ベラルーシの部屋ブログ

東欧の国ベラルーシでボランティアを行っているチロ基金の活動や、現地からの情報を日本語で紹介しています

山火事に注意してください

2012-03-12 | 放射能関連情報
 日本では春先が一番山火事の多い時期です。空気が乾燥していて、枯れ枝も多い3月は山火事の多い月です。
 山や森がある場所で、汚染地域になっている場所では、火事の発生に気をつけてください。
 山間部は除染が難しく、進んでいないところが多いので、放射性物質は山の地面の部分(地表)にたくさん残っていると思われます。
 もし山火事が起きると、煙(上昇気流)にのって、地表部分の放射能が上空へ舞い上がります。そして遠くへ飛ばされていきます。
 空間線量が落ち着いてきた場所でも再び線量が上昇してしまいます。
 どうか放射能汚染地域の山間部で火事が発生しないように、また発生してもすぐに消火するようにしてください。
 
 同じ理由で震災がれきを焼却処分するのはとても危険です。
 もちろん処分の前にどれぐらいの放射能を含んでいるのか測定する必要があります。
 それで問題なければ、焼却処分してください。しかし高い放射能が検出された場合は、焼却処分するのはやめてください。
 煙といっしょに放射能が空中に拡散されてしまいます。
 また焼却後の灰には放射能が濃縮されますので、体積は小さくなりますが、どこにどのようにして埋めるのか? 処分するのか? といった新たな問題が出てきてしまいます。
 
 チェルノブイリ原発事故のときは自身や津波といった自然災害は起きませんでした。そのためがれきをどうするのかという問題も発生していません。
 しかしもしベラルーシで震災がれきの問題があったとしても焼却処分はしなかったでしょう。
 もともとベラルーシではゴミを焼却処分しません。そのような施設がないのです。
 じゃあ家庭から出るゴミはどうしているのか、と言えば、巨大な穴を掘って、その中に直接投げ込んでいるだけです。穴が満杯になったら、土をかぶせて蓋をします。そしてまた新しい穴を掘ります。
 (この方法も自然環境に対して優しい方法なのかどうか疑問ですが。)

 もともとゴミを焼却処分する、という発想がないのです。ゴミを焼こうと思えば相当の火力が必要で燃料もいります。しかしベラルーシは石油やガスなどの可燃性の天然資源が非常に少ないので、ほとんどをロシアからの輸入に頼っています。
 もしロシアが輸入を止めると、大量の死者が出て、国が大混乱します。
 そしてロシアから燃料エネルギーを購入するために常に国家予算が逼迫している状態が続いており、これがベラルーシ経済がよくならない最大の原因の一つなのです。
 燃料を買うために四苦八苦している状態なので、ゴミを燃やすのに貴重な燃料を使うなんて、とんでもなくもったいないことなのです。

 ベラルーシ人に
「日本では震災のために出たがれきを焼却処分する。」
と話しても
「はあ? なんでわざわざ燃やすの?」
と全くピンと来ないのです。
 
 でもそんなベラルーシ人でも
「放射能を含んだものはがれきでも何でも、絶対焼いちゃダメ! 灰が危ない。その灰のほうはどうするの?」
と強く言います。

 今がれきの処分について自治体が受け入れるか受け入れないかで、地元住民が反対したり、逆に日本人なら等しく分かち合おう、と賛成したり、さまざまな意見が紛糾しています。
 私は処分する場所のことも気になりますが、それより処分方法を焼却にするのが、とても心配です。
 他の処分方法はないのでしょうか?

 ベラルーシがゴミをどんどん穴に捨てることができるのは、人口密度が低いからで、空き地がたくさんあるからです。
 日本はあいている土地があまりないので、焼却して体積を小さくしたい、という気持ちは分かるのですが・・・。
 他に方法はないものでしょうか。

 私個人としてはがれき、という言葉は好きではないです。がれきをゴミ扱いしているかのようなことを書きましたが、本心ではありません。
 本来は誰かの家であったり、持ち物であったりしたものですよね。それをがれきと言うのは気が引けます・・・。

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