電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

すみません~gooブログのWEB版RSSリーダについて

2006年09月05日 06時25分25秒 | コンピュータ
以前、gooブログのWEB版RSSリーダの広告の位置について苦情を言ったことがありました。内容は、記事をクリックすると、その記事に関連した広告が表示され、記事タイトルの位置が下に数行ずれてしまうので、知らずに最新の記事をもう一度クリックすると、肝心の記事ではなく広告が表示されてしまう、というものでした。
先日、何気なく「概要表示」というプルダウン・メニューを見たら、「なし」という設定項目を発見。記事タイトルをクリックすると、概要表示をしないですぐにお目当ての記事が表示されます。したがって、おマヌケな広告もあまり気になりません。これなら問題解決です。
もしかして、最初からこの設定はあった?だとしたら、担当の方にはたいへん失礼を申し上げました。謹んでお詫び申し上げますm(_'_)m

ところで、この広告の仕組みが興味深い。たとえばドヴォルザークの交響曲全集のことに触れた「交響曲全集」という私の記事に対して、こんな広告が表示されます。

>カラオケを自宅で歌い放題-最新の曲がすぐ歌えるネットカラオケ の決定版ビクターサウンドカフェ
>大泉逸郎2007全曲集-2006年10月25日発売のCDを予約! DMM.comのCD予約通販。送料無料。

うーむ。音楽というジャンルにあることはあたっているけれど、微妙に外しているような。ちなみに、この記事にある語彙をawkスクリプトで単語分解してみると、

アホ猫二匹 1 回
エサ 1 回
エンドレス 1 回
クーベリック 1 回
コメント 1 回
ドヴォルザーク 1 回
ベルリンフィル 1 回
ラファエル 1 回
一匹 1 回
何曲 1 回
家 1 回
気 1 回
起 1 回
曲 1 回
交響曲 1 回
交響曲全集 1 回
交響曲第三番 1 回
作品 1 回
思 1 回
指揮 1 回
時間 1 回
時計 1 回
時代 1 回
写真 1 回
若 1 回
取 1 回
出会 1 回
少 1 回
寝 1 回
全集 1 回
全部 1 回
足元 1 回
入 1 回
猫 1 回
聞 3 回
毎朝 1 回
目覚 1 回
来 1 回

となります。この単語ベクトルで表される意味空間を、ジャンル別に強度を計算して、これは音楽の記事だと判断しているのでしょうか。たしかに、「聞」が三回、「曲」は「何曲」「交響曲」も含めると五回出現している。しかし、表示すべき広告に適当なものがない場合、あたらずとも遠からず、程度の表示をしてしまうのでしょう。それでカラオケと大泉逸郎さんになるわけですね!たぶん、クラシックとカラオケでは、愛好者の人数が桁違いでしょうから、商売になるほうが上位に表示されて、人数の少ないほうが下位に表示される、という仕組みなのでしょう。
なるほど、技術の根拠は「広告は確率だ」ということにあるのだな。
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今、なぜか読んでみたい本。

2006年09月04日 19時00分53秒 | 読書
最近ずっと平岩弓枝さんの本などを読んで来て、なぜか翻訳ものを読みたい。それも、できれば堂々たる長編。思い付くままにリストアップしてみる。

デュマ「モンテ・クリスト伯」
スタンダール「パルムの僧院」
プーシキン「大尉の娘」(これは長編ではないが・・・)

このへんは再読三読味読クラス。「パルムの僧院」は、学生時代に読んだ古~い岩波文庫しか持ってなくて、新しい本を探したいのだが、なかなかない。できれば活字の大きめの新装版で出て欲しいところです。

以下は子どもが面白いと教えてくれたもので、まだ読んだことがないもの。中身はけっこう重く辛そう。

ギュンター・グラス「ブリキの太鼓」
ガルシア・マルケス「百年の孤独」
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菅野順子ソプラノ・リサイタル

2006年09月03日 14時41分24秒 | -オペラ・声楽
土曜の夜、山形テルサホールで菅野順子ソプラノ・リサイタル(*)が開かれ、聞きに行ってきました。
菅野順子さんは、山形在住の声楽家・指導者で、「フィガロの結婚」の伯爵夫人など、県内の各種オペラ公演では欠かせない存在です。私は、今はなき祖父に「他人様の容姿容貌などを話題にするのは上品ではない」としつけられたため、自分から話題にすることは滅多にありませんが、伯爵夫人にぴったりの女性です。いや、ちょっとおちゃめなところもかいま見えるかな?
それはさておき、当日のプログラムは、第1部がイタリア歌曲を中心にした内容。カッチーニの「愛の神よ、何を待っているのですか」に始まり、パイジェッロの「もはや私の心には感じない」、ヘンデルの「オンブラ・マイ・フ」、カルダーラの「心の魂」、スカルラッティの「すみれ」、そしてモーツァルトの「楽しい安らぎが」と続きます。どちらかといえばリリックな声質から考えると、長く歌い続けることができる、一番適したジャンルかもしれません。
第2部では、日本歌曲がプログラムされていました。前半はゲストとして登場したバリトンの福島明也さんによる、山田耕筰歌曲集から。「荒城の月」では若い滝廉太郎の曲を山田耕筰が編曲したもので、春高楼の花の宴~の「え」の音が、オリジナルより半音下がり、近代的に響きますが、同時に悲劇的・絶望的にも聞こえてきます。
「鐘が鳴ります」における岡野貴子さんのピアノ伴奏では、山田耕筰の工夫した斬新な和声が印象的でした。
北原白秋の詩による「待ちぼうけ」ではコミカルな中にペーソスを感じさせ、懐かしさを覚える「この道」では、最前列を除きほぼ満席となったホール全体から、盛んな拍手を受けていました。
第2部の後半、菅野順子さんが再登場。三木露風の「野薔薇」、「中国地方の子守歌」、「母のこえ」。福島さんの男性的な歌声とは対照的な優しい歌声で、おなじみの日本歌曲を堪能しました。
休憩をはさんで第3部、オペラアリア。
最初のプッチーニの「ラ・ボエーム」より「私の名はミミ」。ピンクのドレスに着替えた菅野さんのリリックな声にあった、可憐なミミです。ついで福島さんによるヴェルディの「マクベス」から「あわれみも、誉れも、愛も」。まだ見たことがないヴェルディ作品ですが、「マクベス」ぜひ見たい!と思いました。
3曲目は菅野さん。プッチーニの「トスカ」より、「歌に生き、恋に生き」。恋人の画家カヴァラドッシの命を助けるため、悪役スカルピアの言いなりになることを約束した嘆きのアリアです。歌の中で、後に「これがトスカのキスよ!」とスカルピアを刺す激しい気性を示唆するなど、ドラマティックな要素も含んだ音楽。ピアノ伴奏が本当に頑張っていました。
4曲目は福島さんで、ヴェルディの「椿姫」第2幕より、アルフレードの父ジェルモンが切々と歌う「プロヴァンスの海と陸」。いつ聞いてもこのアリアではじんと来ますが、ヴェルディはなんという素晴らしい音楽を書いたのでしょう。若いバリバリの歌い手では、この味は出せませんね。
第5曲、同じく「椿姫」第2幕より、ヴィオレッタとジェルモンの劇的で長大な二重唱「天使のように清らかな娘が」。本日のハイライトでした。ヴィオレッタの犠牲を理解しながら、娘のためにそれを強いる父ジェルモンの強さと苦悩を、福島さんの迫力ある歌唱がよく表現していましたし、菅野さんのヴィオレッタも、激しいピアノ伴奏に押されぎみながら、プライドと気品で応じていたのが、次第に哀願し、嘆きに転じる様子がよく歌われていました。
会場の雰囲気はたいへん親密なもので、よく響くホールの音響も寄与しているのでしょうか、素晴らしいリサイタルでした。終演後、ハンドルを握りながら「乾杯の歌」を歌いつつ、満足して帰りました。
(*):山形声楽研究会 演奏会情報
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ドヴォルザーク「交響曲第3番」を聞く

2006年09月02日 17時12分13秒 | -オーケストラ
ラファエル・クーベリック指揮ベルリンフィルによるドヴォルザークの交響曲全集から、交響曲第3番変ホ長調Op.10を取りだして聞いています。若い時代の作品ですが、クーベリックの指揮により、とても魅力的な音楽になっています。

第1楽章、アレグロ・モデラート。出だしの若々しい印象的な主題が、前向きに次々と変奏される、力のこもったソナタ形式の音楽になっています。
第2楽章、アダージョ・モルト、テンポ・ディ・マルチア。やや悲劇的な音楽。行進曲というよりも、むしろ葬送の音楽の風情。この楽章の長さは「エロイカ」を意識したのでしょうか、それとも民族的な、あるいは何か個人的な感情でしょうか。
第3楽章、アレグロ・ヴィヴァーチェ。前の楽章から一転して、ティンパニが決然と晴れやかに楽章を開始し、舞曲のような軽やかな展開。「栴檀は双葉より芳し」という言葉がありますが、双葉と言うにはすでに充分に経験を積んだ30代の音楽家です。ドヴォルザークらしさがいたるところに現れています。

Wikipedia「ドヴォルザーク」(*)によれば、作曲年代は1873年頃だそうで、長年の国民劇場ヴィオラ奏者としての生活を打ち切り、教会のオルガニストとなった最初の結婚の時期の作品とのこと。その後1875年に、本作品等の提出によって、ドヴォルザークは年収の数倍にのぼる奨学金を受け、創作に力づけられたといいます。技術の研究開発にあたる若い人が、企業や学会等の奨励金を受けることを思うと、涙が出るほどありがたいものです。若いドヴォルザークも、きっと発奮したことでしょう。

後年の作品と比較すると、緊密感の面では様々な指摘もできるのでしょうが、むしろそれ以上に、30代のドヴォルザークの精進ぶりが思われます。かつて出稽古でピアノを教えた金細工商の娘のうち、失恋を経験した姉のほうではなく、八年ぶりに再会したとき19歳のアルト歌手となっていた妹が新妻として寄り添います。スメタナの指揮で初演されたこの作品が、ワーグナーの影響の強い時代に、作曲者本人の個性や美質よりも、誰か先人の影響を探されてしまうという不幸に遭遇しなければならなかったことは、やむをえないことかもしれません。ノーベル賞級の研究や独創的な技術開発でさえ、その時代には理解されるとは限らないのですから。それを思うと、若く貧しく才能のある音楽家ドヴォルザークにとって、作品を評価し推薦し励ましてくれたブラームスの存在は実に大きかったと思います。

■クーベリック指揮ベルリンフィル (独グラモフォン 453 161-2)
I=11'56" II=17'55" III=8'13" total=38'04"

(*):Wikipedia 「アントニン・ドヴォルザーク」
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今日から九月

2006年09月01日 22時00分13秒 | Weblog
暦がかわって、今日から九月。初秋の空は高く、日中の気温も26度と、過ごしやすい季節になりました。先月はじめに帰省した大学生の子どもは、ただいま運転免許取得のために練習中。今日は高速道路を運転してきたそうです。オートマチックではなくマニュアル・トランスミッションを選んだのは、私がマニュアル車は fun to drive だと吹き込んだからか。少々苦労しますが、長い目で見れば両方乗れて都合が良いでしょう。
帰路、レコード店(?)に寄り道して、先日依頼したDVDを受け取りに行きました。レコード店という言い方も、今では変ですね。何と言えば良いのでしょうか。
今日届いていたのは、ヴェルディの「シモン・ボッカネグラ」です。クラウディオ・アバド指揮のフィレンツェ五月音楽祭管弦楽団と合唱団による、ペーター・シュタイン演出の全曲録画。楽しみです。
写真は数日前の果樹園の青りんごです。桃の「あかつき」が終わり、今度は「川中島」の季節。そしてプルーンや「つがる」りんご、和梨と続きます。果物の熟するのを野鳥が狙っていますが、その鳥をわが家のネコが狙っているという具合で、世の中は面白いものです(^o^)/
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