事故では地震などの災害は起こらなかったので、日本のようながれきの問題は起こっていません。

 でもがれきの話が出るだろうなあ・・・と予想していたので、ベルラド研究所のネステレンコ所長さんと日本へ行くときの飛行機の中で話をしていました。
 そもそも「がれき」に相当するロシア語がないんですよ。辞書を引いても載っていない・・・。
 どう訳せばいいのか・・・。ちなみに英語でがれきは「産業廃棄物」という言葉を使うそうです。
 でもそれをそのままロシア語にしてしまっていいのか・・・。
 所長さんにがれきについて「ゴミ、と訳すとおかしいし、何て訳したらいいんですかね?」と質問したら
「廃棄物」でよい、という答え。
 しょうがないので、日本滞在中がれきのことは「(震災による)廃棄物」と訳し続けて、所長さんには何のことか通じていました。

 さてそのがれき処理についてなのですが、以前にもこのような記事を投稿したことがあります。

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/9581ab4316332b1e2408fb817c48e512


 チェルノブイリでは汚染地域の森林が(除染もしていませんし)火事を起こすと、放射性物質が舞い上がるので、非常に警戒しています。
 森林火事は大敵なのです。したがって人が出入りするのも禁止。その人の健康に悪い、というのもありますが、タバコの不始末などが起こらないようにするためにも人の出入り禁止なのです。
 
 メールで質問があったのは「ベラルーシでは、普通のゴミは、どのような処理をなされているのですか?」というものでした。
 ベラルーシはそもそもゴミを燃やしません。
 大きい穴を掘って、その中にゴミは分別もせずにどんどん放り込んで、穴がいっぱいになったら、土をかぶせて終わり。
 別の場所にまた新しい穴を掘ります。

 日本は人口密度が狭くて、あいている土地もあまりないので、どうしてもゴミの体積自体を減らす、つまり燃やして少なくする、ということになってしまいます。
 しかし燃やすだけの燃料も施設もないベラルーシでは、ゴミを燃やすことが信じられないのです。
 ましてや放射能汚染されているがれきを燃やす、という行為そのものが全く理解できないので、日本人の私がベラルーシ人に日本のがれき処理の説明するのも一苦労・・・。

 がれきを燃やすとそれに付着していた放射性物質が空中に拡散するので、
「日本の、燃やすという、ゴミの処理方法を考えなおさなくては、いけない事なのでは、と思いました。ベラルーシにいるTさんからみて、いかが思われますか?」
 ときかれたのですが・・・私の意見ですか?
 私の意見は「放射能に汚染されている物は燃やさない方法で処理してほしい。」です。

 でも日本の状況を見てみると、ほかの処理方法がないでしょう・・・。
 狭い日本、どこに放射能ゴミを捨てればいいのでしょうか?

 空気中に拡散される放射能も気になりますが、それより残った灰の部分に放射能が濃縮すると思うのですが、体積は減っても危険度の高いこの灰のほうはどうしているのでしょう?

 ネステレンコ所長さんにその話をしたら、
「放射能を通さない鉛の容器にその灰を入れて密封し、人のいない所にまとめて運んで、風雨にさらされないないような所蔵施設に保管するしか・・・。でも、そんなこと、日本にできるの?」
と逆にきかれました。

 困りましたね。
 もちろんがれき、がれきと一くくりにして話していますが、測定してみて汚染されていないがれきだったら、いくら燃やしても大丈夫です。
 

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