春浅い季節の通勤の音楽に、プロコフィエフのピアノ協奏曲を繰り返して聴いております。全部で5曲あるうちの第4番、第一次大戦で右手を失ったピアニスト、ヴィトゲンシュタインの委嘱により、1931年に作られた左手のための協奏曲で、変ホ長調、作品53です。初演は1956年で、やはり第二次世界大戦で右腕を失ったドイツのピアニストのジークフリート・ラップによるものだったとか。
演奏は、ヴラディーミル・アシュケナージのピアノ、アンドレ・プレヴィン指揮ロンドン交響楽団で、デッカによる1974年~75年の録音で、二枚組のピアノ協奏曲全集CD(UCCD-3234/5)から。
楽器編成はわりに小規模で、独奏ピアノに加えて Fl(2),Ob(2),Cl(2),Fg(2),Hrn(2),Tp(1),Tb(1),バスドラム、弦五部となっています。
第1楽章:ヴィヴァーチェ。冒頭のテーマが、全曲を印象づけるものになっています。ロマン派の音楽でピアノ協奏曲といえば、オーケストラが分厚く咆哮し、ピアノが華麗な技巧を聴かせるというものが多いわけですが、この曲では、左手だけのピアノとは思えないほどの運動性と軽快なオーケストラのバランスが特徴となっているようです。
第2楽章:アンダンテ。プロコフィエフらしい、美しい叙情的な音楽。この曲の中ではもっとも長く、通勤の車中でも、しみじみと耳を傾けるところです。そういえば、このトラックだけをリピート再生してエンドレスで聴いても、曲の終わりと冒頭がよくつながります。また、自宅のステレオ装置で大音量で再生する場合も、弦楽、ピアノ、管など、各楽器の音色の魅力がふんだんに盛り込まれ、オーディオ的にも楽しめるところでもあります。
第3楽章:モデラート。全曲中で二番目に長い。グロテスクな怪獣がのし歩くような始まりですが、音楽はしだいに軽妙なものに変わり、言ってみれば、ギンギツネのダンスみたいなものでしょうか(^o^)/
第4楽章:ヴィヴァーチェ。第1楽章の最初のテーマが、むしろピアノの運動性を強調するような形で、軽快に再現されます。オーケストラの全奏による盛り上がりがないので、肩透かしを食ったような印象を持つかもしれませんが、何度も繰り返し聴いているうちに、こういう軽妙な終わり方もあるのかな、と納得できました。
残念ながら、委嘱したヴィトゲンシュタインには、理解不能とか技巧的に難しすぎるとかの理由で演奏を拒否されてしまったようですが、まあ、チャイコフスキーの第1番だって、当初はそう言われたわけですから(^o^)/
添付のリーフレットによれば、作曲者は、この曲を両手による協奏曲に改作することを考えていたそうですが、残念ながらこれは実現しませんでした。今でも充分に魅力的な音楽ですが、もしも作曲者に充分な時間が残されており、改作が実現されていたとしたらどんな音楽になっていたのか、興味深いものがあります。
参考までに、演奏データは次のとおりです。
■アシュケナージ(Pf)、プレヴィン指揮ロンドン響
I=4'24" II=8'57" III=8'22" IV=1'32" total=23'15"
今朝は、くたびれてとうとういつもの時刻に起床できず、早朝更新はできませんでした。今晩は早めに寝て、明日は定時起床せねば(^o^;)>poripori
演奏は、ヴラディーミル・アシュケナージのピアノ、アンドレ・プレヴィン指揮ロンドン交響楽団で、デッカによる1974年~75年の録音で、二枚組のピアノ協奏曲全集CD(UCCD-3234/5)から。
楽器編成はわりに小規模で、独奏ピアノに加えて Fl(2),Ob(2),Cl(2),Fg(2),Hrn(2),Tp(1),Tb(1),バスドラム、弦五部となっています。
第1楽章:ヴィヴァーチェ。冒頭のテーマが、全曲を印象づけるものになっています。ロマン派の音楽でピアノ協奏曲といえば、オーケストラが分厚く咆哮し、ピアノが華麗な技巧を聴かせるというものが多いわけですが、この曲では、左手だけのピアノとは思えないほどの運動性と軽快なオーケストラのバランスが特徴となっているようです。
第2楽章:アンダンテ。プロコフィエフらしい、美しい叙情的な音楽。この曲の中ではもっとも長く、通勤の車中でも、しみじみと耳を傾けるところです。そういえば、このトラックだけをリピート再生してエンドレスで聴いても、曲の終わりと冒頭がよくつながります。また、自宅のステレオ装置で大音量で再生する場合も、弦楽、ピアノ、管など、各楽器の音色の魅力がふんだんに盛り込まれ、オーディオ的にも楽しめるところでもあります。
第3楽章:モデラート。全曲中で二番目に長い。グロテスクな怪獣がのし歩くような始まりですが、音楽はしだいに軽妙なものに変わり、言ってみれば、ギンギツネのダンスみたいなものでしょうか(^o^)/
第4楽章:ヴィヴァーチェ。第1楽章の最初のテーマが、むしろピアノの運動性を強調するような形で、軽快に再現されます。オーケストラの全奏による盛り上がりがないので、肩透かしを食ったような印象を持つかもしれませんが、何度も繰り返し聴いているうちに、こういう軽妙な終わり方もあるのかな、と納得できました。
残念ながら、委嘱したヴィトゲンシュタインには、理解不能とか技巧的に難しすぎるとかの理由で演奏を拒否されてしまったようですが、まあ、チャイコフスキーの第1番だって、当初はそう言われたわけですから(^o^)/
添付のリーフレットによれば、作曲者は、この曲を両手による協奏曲に改作することを考えていたそうですが、残念ながらこれは実現しませんでした。今でも充分に魅力的な音楽ですが、もしも作曲者に充分な時間が残されており、改作が実現されていたとしたらどんな音楽になっていたのか、興味深いものがあります。
参考までに、演奏データは次のとおりです。
■アシュケナージ(Pf)、プレヴィン指揮ロンドン響
I=4'24" II=8'57" III=8'22" IV=1'32" total=23'15"
今朝は、くたびれてとうとういつもの時刻に起床できず、早朝更新はできませんでした。今晩は早めに寝て、明日は定時起床せねば(^o^;)>poripori
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