ベラルーシの部屋ブログ

東欧の国ベラルーシでボランティアを行っているチロ基金の活動や、現地からの情報を日本語で紹介しています

2022年11月17日。ウクライナ侵攻から268日目

2022-11-17 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2022年11月17日。
 ミンスクは初雪が降りました。

 IAEA事務局長がウクライナ当局から得た情報としてサイトに掲載した内容によると、ウクライナのフメルニツキー原発はロシア軍の攻撃により送電網へのアクセスを失いました。ウクライナ当局の情報では同原発の電力供給が11月15日の現地時間午後6時35分に停止したそうです。
 現在バックアップ電源であるディーゼル発電機に切り替わっています。
 フメルニツキー原発は原子炉の数が2つだけなんですね。もちろん一つでも事故が発生すると大問題です。フメルニツキーには夫の親戚が住んでいるので心配です。ただ、親戚のうち最年長の人とその次に年長の人だけが残っていて、あとはみんなスウェーデンとポーランドに避難しました。
 フメルニツキーにも攻撃があったのはニュースで知っていましたが、原発に影響が出ているのは、やはりロシア軍がわざと目標にっしているからでしょう。
 
 さらにウクライナ西部にあるリウネ原発も、昨日の午後、750 kVの送電線の 1 つとの接続を失ったとIAEAが公表しました。
 その結果、同原発の電力が低下し、4つの原子炉のうち 1 つが自動停止しました。今日午前4時に同原発は国内への電力供給のために、1つの原子炉の出力を上げています。つまり一つの原子炉が使えなくなったのを残り3つの原子炉でカバーしている状態です。
 ウクライナが全国的に電力不足のまま、冬に突入です。


 ベラルーシ大統領は、使用済み核燃料に関してロシアとの政府間協定の草案を承認しました。
 ベラルーシから出た使用済み核燃料をまずロシアに輸送して、一時保管。その後輸入して一時保管し、その後処理方法を確立し、再び核燃料をベラルーシへ輸送するのだそうです。
 2030年までにベラルーシ国内に使用済み核燃料を保管する施設を建設しなといけないとベラルーシ・エネルギー相は述べています。
 ベラルーシは人口密度も少ないし、国有地がたくさんあるのでえ、保管施設を建設するのは簡単にできると思います。それより、ベラルーシとロシアの間を使用済み核燃料が行ったり来たりするときに問題(失敗)が起きないか心配です。


 ウクライナ産の穀物の輸出をめぐるロシアとウクライナ、国連とトルコの合意が120日間延長されました。よかったです。ロシアが態度を変えたり元に戻したりしていましたが、結局延長できたということは、食料を利用しての強気の外交はできないとロシアも認識したということかもしれません。


 日本のニュース記事で、冬将軍による戦局への影響ではロシアに不利(それはそうでしょう。冬将軍がロシアに味方するのは敵がロシアへ北上して食い込んできたときだけですよ。今の戦線はウクライナ南部と東部であってロシア心臓部に近いところではない)とか、攻勢に転じたウクライナのほうが、多くの兵力が必要になり、人口がロシアと比べると少ないから川を越えた向こう岸に撤退したロシア軍を責めるのは難しいとか書いてあります。
 軍事に素人の私ですが、ドローンを飛ばせばいいだけでは?と思います。気温が低いとドローンは全く飛ばないの?と思いましたが、そのことは日本の記事には書いてなかったです。
 
 ポーランド国内にミサイル攻撃(実際には迎撃ミサイルの残骸?)があって、すわ第3次世界大戦勃発か?と慌てた人が大勢いましたが、私が子どものときに想像していた第3次世界大戦とは、核のボタンを押して戦争終了(人類も終了?)であって、「冬になったら寒くなるから装備などの補給がなくなるかもしれないので、兵士を大勢投入できない」とか「川を越えて責めるのは難しい」とか「冬場日照時間が少なくなると暗闇の中での戦いとなるし、負傷者の回収が困難になる」とかそんなことを想像する戦争になるとは思っていませんでした。


 スウェーデンの家具大手イケア(IKEA)は今日、ベラルーシの元サプライヤーが囚人に強制労働させていたとの報道をめぐり、囚人労働との関係を完全には否定できないとの見解を示しました。
 要するに認めている・・・?
 イケアはAFPに対し、
「不適切な行為が起きるリスクを確実にゼロにするようなシステムは、残念ながらこの世には存在しない」
と指摘。・・・責任逃れ?
 囚人というと聞こえが悪いですが、このブログでたびたび説明している更生施設で服役している人たちのことかもしれません。
 仏調査報道機関ディスクローズによると、最近までイケアのサプライヤーだったモゴテックスやイバチェビッチドレフなどのベラルーシ企業が、国内の刑務所や収容所少なくとも5か所と協力関係にありました。
 ディスクローズは、これらのサプライヤーとつながっているのは、拷問や食事・医療を提供しないなどの行為で知られる特に残虐な強制労働収容所だと指摘しています。

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