ベラルーシの部屋ブログ

東欧の国ベラルーシでボランティアを行っているチロ基金の活動や、現地からの情報を日本語で紹介しています

2023年6月16日。ウクライナ侵攻から479日目

2023-06-16 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2023年6月16日。

 ロシアの調査委員会がベラルーシ国内に軍事部門を設立することを明らかにしました。
 この調査委員会って何ですか? 何か学術的なことを調べているの?と思う日本人が多いと思うのですが、これは日本で言うところの警視庁の事件捜査班のことです。
 犯罪を調べているのです。それで、その軍事部門をベラルーシの中にも作るということです。
 ベラルーシ領内に核兵器が配備される予定で(もうすでに少しずつ運び込まれているそうですが。)ロシア軍人もベラルーシの軍事基地に入ってくるわけです。
 当然ロシアの調査委員会軍事部門がベラルーシの中に設置されてもおかしくはありません。
 一方で、ロシアの組織がベラルーシの軍人をチェック(捜査する)ことも可能になっていくのではないでしょうか。
 ベラルーシの大統領が、解釈の仕様によっては独断で核兵器の発射ボタンを打つと発言しています。
 その命令を実行しないように、ロシア調査委員会が阻止しようと考えているのかもしれませんね。


 ウクライナ軍は今日、キーウ上空でロシアのミサイル12発を撃墜したと発表しました。キーウにはこの日、アフリカ諸国首脳らの使節団が到着、和平について会談が行われる予定で、そこへこの攻撃です。アフリカ諸国首脳もロシアに文句を言わないんでしょうか。


 ウクライナ南部ヘルソン州の大半を実効支配するロシア側行政府トップは今日、州内のカホフカ水力発電所のダム決壊による洪水に絡んで、これまでに25人が死亡、17人が行方不明になっていると明らかにしました。死者数には避難中に銃撃で死亡した人などが含まれている可能性があるそうです。


 ロシア大統領は今日、サンクトペテルブルクで開かれた国際経済フォーラムの全体会合で演説し、ウクライナ侵攻開始後にロシアから撤退した外国企業について、復帰の道を「閉ざさない」と表明しました。
 結局、マクドナルドとかユニクロだとかに戻ってきてほしいんでしょうか。戦争が終わらない限り、戻らないに決まっているのに、わざわざそんなことを言うのは何なのでしょう。
 一方で、自国企業による代替が進んでいるとも述べ、外国企業との競争は恐れないとも発言。だったら、外国企業に戻ってきてもいいとか言わなければいいのに。

 今回の全体会合のパネリストは、ロシア大統領のほかはアルジェリア大統領のみ。プーチン政権としては、中立的な新興・途上国「グローバルサウス」の一角の首脳を取り込むことで、西側諸国に対抗する構えとみられますが、今日アフリカ諸国首脳が訪問するキーウにロシア軍は攻撃を仕掛けているんですよ。

 今回は対露制裁を理由に「非友好国」の記者を排除。ロシア大統領報道官は「西側に真実を伝えようとする姿勢が見られない間は、彼らと話さない」と明言しています。 


 ロシア大統領はロシアの戦術核兵器の第1陣が既にベラルーシ領内に搬入されたとも述べました。
 来月7日以降の計画が前倒しされているという発言をベラルーシ大統領がしていたのを裏付けた形です。
 何となく、前倒しのことをベラルーシ大統領が早々と言ってしまったので、ロシア大統領が急いでそのことについて、本当ですよと言ったような印象を持ちました。

 さらに配備作業は「年内に完了する」としています。まだ半年ありますから十分間に合うでしょう。
 またロシアの存立が脅かされた場合に核使用は「理論上は可能だ」が、必要性はないとも語りました。
 それならベラルーシに核配備したのはなぜ?と言われれば、それは、「ベラルーシ大統領が返してほしい」と頼んできたから、というのがロシア側の言い分です。