電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

池井戸潤『陸王』を読む

2020年12月14日 06時01分47秒 | 読書
先日、図書館に出かけ、池井戸潤著『陸王』を借りてきました。読み始めると夢中になる、期待を裏切らない面白さです。2016年刊行の単行本ですので、文字の大きさも読みやすく、やや度が弱く感じられるようになった自宅用老眼鏡でも充分に読みやすいものです。



埼玉県行田市にある老舗の足袋製造会社「こはぜ屋」は、ジリ貧の本業を支える新規事業を探していましたが、ランニングシューズの開発に参入します。厚底のシューズではかかとから着地するために膝を故障するランナーが多いことから、足裏全体で着地し蹴り出す走法に適した薄底の軽いシューズが望ましい。それは、資金力も技術力もある大メーカーへの挑戦となりますが、チャレンジャーとなったのは、挫折を味わい失意の底から復活しようとするランナーと、それを支えようとして大企業からはじき出されるシューフィッター、繭を使った新素材の特許技術を持ちながら資金力・経営力の面から会社を倒産させた経歴を持つ技術顧問、そして経営者とベテラン従業員たちでした。



池井戸ドラマに付きものの、いけすかない悪役やライバルたちはちゃんと登場しますし、クライマックスには陸上競技やマラソンらしい高揚感が用意されて、ああ面白かった!

『下町ロケット』とパターンが同じ? アホ猫が元気な頃だったら「いやいやダンナ、それを言ったらおしまいよ」と言うだろうなあ(^o^)/

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