電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

ショルティ指揮シカゴ響の「幻想交響曲」を聞く

2005年04月26日 21時35分22秒 | -オーケストラ
ベルリオーズ作曲の「幻想交響曲」は、結果的にLPとCDと両方同じ演奏を聞いている。それが、1972年に録音された、ゲオルグ・ショルティ指揮シカゴ交響楽団による演奏だ。昭和57年(1982年)にロンドン・レコードから発売されたLPは、L18C5005という型番を持っている、1800円という表示のあるもので、久納慶一氏がライナーノーツを書いている。氏の指摘する点で興味深いのは、ショルティがこの作品を、標題音楽としてロマンティックに主観的な解釈に基づき演奏するのでなく、標題性を認めつつ古典交響曲の構成・形式を残した点に着目し、第1楽章の導入部に続くアレグロの「固定観念」と呼ばれる主題を楽譜どおり忠実に反復演奏している、ということである。
通勤の車中、CDで聞く「幻想交響曲」は、第2楽章の舞踏会の音楽や、第3楽章の野の風景の音楽などが楽しい。怪奇な標題性は後退し、旋律の美しさ、リズムの軽やかさなど、古典的とさえいえるようなチャーミングな魅力にあふれた音楽になっている。
たぶん、「幻想交響曲」だから暗~く聞かなければならない、ということもないだろう。
写真は、逆光に光る白い水仙。
コメント (4)