三連休の最終日、山形市の山形県民会館で、山形交響楽団第175回定期演奏会が開かれました。指揮は、当初は工藤俊幸さんと発表されていましたが、急病のため松沼俊彦氏に代わられました。工藤俊幸さん、大丈夫でしょうか。一日も早いご快癒をお祈りいたします。
さて、本日のプログラムは、
(1)シューマン/「ゲノヴェーヴァ」序曲
(2)ショスタコーヴィチ/チェロ協奏曲第1番作品107、チェロ:工藤すみれ
(3)シューベルト/交響曲第8番ハ長調D.944「ザ・グレイト」
となっています。特に、ショスタコーヴィチのチェロ協奏曲第1番なんて、地元で聴ける機会はそうそうはありません。これは「行くべしゆべし」(娘の駄洒落)です。
あいにく家人は都合が悪く、私一人で出かけました。
恒例の指揮者プレトークでは、松沼さんが「若手と紹介されましたが本当は○○歳で」と笑わせ、会場は明るい雰囲気に。このあと団員が登場、チューニングはコンサートマスターの執行恒宏氏から。犬伏亜里さんは執行さんの隣に座っています。ふと気がついたら、オーケストラが第1ヴァイオリンとヴィオラが両翼に分かれた対向配置でした。
最初のシューマン「ゲノヴェーヴァ」序曲、ナマの演奏会ではめったに聴けない曲です。響きが直接話法でなく、どこか屈折しています。シューマン好きな私としては、ナマで聴けてラッキーでした。
続いてソリストの工藤すみれさん登場。何色といえばよいのでしょうか、ライトを浴びると明るい赤系のドレスですが、実際はもっと落ち着いた臙脂色のようです。
ショスタコーヴィチのチェロ協奏曲の第1楽章、チェロのソロからリズミカルに始まります。ホルンとのかけあいがおもしろい、ちょっと「西側流行音楽」っぽいところもある軽妙な音楽です。
第2楽章、弦楽合奏が静かに始まり、ホルンが悲しげに奏される、これは悲歌なのでしょうか。やがてチェロがゆっくりと歌いだします。弦楽セクションが交代でピチカートでより添う、不安げな音楽です。弦楽セクションが静かに盛り上がると、チェロのハーモニクスとチェレスタがかけあう、緊張感に満ちた音楽。ここは本当に息を呑む素晴らしさ。
切れ目なく第3楽章カデンツァに突入。とにかくチェロの独演です。弓で奏しながら左指の一部で弦をはじく。う~ん、こんな奏法もあるんだ。素人音楽愛好家にとって、実演ならではの新しい発見です。
同じく切れ目なくフィナーレに飛び込む第4楽章、オーケストラとチェロ独奏のリズミカルでいて力の入った競演です。再びホルンの高らかな響き。第1番とはいうものの、作曲家後期の力作(1959年完成)です。
休憩後、シューベルトの交響曲第8番ハ長調。これは聴衆にとっておなじみの曲ですが、それだけにピンチヒッター指揮者がどうまとめるか、難しいところです。
第1楽章、ヴィオラ、チェロをよく響かせて音楽が始まります。一部、マレットが落ちたひょうきんな音もありましたが、なぜか音楽のリズムにあっていたような(^_^;)>poripori
第2楽章、オーボエ・ソロの見事なこと!思わずうっとり。全休止の後、チェロとコントラバスのピツィカートに乗ってチェロとオーボエ。そして再び歌われる旋律。弦のピツィカートを背景に、管がまろやかに響きます。
第3楽章、開始時に指揮者がクラリネット奏者等に目で合図をして、OKになってから流れるように音楽が始まりました。本当によくまとめあげているという感じがしました。
第4楽章、金管群がきれいにそろってよく頑張ったと思います。この楽章は、インテンポを基本としてしだいに乗ってくるところをどう生かすかが勝負だと思いますが、松沼さんは少々微加速を加えながら輝かしいフィナーレを作ったと思います。
演奏のあと、心のこもったあたたかい拍手が贈られました。実際、ポピュラーとは言いがたいプログラムのもとで、たった数日間の練習で、よくぞここまで持ってきたものだと、ただ感謝です。さすがはプロです。でも、とてもアンコールまでの余裕はなかったことでしょう。聴衆も、充分にわかっていますよ。お疲れ様でした。
終演後、白いチェロケースを肩にしたヴィオレッタ(工藤すみれさん)を目撃。とても現代的な女性でした。結婚おめでとうございます。ご活躍をお祈りします。できればもう一度、今度はショスタコーヴィチのチェロ協奏曲の第2番などを聴きたいものです。
さて、本日のプログラムは、
(1)シューマン/「ゲノヴェーヴァ」序曲
(2)ショスタコーヴィチ/チェロ協奏曲第1番作品107、チェロ:工藤すみれ
(3)シューベルト/交響曲第8番ハ長調D.944「ザ・グレイト」
となっています。特に、ショスタコーヴィチのチェロ協奏曲第1番なんて、地元で聴ける機会はそうそうはありません。これは「行くべしゆべし」(娘の駄洒落)です。
あいにく家人は都合が悪く、私一人で出かけました。
恒例の指揮者プレトークでは、松沼さんが「若手と紹介されましたが本当は○○歳で」と笑わせ、会場は明るい雰囲気に。このあと団員が登場、チューニングはコンサートマスターの執行恒宏氏から。犬伏亜里さんは執行さんの隣に座っています。ふと気がついたら、オーケストラが第1ヴァイオリンとヴィオラが両翼に分かれた対向配置でした。
最初のシューマン「ゲノヴェーヴァ」序曲、ナマの演奏会ではめったに聴けない曲です。響きが直接話法でなく、どこか屈折しています。シューマン好きな私としては、ナマで聴けてラッキーでした。
続いてソリストの工藤すみれさん登場。何色といえばよいのでしょうか、ライトを浴びると明るい赤系のドレスですが、実際はもっと落ち着いた臙脂色のようです。
ショスタコーヴィチのチェロ協奏曲の第1楽章、チェロのソロからリズミカルに始まります。ホルンとのかけあいがおもしろい、ちょっと「西側流行音楽」っぽいところもある軽妙な音楽です。
第2楽章、弦楽合奏が静かに始まり、ホルンが悲しげに奏される、これは悲歌なのでしょうか。やがてチェロがゆっくりと歌いだします。弦楽セクションが交代でピチカートでより添う、不安げな音楽です。弦楽セクションが静かに盛り上がると、チェロのハーモニクスとチェレスタがかけあう、緊張感に満ちた音楽。ここは本当に息を呑む素晴らしさ。
切れ目なく第3楽章カデンツァに突入。とにかくチェロの独演です。弓で奏しながら左指の一部で弦をはじく。う~ん、こんな奏法もあるんだ。素人音楽愛好家にとって、実演ならではの新しい発見です。
同じく切れ目なくフィナーレに飛び込む第4楽章、オーケストラとチェロ独奏のリズミカルでいて力の入った競演です。再びホルンの高らかな響き。第1番とはいうものの、作曲家後期の力作(1959年完成)です。
休憩後、シューベルトの交響曲第8番ハ長調。これは聴衆にとっておなじみの曲ですが、それだけにピンチヒッター指揮者がどうまとめるか、難しいところです。
第1楽章、ヴィオラ、チェロをよく響かせて音楽が始まります。一部、マレットが落ちたひょうきんな音もありましたが、なぜか音楽のリズムにあっていたような(^_^;)>poripori
第2楽章、オーボエ・ソロの見事なこと!思わずうっとり。全休止の後、チェロとコントラバスのピツィカートに乗ってチェロとオーボエ。そして再び歌われる旋律。弦のピツィカートを背景に、管がまろやかに響きます。
第3楽章、開始時に指揮者がクラリネット奏者等に目で合図をして、OKになってから流れるように音楽が始まりました。本当によくまとめあげているという感じがしました。
第4楽章、金管群がきれいにそろってよく頑張ったと思います。この楽章は、インテンポを基本としてしだいに乗ってくるところをどう生かすかが勝負だと思いますが、松沼さんは少々微加速を加えながら輝かしいフィナーレを作ったと思います。
演奏のあと、心のこもったあたたかい拍手が贈られました。実際、ポピュラーとは言いがたいプログラムのもとで、たった数日間の練習で、よくぞここまで持ってきたものだと、ただ感謝です。さすがはプロです。でも、とてもアンコールまでの余裕はなかったことでしょう。聴衆も、充分にわかっていますよ。お疲れ様でした。
終演後、白いチェロケースを肩にしたヴィオレッタ(工藤すみれさん)を目撃。とても現代的な女性でした。結婚おめでとうございます。ご活躍をお祈りします。できればもう一度、今度はショスタコーヴィチのチェロ協奏曲の第2番などを聴きたいものです。