過日、農協から組合員各戸に配布された文書や資料の中に、山形県農林水産部編『果樹凍霜害対策マニュアル』というカラー印刷の冊子が入っていました。A4判、全部で30ページ弱の冊子で、内容は次のとおり。
この中で、とくに「はじめに」の中にある次の記述に注目しました。
そうか、あれは単に「偶然に起こった自然現象に伴う減収」ではなく、温暖化の結果として生育が進みすぎていたところにふりかかった寒冷が被害の拡大をもたらしたのか。県内だけで129億円の果樹被害、我が家では収穫が半減となった事態は、そういうことだったのだな。すると、令和3年だけのことではなくて、今後も起こりうるということなのでしょう。
とは言うものの、対策として挙げられているものは、散水スプリンクラーや防霜ファンなど設備投資が必要だったり、広い果樹園のあちこちで一晩中火を燃やし続ける燃料代など、いずれも経営上はかなりの負担となるものばかりで、正直に言って週末農業や定年農家にはなかなか厳しい、難しいものです。せいぜい、園地を浅く耕して草地にしておかないようにしたり、晴天時に潅水して水分を補っておくなどのほか、誰だったか老人が言っていた「自然には勝てない、被害を受けても耐えられるような兼業の勤め先を確保しておく」あたりが一つの知恵なのかもしれないと思ったりもします。もしかすると、お上が推奨する大規模専業農家経営の弱点、「実は自然災害に弱い」という現実(*1)を示しているのかもしれません。
(*1): 豪雪や霜被害に思う小規模兼業農家の強さ〜「電網郊外散歩道」2021年6月
はじめに
1. 凍霜害について
2. 凍霜害対策
(1) 恒久対策 (2) 応急対策前の気温の確認
(3) 各応急対策の特徴 (4) 燃焼法
(5) 散水氷結法 (6) 防霜ファン
(7) その他の応急対策
3. 樹種別の被害様相と対策
(1) さくらんぼ (2) りんご
(3) 西洋なし (4) ぶどう
(5) かき (6) 日本なし
資料1 令和3年4月の凍霜害の発生・被害状況
資料2 降霜リスクマップ
果樹共済・収入保険について
この中で、とくに「はじめに」の中にある次の記述に注目しました。
…一方で、近年は、気候変動・温暖化の影響と考えられる被害が頻発するようになり、安定的な果樹生産が厳しい状況となってきています。
特に、令和3年は、3月に気温が高く推移したため、果樹の生育が平年より進んでいる状況で、4月9日頃から上空に寒気が入り込み、4月10日には低温、4月11日、15日、27日には放射冷却に伴う強い降霜があり、県内全域で果樹を中心に農作物の被害が発生しました。…
そうか、あれは単に「偶然に起こった自然現象に伴う減収」ではなく、温暖化の結果として生育が進みすぎていたところにふりかかった寒冷が被害の拡大をもたらしたのか。県内だけで129億円の果樹被害、我が家では収穫が半減となった事態は、そういうことだったのだな。すると、令和3年だけのことではなくて、今後も起こりうるということなのでしょう。
とは言うものの、対策として挙げられているものは、散水スプリンクラーや防霜ファンなど設備投資が必要だったり、広い果樹園のあちこちで一晩中火を燃やし続ける燃料代など、いずれも経営上はかなりの負担となるものばかりで、正直に言って週末農業や定年農家にはなかなか厳しい、難しいものです。せいぜい、園地を浅く耕して草地にしておかないようにしたり、晴天時に潅水して水分を補っておくなどのほか、誰だったか老人が言っていた「自然には勝てない、被害を受けても耐えられるような兼業の勤め先を確保しておく」あたりが一つの知恵なのかもしれないと思ったりもします。もしかすると、お上が推奨する大規模専業農家経営の弱点、「実は自然災害に弱い」という現実(*1)を示しているのかもしれません。
(*1): 豪雪や霜被害に思う小規模兼業農家の強さ〜「電網郊外散歩道」2021年6月
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