電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

ドヴォルザーク「交響曲第3番」を聴く

2012年04月25日 06時01分40秒 | -オーケストラ
このところ、通勤の音楽でドヴォルザークの「交響曲第3番」を聴いております。珍しく3楽章構成となっているこの曲は、Wikipedia(*)によれば、

1873年4月に着手され、同年7月4日に完成した。『白山の後継者たち』の成功に自信を深め、結婚(同年11月17日)を目前に控えた気力の充実した時期の作品である。このため、意欲的な作品となっており、当時の流行でもあったワーグナーの影響を積極的に取り入れた作品である。ドヴォルザークがこの作品をオーストリア政府の奨学生募集に提出したところ、これがハンスリックらの注目をひき、1875年から400グルテンの奨学金を得られることになった。
翌1874年3月29日にプラハでスメタナの指揮により初演された。ドヴォルザークの全交響曲中、最初に初演された交響曲である。

とのことです。実際、なかなか充実した音楽となっており、注目作となったのもよく理解できます。

楽器編成は、Pic、Fl(2)、Ob(2)、コールアングレ、Cl(2)、Fg(2)、Hrn(4)、Tp(2)、Tb(3)、Tuba、Timp.、Triangle、Hrp、弦五部 となっています。コールアングレの指定が目につきます。

第1楽章:アレグロ・モデラート、変ホ長調、8分の6拍子。ソナタ形式。ああ、ドヴォルザークだと感じられる、人懐こい旋律で始まります。
第2楽章:アダージョ・モルト、嬰ハ短調、4分の2拍子。三部形式。やや悲劇的な要素を持った楽章ですが、終わりは伸びやかに。
第3楽章:アレグロ・ヴィヴァーチェ、変ホ長調、4分の2拍子。ロンド形式。ティンパニとともにリズミカルに始まります。スメタナの「売られた花嫁」のような活発な音楽です。

番号から、どうしてもベートーヴェンの「英雄」を連想してしまいますが、むしろワーグナーの影響を指摘されます。ただし、私には悪漢ワーグナー(^o^;)の影響を受けたのはこの時代の若者にとってかなり共通に見られる現象であって、格別ドヴォルザークがワーグナーに心酔し真似をしているとは思えません。むしろ、同時代の先輩スメタナとの親近性を感じてしまいます。

演奏は、ラファエル・クーベリック指揮ベルリン・フィルによるもので、グラモフォンの紙箱全集中の一枚。実に堂々たる演奏です。幸いに、第3番全曲はCD1枚に収まっていますが、併録された第5番の第4楽章だけが、別のCDに追いやられています。やっぱり変則です。どこが Collector's Edition なんじゃ(^o^)/

(*):交響曲第3番(ドヴォルザーク)~Wikipediaの解説
(*2):ドヴォルザーク「交響曲第2番」を聴く~「電網郊外散歩道」2009年1月
(*3):ドヴォルザーク「交響曲第4番」を聴く~「電網郊外散歩道」2007年5月
コメント