集英社の単行本で、梶よう子著『桃のひこばえ』を読みました。先に読んだばかりの『柿のへた』に続く「御薬園同心水上草介」シリーズの続編で、次の9話から成っています。
「水草どの」と親しまれる若い御薬園同心の水上草介と、上役のおてんば娘である芥川千歳のコンビに加え、カチンコチンの堅物である吉沢角蔵や西洋医術を学んだ医師の河島仙寿などがからむ話ですが、一つ一つは他愛のない出来事や事件を展開しながら、仕事へのプライドやひそかな思慕を織り込むところなど、なかなか良質さを感じさせる物語です。
最近は、作者が登場人物を都合良く死なせてしまったり、主人公の周囲に確率的にありえないほどに凶悪な殺人事件ばかりが連続する日常性が描かれたりするあたりに、作為的な嘘くささを感じてしまいます。本作は、ある意味そういう意地悪な視点も持ってしまっている中高年読者が、ほっとするような新鮮さを感じてしまう作品と言えるかもしれません。
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昨日は、地域在住の同級生が集まる同窓会の役員会がありました。美味しいお酒をいただきながら楽しく話をして盛り上がり、総会の段取りを決めました。残念ながら、山響ニューイヤーコンサートはお休みです。次は1月31日(火)の山形弦楽四重奏団の定期演奏会か。
第1話:アカザのあつもの
第2話:大根役者
第3話:女房のへそくり
第4話:柴胡の糸
第5話:桃のひこばえ
第6話:くららの苦み
第7話:清正の人参
第8話:相思の花
第9話:葉の文
「水草どの」と親しまれる若い御薬園同心の水上草介と、上役のおてんば娘である芥川千歳のコンビに加え、カチンコチンの堅物である吉沢角蔵や西洋医術を学んだ医師の河島仙寿などがからむ話ですが、一つ一つは他愛のない出来事や事件を展開しながら、仕事へのプライドやひそかな思慕を織り込むところなど、なかなか良質さを感じさせる物語です。
最近は、作者が登場人物を都合良く死なせてしまったり、主人公の周囲に確率的にありえないほどに凶悪な殺人事件ばかりが連続する日常性が描かれたりするあたりに、作為的な嘘くささを感じてしまいます。本作は、ある意味そういう意地悪な視点も持ってしまっている中高年読者が、ほっとするような新鮮さを感じてしまう作品と言えるかもしれません。
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昨日は、地域在住の同級生が集まる同窓会の役員会がありました。美味しいお酒をいただきながら楽しく話をして盛り上がり、総会の段取りを決めました。残念ながら、山響ニューイヤーコンサートはお休みです。次は1月31日(火)の山形弦楽四重奏団の定期演奏会か。