ベラルーシの部屋ブログ

東欧の国ベラルーシでボランティアを行っているチロ基金の活動や、現地からの情報を日本語で紹介しています

2023年6月13日。ウクライナ侵攻から476日目

2023-06-13 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2023年6月13日。

 ベラルーシ大統領は今日、来月初めにベラルーシ領内に配備されるロシアの戦術核兵器を巡り「われわれに対する攻撃があれば、使用の決断をためらうことはない」と述べました。
 NATOに対して牽制しているということですが、ベラルーシ内の核兵器配備に関する文書調印時に「管理や使用の権限は今後もロシア側にある」と決めてあるのですが。

 ちなみにベラルーシ大統領によると、領内の核兵器配備は、ロシアから強制・威嚇されたのではなく、ソ連崩壊後にベラルーシが放棄した核兵器を「返還してほしい」と自分がロシア大統領に求めた結果だと主張しました。
 それをロシア側が受け入れてくれたということです。
 ロシアの命令をベラルーシは大人しく聞いたのではありません、という立場です。

 それから7月上旬に配備を予定しているのは、同月11、12日にリトアニアで開かれるNATO首脳会議に合わせたかったから、だそうです。
 ベラルーシ大統領は、自分では核使用を決断したくないとしつつも、「われわれへの侵略があれば、ためらいはない」とも強調しました。
 この「われわれ」の中に誰が入っているのでしょう? 大勢のベラルーシ人たち? ベラルーシとロシア? 
 前者なら、ベラルーシが侵略されたら、ロシアの決定抜きでベラルーシ大統領が核兵器を敵に躊躇なく放つ、と言っていることになります。ロシアからしたら、勝手な行動をするな、と怒るでしょう。
 後者だったら、ロシアがちょっとでも攻撃を受けたら、ベラルーシから敵に向かって核を発射するということです。
 さらに前者の場合の侵略者がもし、ロシアだったら、ベラルーシからロシアへロシアの核兵器を撃つ、という意味にも取れます。 


 ベラルーシ大統領は、先月流れた自身の体調不安説について、全て愚かな嘘だと述べました。
 実際には足の具合が悪くなり、歩けなくなったことを認め、5月9日にモスクワで行われた戦勝記念式典では、移動にカートを利用しています。
 本当に足が痛くて歩けなかったそうですが、危篤になったとか重態というのはフェイクニュースだということです。
 さらにアデノウイルスに感染していたことも認め、まだ回復期であることも述べました。
 報道陣に向かって「皆さん、心配しないでください、私はまだ生きています、そしてこれからも生きます!」と発言しました。


 ウクライナ南部ドニプロペトロウシク州クリビー・リフにある民間の建物に対するロシア軍の夜間ミサイル攻撃で、少なくとも3人が死亡、25人が負傷したと州当局が今日、明らかにしました。
 
 ロシア南西部クルスク州の2つの村が今朝、ウクライナ軍の砲撃を受け、複数の家屋が損壊したほか、ガスと電力の供給が遮断されました。


 ロシアのプーチン大統領は今日、黒海経由の穀物輸出合意(黒海イニシアティブ)からの離脱を検討していると明らかにしました。西側諸国はロシアの農産物を世界市場に供給するという約束を何一つ履行していないとし、「だまされた」と非難しています。
 17日にまでに合意延長を決定しないと、離脱になってしまうようで、そうなるとまた穀物価格が上昇します。日本も無関係でいられません。


 ロシア大統領は今日、ウクライナを侵攻中のロシア軍には高精度弾薬や無人機などの軍装備品が不足していると認めました。


 ウクライナ南部ザポリージャ州の露側「幹部」は今日、ロシア軍のセルゲイ・ゴリャチェフ少将が州内で戦死したとSNSで明らかにしました。