ベラルーシの部屋ブログ

東欧の国ベラルーシでボランティアを行っているチロ基金の活動や、現地からの情報を日本語で紹介しています

2023年6月4日。ウクライナ侵攻から467日目

2023-06-04 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2023年6月4日。
 今日はベラルーシでは正教の三位一体の祭日です。(毎年日付が変わるので、6月4日が三位一体の日だと思わないでくださいね。)
 正教の祭日では「今日はこれこれのことはしてはいけません。」という決まりがあります。
 その中に戦闘も入っているらしく、今日はベラルーシでは特に戦争関連のニュースがありません。
 毎日こうあってほしいんですけどね。
 

 今日は、ロシアの政権と対立して刑務所で服役中の反政府活動家ナワリヌイ氏の誕生日です。
 その呼びかけに応じて今日、ロシア各地で同氏解放を求め、ウクライナ侵攻を続ける政権に抗議するデモが行われました。デモは日本を含む西側諸国にも広がりました。
 人権団体によるとロシアでは45人以上が拘束されたそうです。これは多いのか少ないのか。


 ベラルーシではドローンに関する法律が今日から厳しくなりました。
 ドローンの所有者は、国に登録。ドローンが合法的に取得されたものであることを証明しないといけません。そして登録番号をもらいます。また操縦方法の講習を受けないといけません。
 さらに所有者は使用する空域の申請、離陸許可と空撮許可を事前に取らないといけません。
 自作ドローンも許可なく使用すると違法と見なされます。
 ドローンを兵器として使われないか、国が神経を尖らせているようです。


 「巨匠とマルガリータ」などで知られるウクライナ出身の作家ミハイル・ブルガーコフ(1891~1940年)の像が、赤い塗料で塗られる事件がキーウで起きました。
 犯行を認めた16歳の少年で、実名報道を求めています。
「抗議行動だ。キーウからロシアを一掃する。脱植民地化だ」
と訴えています。両親が子どもの実名を出してほしいと報道機関に頼んでいるのも変ですね。この両親がふだん主張していること(「ブルガーコフはウクライナの作家じゃない。ロシア語で執筆してたし。」など)を繰り返し聞いているうちに感化された子どもが過激な行動(軽犯罪)を起こしたのでは・・・という気がします。

 ブルガーコフが育った家はキーウに残っており、1990年代に博物館となりました。
 館長の女性は、赤く塗られた像をそのままにして「歴史は学ぶべきで、否定すべきではない」といさめる文章を掲示しました。
 賢明な判断ですね。
「ウクライナはとても難しい時期を迎えている。戦争でみんな『白か黒か』で考えるようになってしまった」
とも話していますが、確かにそういう雰囲気が広がっているのだろうなと想像できます。
 もともと博物館では不穏な空気が広がっているのを察し、ブルガーコフの呼称を先月「ロシア・ソ連の作家」から「有名なキーウの住民・医師・作家」に変更したばかりだったそうです。
 当の少年は「ブルガーコフの博物館がキーウにある理由が分からない」と主張。ウクライナ作家連盟も、ブルガーコフを「ウクライナ独立反対論者」と呼び、博物館閉鎖を要求しているそうです。
 ブルガーコフの作品はソ連時代に政府から煙たがられ、禁書扱いだった時期もあるんですけど。