電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

叔父の遺品のモンブラン

2015年07月17日 06時02分43秒 | 季節と行事
叔父の家から斎場に到着、待合室で待機します。暑い日でしたが、三々五々、会葬者が集まってきます。主として近親者で、甥・姪の大集合という感じです。一部、出版社勤務時代のOBや会社の代表者などが混じり、葬儀の常識としては奇抜な服装の人もいました。なるほど、奇人変人の集まりとは聞いていましたが、これが文藝を業とする人たちの日常的な姿かと、納得しました。これなら、世間的常識からみればやや風変りだった叔父も、きわめてまっとうな常識人と言えそうです。

定時になると、斎場の一室で読経と共に焼香を行い、棺の中を皆で花で飾り、ふたをして火葬~荼毘に付しました。待合室で待つ間に、甥・姪を代表してご挨拶。火葬に立ち会っていただいたことへの御礼と、故人の遺志により葬儀も告別式も行わないことを告げ、火葬の後に収骨して終わりになることをお知らせしました。したがって、俗名を捨ててあの世に旅立つ葬儀式もなし、当然ながら戒名もなし、です。

およそ一時間で火葬が終わり、収骨をすませて解散となりました。従兄が骨箱、私が遺影を持って叔母さんと一緒に自宅に戻り、別の従妹も加わって自宅の一部に準備していた斎壇に飾りました。線香とろうそくと小さな鐘の周りに、ボランティアの仲間やら近所の方々などから次々にお花が届き、いっぱいになりました。

こういう、短く簡素な葬儀も良いものです。甥・姪が大集合したのは、私たちをかわいがってくれた故人の徳をしのんでのことでしょう。叔母さんの姪の人たちなど初めて会う人もいて、貴重な機会でした。



翌日には仕事の会議があるため、すぐに戻らなければなりませんでしたが、叔母さんから故人の記念にと、従兄と二人、それぞれ遺品の万年筆をもらいました。私のは、愛用品だったらしい、巨大なモンブランでした。






コメント    この記事についてブログを書く
« 叔父の訃報を機にペリカン万... | トップ | 葉室麟『橘花抄』を読む »

コメントを投稿

季節と行事」カテゴリの最新記事