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電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

ディーリアス「ヴァイオリン・ソナタ第1番」を聴く

2014年09月20日 06時04分04秒 | -室内楽
通勤の音楽で重量級のモーツァルトを聴いたために、昨日からは、ディーリアスのヴァイオリン・ソナタを聴いております。スーザン・スタンツェライトのヴァイオリン、グスターフ・フェニェーのピアノで、1994年2月に録音された第1番。ロンドンのカムデン・タウンにある聖シウスにて収録されたデジタル録音で、型番は NAXOS の 8.572261 です。

添付の英文のリーフレットによれば、1905年にはじめの二つの楽章が書かれたけれど、10年間も棚上げにされ、1915年にようやく完成されたとのことです。休みなしに演奏される第1・第2楽章について、誰かの影響とかなんとか、いろいろ思うところはあったのでしょうが、十年の歳月は無駄ではなく、第3楽章、爆発するような活力あるフィナーレとして実っています。

演奏データ
■スーザン・スタンツェライト盤
I+II=12'38" III=8'34" total=21'12"

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初秋を彩るプラザコンサートでモーツァルト「フルート四重奏曲第1番」他を聴く

2014年09月15日 06時05分18秒 | -室内楽
三連休の真ん中にあたる日曜日、午前中に剪定枝の処理と「つがる」リンゴの収穫をしてから、午後には天童市の市民プラザ(パルテ3F)の多目的ホールで「初秋を彩るプラザコンサート」を聴きました。山形交響楽団所属の演奏家を中心とする室内楽コンサートです。

プログラムは前半と後半の二部に分かれています。

最初は、フンメルの弦楽三重奏曲第2番ト長調から第1楽章を、蜂谷ゆかり(Vn)、井戸健治(Vla)、渡邊研多郎(Vc)のトリオで。藤色のドレスでマイクを持った蜂谷さんのお話では、この曲のCDは出ていないのだとか。へぇ~、貴重な機会だったわけですねっ(^o^)/

このあとは、「楽器の彩り」と題して、各奏者がそれぞれの楽器の持ち味を生かした小品を演奏します。

  • ビゼー:歌劇「アルルの女」より「メヌエット」、山田耕筰:「赤とんぼ」、足達祥治(Fl)、小林路子(Pf)
  • シューマン:「幻想小曲集」Op.73 第1楽章、渡邊研多郎(Vc)、小林路子(Pf)
  • ドヴォルザーク:「ユーモレスク」、蜂谷ゆかり(Vn)、小林路子(Pf)
  • ブルッフ:「ロマンス」、井戸健治(Vla)、小林路子(Pf)
  • ドビュッシー:「ヒースの茂る荒地」・「雨の庭」、小林路子(Pf)

    ビゼーの「メヌエット」は、ふだんはオーケストラの曲として聞きなれていますが、こうしてピアノ伴奏で聴いてみると、フルートの魅力がクローズアップされるようです。
    チェロで聴くシューマンは、いいですね~。「ユーモレスク」は軽すぎたかな? と蜂谷さんが懸念していましたが、いえいえ、そんなことはありません。ブルッフはヴィオラ・オリジナルな曲だそうで、いい曲ですね~。もう一つ、マイクを持った井戸さんの声、実はいい声なのですね~。二曲のドビュッシー、大いに楽しみました。



    15分の休憩の後、後半は前半で紹介した楽器を組み合わせたプログラムです。

  • モーツァルト:ピアノ四重奏曲第2番、変ホ長調、第1楽章
     小林路子(Pf)、蜂谷ゆかり(Vn)、井戸健治(Vla)、渡邊研多郎(Vc)。
     ピアノがコロコロと明るく活発に。
  • 旬の楽曲の彩り「花は咲く」、「Let It Go」
     足達祥治(Fl)、蜂谷ゆかり(Vn)、井戸健治(Vla)、渡邊研多郎(Vc)。
     「花は咲く」はヴィオラの印象的な出だしです。足達さん、実は「アナと雪の女王」をまだ観ていないのだそうで、ちょいと驚きでした(^o^)/
  • モーツァルト:フルート四重奏曲第1番、ニ長調
     足達祥治(Fl)、蜂谷ゆかり(Vn)、井戸健治(Vla)、渡邊研多郎(Vc)。
     明るく活発な第1楽章と、VnとVlaをマンドリンのようにかかえてピツィカートする少々悲しげな第2楽章、そして唐突に明るい調子に戻る第3楽章の組み合わせが不思議な曲だなと思っていましたが、第2楽章は「見込みの薄い」セレナードなのですね(^o^)/

    アンコールは、五人そろって「秋の夕日に照る山もみじ~」でした。



    会場の「パルテ」は、今回初めて行きましたが、駐車場の入り口がわかりにくくて困りました。天童駅隣接のビルなので、本当は電車で行けば便利なのでしょうが、1時間に1本の頻度ではなあ(^o^;)>poripori

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    モーツァルト「ピアノ三重奏曲第5番K.564」を聴く

    2014年09月08日 06時03分24秒 | -室内楽
    夏が終わり、秋の気配が感じられる頃、通勤の音楽はモーツァルトのピアノ三重奏曲でした。とりわけ、K.564の第5番。この曲は、番号の付け方は第5番だったり第6番だったり様々ですが、モーツァルトのピアノトリオ作品の中でもとくにお気に入りの曲です。

    この曲は、K.564という番号からわかるとおり、3大交響曲の年である1788年の10月に作曲されているそうです。なんだか重々しく悲劇的な音楽を予想してしまいますが、実際はまるで違っており、軽やかでシンプル志向で、でもとても魅力的な音楽です。もしかしたら、親しい人たちと軽く楽しむために書いたのかも、などと思ってしまいます。

    第1楽章:アレグロ、ト長調、4分の4拍子、ソナタ形式。なんてったってピアノが溌剌と活躍しますが、展開部の幻想的な雰囲気は、モーツァルトの転調の見事さを感じずにはいられません。
    第2楽章:アンダンテ、ハ長調、8分の3拍子、主題と6つの変奏曲。12歳で書いたオペラ「バスティアンとバスティエンヌ」の中のアリアを主題としているらしく、思わず鼻歌が出てくるような軽快な旋律です。このアリアはどんな内容なのかわかりませんが、モーツァルトの変奏曲は、とにかく楽しい!
    第3楽章:アレグレット、ト長調、8分の6拍子、ロンド形式。解説によれば、シチリアーノのリズムによる主題が2つの副主題をはさんで型どおり三現するのだそうで、A-B-A-C-Aということでしょうか。とても楽しいロンドですが、途中ふっと転調するところなどは、とても魅力的。映画ならば、ヴォルフガング君がピアノを弾きながら「アハーン」などと言って得意そうな顔をするんでしょうね(^o^)/

    演奏は、トリオ・フォンタネイ(フォントネ?)によるCDで、テルデックの二枚組(2292-46439-2)から。1990年1月に、ベルリンのテルデック・スタジオで収録されたデジタル録音です。

    ■トリオ・フォンタネイ
    I=4'47" II=6'49" III=5'37" total=17'13"

    YouTube にもたくさんの動画がありましたが、その中から、海の向こうの学生さんらしいものを。

    まずは第1楽章です。
    Mozart - Piano Trio no. 6 in G major, K. 564, I. Allegro


    次はステキな第2楽章を。
    Mozart - Piano Trio no. 6 in G major, K. 564, II. Andante


    最後の第3楽章です。
    Mozart - Piano Trio no. 6 in G major, K. 564, III. Allegretto


    実は2011年3月9日のライブ録画なのだそうで、日付変更線のこちら側のその後を思うとき、なんとも言えない切なさを覚えますが、モーツァルトの音楽で慰められます。

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    アフィニス夏の音楽祭2014室内楽演奏会(1)を聴く

    2014年08月22日 19時28分52秒 | -室内楽
    残暑厳しい夏の宵、山形市の文翔館議場ホールにて、ただいま開催中のアフィニス夏の音楽祭2014から、室内楽演奏会の第1日を聴きました。たぶん、冷房がキンキンにきいているだろうという予想は的中し、上着を持参したのが大正解(^o^)/



    横に7脚×2列×14、約200席の椅子を並べる会場設営はたいへんだったろうと思います。早めに会場に到着し、録音マイクやテレビカメラの死角に入る席に陣取り(^o^)、いつ演奏が始まってもOKです。本日のプログラムおよび出演者は、

    (1) モーツァルト:ピアノ五重奏曲 変ホ長調 K.452
     Ob E.アビュール、Cl 玉井真紀子、Hr E.タパニ
     Fg 廣幡敦子、Pf 斎藤 龍
    (2) プログ:4つのスケッチ
     Tr1 F.ダムロウ、Tr2 宮本 弦、Hr 安土真弓
     Tb 太田涼平、Tub 宮田保良
    (3) R.シュトラウス(R.レオポルト編曲):メタモルフォーゼン(弦楽七重奏版)
     Vn1 H.ホッホシルト、Vn2 猶井悠樹、Va1 村田恵子
     Va2 福田幸子、Vc1 海老澤洋三、Vc2 西村絵里子
     Cb 上岡 翔

    というものです。

    第1曲め、モーツァルトのピアノ五重奏曲では、元ロンドン交響楽団の首席で、現在マンハイム音楽大学とバーゼル音楽院の教授であるエマニュエル・アビュールさんのオーボエがステージ左側に、ファゴット、ホルン、クラリネットが、対面するピアノを囲むように配置しています。ホルンは元フィンランド放送交響楽団首席で現在はフランクフルト音楽大学教授のエサ・タパニさん。演奏が始まると同時に、いかにもモーツァルト的な開始である「ポワーン」という音を、アビュールさんはオーボエを吹きながら開口部を円弧を描くように客席に向けます。なるほど、こんなふうにすると、音が単調になるのを防ぐことができるのですね。ちょうど、吹奏楽で一斉にベルアップするのに似た、面白い効果でした。若い参加者の皆さんも、一生懸命に演奏しているのがわかります。音楽とともに楽器も体も一緒に動いているようですが、アビュールさんほど大胆ではないようです(^o^)/
    でも、いかにもモーツァルトらしい音楽を楽しみました。

    第2曲目、プログの「4つのスケッチ」ですが、第1トランペットのフリッツ・ダムロウさんは、元ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団の首席奏者で、現在はチューリッヒ芸術大学の教授という肩書です。楽毅の配置は、ステージ左から Tp1,Hrn,Tub,Tb,Tp2 と並びます。吹奏楽にあまり縁のない当方は、プログという名前は初めて聞きました。思わず「ブログ」と間違えそうになりますが、演奏が始まったら唖然茫然、おもしろい! とりわけ、II.アレグロ・ヴィヴァーチェ では、テレビ時代劇「秘太刀馬の骨」の音楽で多用したような、ミュートした金管のアンサンブルの音がおもしろく、快速で細やか、すごい! の一言です。若い参加者の皆さんも、生きのいいリズムに乗ってそれぞれ技巧を展開、大いに楽しみました。



    15分の休憩の後、最後は、R.シュトラウスの「メタモルフォーゼン」。ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団の現役コンサートマスターである、ヘンリック・ホッホシルトさんが第1ヴァイオリンをつとめ、これに若い参加者の皆さんが加わる形での弦楽七重奏です。楽器配置は、ステージ左から、第1と第2のヴァイオリン、続いて第1と第2ヴィオラ、やや右後ろにコントラバス、第2と第1チェロが右端、というものです。
    曲の開始で、ヴィオラとチェロとコントラバスにヴァイオリンが加わるところの音色が、いいなあ。オリジナルを七重奏に減じて編曲したとはいえ、なお濃密な弦楽アンサンブルの音は、弦楽好きにはたいそう魅力的です。柔らかい音を奏でるホッホシルトさんの体の動きは、旋律にぴたりと合っており、音楽を自分のものとして、内側から出てくるものを演奏・表現しているようです。R.シュトラウスの音楽は、若い頃の「ティル」や「ドン・キホーテ」などを好んで聴いているものの、「メタモルフォーゼン」のような地味目のものはあまり聴く頻度は多くありません。CDで良いので、ぜひオリジナルの編成で聴いてみたいものだと思いました。

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    ベートーヴェン「チェロソナタ第1番」を聴く

    2014年08月08日 06時03分54秒 | -室内楽
    私は、若いベートーヴェンの音楽を、わりに好んで聴いています。しかも、ピアノ三重奏曲第1番、ピアノソナタ第1番、ピアノ協奏曲第1番、交響曲第1番、弦楽四重奏曲第1番など、なぜか第1番には、自信作でステキな曲が多いと感じています。それは、チェロとピアノのためのソナタでも同様であり、Op.5-1という作品番号を持つこの曲は、当方お気に入りの音楽でもあります。

    青木やよひ著『ベートーヴェンの生涯』によれば、作曲年代は1796年とのことです。フランス革命の後の反動の時代、前年にブルク劇場で自作のピアノ協奏曲や即興演奏を披露してウィーンに公開演奏会デビューしたベートーヴェンは、シュパンツィヒらの優れた弦楽器奏者を抱えていたリヒノフスキー侯爵邸で新作を発表し、話題となっていました。翌1796年には一人で演奏旅行に出かけます。プラハ、ドレスデン、ライプツィヒ、そしてベルリンへと旅をしますが、ベルリンに滞在した際に、音楽愛好家でチェリストでもあったプロイセン国王フリードリヒ・ヴィルヘルム二世のために、新たにチェロ・ソナタを書き下ろします。これが、Op.5 の2曲のチェロソナタというわけです。王は、ベートーヴェンに金貨のつまった金の嗅ぎ煙草入れを贈り、宮廷楽長への就任を打診したそうですが、まもなく王が死去したために、この話は立ち消えになったそうな。(p.95~6)

    なるほど、そういう経緯を知ると、この曲の堂々としたポジティブさが、ストンと納得できます。

    第1楽章:序奏部はアダージョ・ソステヌート(音をじゅうぶんに保って)、ヘ長調、4分の3拍子。それまでは脇役に甘んじることが多かったチェロの音を主役に押し出して、印象的な始まりです。主部はアレグロで、ヘ長調、4分の4拍子。ここでは、朗々と主題を歌ったチェロが、ピアノとともに、様々に変奏を展開していきます。若々しく、かつ堂々たる音楽です。
    第2楽章:緩徐楽章を持たず、すぐにアレグロ・ヴィヴァーチェ、ヘ長調、8分の6拍子で。ロンド形式を取り、主題がチェロに、ピアノに、何度も繰り返されて演奏されます。この前進力は、たしかにベートーヴェンのものでしょう。

    従来、第3番や第5番を聴いてきたのは、ロストロポーヴィチのチェロとスヴャトスラフ・リヒテルのピアノによる、気魄に満ちた大きな演奏(*1)でしたが、近年は著作隣接権の保護期間が満了し、めでたくパブリック・ドメインの仲間入りをした、ピエール・フルニエのチェロとフリードリヒ・グルダのピアノによる演奏で、この若いベートーヴェンの音楽を聴くことが多くなっています。
    第1楽章では遅すぎず、第2楽章も速過ぎない、ちょうどよいテンポで進みます。日常生活における親しみやすさという点で、繰り返し聴くにはフルニエ盤を選んでしまうのかもしれません。1959年の録音です。棚中のCDを発掘しなくても、パソコンの画面上ですぐにどちらかの録音を選ぶことができるのも、PCオーディオの恩恵の一つでしょう。

    参考までに、Ubuntu-Linux 上で再生しているソフト RhythmBox のタイム表示で測った演奏時間を記しておきましょう。

    ■フルニエ(Vc)、グルダ(Pf)盤
    I=14'39" II=6'44" total=21'23"
    ■ロストロポーヴィチ(Vc)、リヒテル(Pf)盤
    I=16'32" II=6'33" total=23'05"

    (*1):ベートーヴェン「チェロソナタ第3番」を聴く~「電網郊外散歩道」2006年6月

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    山形弦楽四重奏段第52回定期演奏会でハイドン、紺野陽吉、メンデルスゾーンを聴く

    2014年07月22日 06時07分53秒 | -室内楽
    連休の月曜祝日、朝から老母の畑を耕運機で耕し、さらに少し離れた果樹園の草刈りをして、週末農業の予定を終えました。その後、夕方から山形市の文翔館議場ホールに出かけ、山形弦楽四重奏団の第52回定期演奏会を聴きました。
    プレコンサートは途中からの入場になってしまいましたが、フルートの小松崎恭子さんとヴィオラの田中知子さんによる二重奏でした。

    倉田さんのプレトークでは、弦楽四重奏曲という曲種が作曲家の本音を表す面があること、紺野陽吉作品についてはステージ転換の時に話すこととして、ハイドンの作品33の位置づけは、バロック時代のスタイルから古典派のスタイルを確立したものであること、メンデルスゾーンの弦楽四重奏曲は、R.シューマンが三大古典派の作品の後に重要な曲として、メンデルスゾーンとオンスロウを評価していることなどを話します。倉田さんの五十肩は、温泉効果もあり、少しずつ改善傾向にあるそうで、良かった良かった(^o^)/
    本日の曲目は、

    (1) F.J.ハイドン 弦楽四重奏曲 ニ長調 Op.33-6
    (2) 紺野陽吉 弦楽二重奏曲
    (3) F.メンデルスゾーン 弦楽四重奏曲第3番 ニ長調 Op.44-1

    となっています。

    さて、第1曲目です。4人のメンバーが登場しますが、あれれ、いつもと配置が違います。ステージ左から、ダークグレーのシャツを腕まくりし、ネクタイをきっちり締めた、1st-Vnの中島光之さん。その右に、いつもの2nd-Vnの今井さんではなくて、チェロの茂木明人さんが座ります。その右側が、いつものように黒のシャツで決めたヴィオラの倉田譲さんで、一番右端に、2nd-Vnの今井東子さんが座ります。ふーむ、オーケストラの対向配置と同じで、二つのヴァイオリンが左右でかけ合いをする効果を狙ったものでしょうか。
    第1楽章:ヴィヴァーチェ・アッサイ。ああ、なるほど。1st-Vnと2nd-Vnが、左右でかけ合いをする効果がありますね。第2楽章:アンダンテ。短調の美しさで始まりますが、途中で曲調が変わり、再び短調に戻ります。1st-Vnの役割が大きいですが、チェロの低音を響かせるところもあり、けっこうロマンティックな要素も持っている音楽です。第3楽章:スケルツォ、アレグレット。後のベートーヴェンの曲のような諧謔性はありませんが、独特の軽みを持つ音楽です。第4楽章:フィナーレ、アレグレット。ふつうフィナーレといえば、全速前進というか、快速でスカッと終わるようなものを想像しますが、この曲の場合は優雅なアレグレットで、対話をするようなフィナーレです。

    続いて紺野陽吉作品について、倉田さんが解説をします。
    紺野陽吉の家は医者であったらしく、若い頃には、蚕室(*1)でヴァイオリンの練習をしていたそうです。作曲はどうやら独学で、譜面を見ると、戦地に行くことになって急いで書いたために、試奏したり推敲したりする余裕がなかったと考えられるとのことです。ただし、作品は充分に魅力があり、今回で三回目になる今井さんと茂木さんの演奏はかなり練れてきているので、ご期待ください、とのことでした。

    拍手の中を、ヴァイオリンの今井東子さんとチェロの茂木明人さんが登場、右側の茂木さんは座奏ですが、左側の今井さんは立奏となります。
    第1楽章:モデラート。力のこもった演奏に、思わず聴き惚れました。戦中期といえど、近現代の響きです。第2楽章:アンダンテ・カンタービレ。チェロがやや民謡風な旋律を奏でるとき、ヴァイオリンは高音部で合いの手を入れます。転じてヴァイオリンが民謡風の旋律を引き継ぐとき、チェロはピツィカートという具合で、全体に魅力的な緩徐楽章です。第3楽章:アレグロ・マ・ノン・トロッポ。ストレートに訴えかけてくる力のある音楽です。演奏家にも、伝えようとする気迫が感じられます。音量もそうですが、二人がひとまわり大きく見えました。良かった~!

    ここで、15分の休憩です。例によって、当方の記事も一休み。続きはまた後ほど。



    後半のプログラム、メンデルスゾーンの弦楽四重奏曲第3番、Op.44-1です。
    楽器配置が山形Qの通常配置に戻り、今度は左から第1、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラとなります。
    第1楽章:若鳥が飛び立つような曲の始まり。音楽の開始にふさわしいと感じます。主題は様々に変奏されて繰り返されますが、フーガのようなところもあるのはメンデルスゾーンらしいところです。いい曲だ~。
    第2楽章:メヌエット、ウン・ポコ・アレグレット。似た音域での響きを集めた始まりです。やがて1st-Vnが広い音域を動き回るようになり、こんどは各パートがそれぞれに話し出します。そしてそれが一つにまとまっていく過程が、おもしろい。
    第3楽章:アンダンテ・エスプレッシーヴォ・コン・モト。短調で、エスプレッシーヴォ(表情豊かに)と指示された旋律だけあって、さすがに美しい。もしかして、山形Qはこういう旋律が得意?と思わせる音楽・演奏です。
    第4楽章:プレスト・コン・ブリオ。メンデルスゾーンらしい快速な音楽。アンサンブルも見事に決まります。フィナーレで冒頭の主題が再び登場し、合奏の中で曲として解決を見るようなものでしょうか。

    聴衆の拍手に応えて、アンコールです。「ちょっと難しい曲を」と前置きしながら、R.シューマンの弦楽四重奏曲第2番第3番の第2楽章。好きなんですよ~、こういうの(^o^)/ なんだか得したような気分です(^o^)/

    次の第53回定期演奏会は、10月1日(水)、19:00~、文翔館議場ホールにて。曲目は、モーツァルトのハイドン・セットの後半、第17番~第19番の三曲です。さっそく前売券を購入してきました。

    (*1):昭和初期、貧しい農家の場合は人と蚕が同じ住宅の中で一緒に生活していましたが、経済的に豊かな農家の場合は、蚕を飼う専用の建物である蚕室を建てていました。この方が、人に取って衛生的であることと、人が持ち込んでしまう様々な蚕の病気を予防するために役立つだけでなく、蚕が桑の葉を食べる音で眠れないというような不便もなかったのだそうです。紺野家が、かなり豊かな生活をしていたことが想像できます。

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    木嶋真優のヴァイオリン愛奏曲集「Rise」を聴く

    2014年05月25日 06時05分14秒 | -室内楽
    このところ、4月の山形交響楽団第236回定期演奏会でメンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲を演奏した、木嶋真優(Mayu KISHIMA)さんのCDを聴いています。「Rise」という題の、ヴァイオリン愛奏曲集といった趣きのもので、ピアノは江口玲(Akira EGUCHI)さん。曲目は次のようになっています。

    1. サン=サーンス:序奏とロンド・カプリッチオーソ Op.28
    2. フバイ:カルメンによる華麗な幻想曲 Op.3-3
    3. チャイコフスキー:ワルツ-スケルツォ Op.34
    4. イザイ:悲劇的な詩 Op.12
    5. フォーレ:ヴァイオリン・ソナタ第1番 Op.13
    6. フォーレ:夢のあとに Op.7-1

    作品番号から見て、作曲者が比較的若い時期の作品が選ばれているようです。もう一つ付け加えると、1曲目のサン=サーンスから、技巧の勝った、演奏効果にすぐれた曲目から、しだいにフォーレのヴァイオリン・ソナタのように、やや地味めですが内に秘めた情熱を感じさせるような曲目に変化していきます。最後の曲目が「夢のあとに」ですから、この配列は意図的なものでしょう。

    最初の曲目、サン=サーンス:序奏とロンド・カプリッチオーソでは、技巧の切れ味と音楽的な演奏効果に目を見張りますし、フバイの「カルメン」幻想曲では、ビゼーのオリジナルな旋律を活かしながら、楽しく見事な、ヴァイオリンとピアノの二重奏曲として再現します。サラサーテともワックスマンとも違う、フバイならではの見事な「カルメン」を聴くことができます。
    チャイコフスキーも同様に、技巧の冴えに加えて、軽やかさや楽しさの要素も引き出してくれるようです。
    そして、イザイの「悲劇的な詩」あたりから、とくにフォーレのヴァイオリンソナタでは、技巧に終わらない内省的というか求心的というか、優しい音楽であるだけでなく、作曲家が曲の中に秘めた情熱と、演奏家の表現意欲を強く感じさせる演奏となってきます。江口玲さんのピアノもまた素晴らしい演奏で、思わず聴き入ってしまいます。

    そういえば、フォーレのヴァイオリン・ソナタを聴くのは何年ぶりだろう? 古くはジャン・ユボーらの「フォーレ室内楽全集」のLPで愛聴しておりましたが、近年はほとんど耳にしておりませんでした。最後の「夢のあとに」で余韻を残して終わるまで、フォーレの音楽を堪能しました。

    CDは EXTON レーベルで、OVCL-00485 という型番でオクタヴィア・レコードから発売されており、2012年の9月25日~26日の2日間で、埼玉県の三芳町文化会館で収録されたデジタル録音です。江口さんのピアノの響きもたいへん美しく録音されており、演奏録音ともに見事な一枚だと感じます。どちらかといえばアグレッシブな演奏かと思いますが、これはおすすめです。

    (*1):山響第236回定期演奏会でシューベルト、メンデルスゾーン、ドヴォルザークを聴く~「電網郊外散歩道」2014年4月

    YouTube に、木嶋さんのコンクールの時の映像がありました。ブラームスのヴァイオリン協奏曲の第3楽章です。画質はあまりよろしくありませんが、コンクールの雰囲気は充分に伝わるようです。
    Mayu Kishima | Brahms Violin Concerto | 3rd Mvt | Queen Elisabeth Violin Competition | 2009


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    文翔館議場ホールで邢広京さんのチェロを聴く~ふれあいオアシスコンサート

    2014年05月13日 06時01分20秒 | -室内楽
    山響定期の翌日、家族に「また行くの」と呆れられながら、勤めの帰りに文翔館議場ホールに出かけました。本日は、「ふれあいオアシスコンサート」と題する、障害者支援、障碍を持つ子供の支援を目指して開催されているコンサートのようです。斉藤葉子さんを中心に、もうずいぶん前から開催されているらしく、すっかり定着した演奏会のようで、お客さんもずいぶん多く集まっているようでした。



    本日のプログラムは、第1部が角田育代さんのヴァイオリンと斉藤葉子さんのピアノで、第2部が邢広京さんのチェロと斉藤葉子さんのピアノ、第3部が書と音楽のコラボレーションとなっています。

    第1部は、次のような曲目です。

    1. 愛のよろこび (マルティーニ)
    2. カヴァティーナ (ラフ)
    3. チャールダーシュ (モンティ)
    4. マズレック (ドヴォルザーク)
    5. ドゥジャーシュ (ヴィエニャフスキィ)
    6. メロディー (バツェヴィッチ)

    ソリストの角田さんは、濃いピンク~紫のドレスで、どうやら眼が不自由らしく、介添え者に手を取ってもらっての登場です。演奏は情熱的なもので、ヴィヴラートも大きく、少し音を探りながら奏するためか、ジプシー・ヴァイオリン風な印象を受けました。テンポのゆっくりしたところを、とくに楽しみました。

    第2部は、次の曲目です。

    1. ロマンス (チャイコフスキー)
    2. 在銀色的月光下 (タタール民謡、邢広京・斉藤葉子 編曲)
    3. 涙の泉 (アサフィエフ)
    4. マズルカ (ムウィナルスキィ)
    5. 浪漫曲 (劉庄)
    6. ポロネーズ (ドヴォルザーク)

    邢広京(Xíng Guăngjing,シン・グエンジンと読む?)さんは、いつも山響こと山形交響楽団の定期演奏会で拝見しておりますが、こういう形でソロを聴くのは初めてです。山響のウェブサイトから、プロフィールを引用すると、こんなふうです。

    北京市出身。1972年、北京中央音楽学院付属中学校入学。1980年、同学院本科入学。同時に中央音楽学院青年交響楽団チェロ首席奏者。在学中、中国作品チェロ演奏コンクール第二位入賞。1984年卒業。同年、中国歌劇舞劇院交響楽団のチェロ首席奏者として9年間在籍。1993年に来日し、山形交響楽団に入団。更に、チェロ独奏者、室内楽奏者として多くの演奏家と共演するなど、様々なジャンルの作品の演奏活動に意欲的に取り組んでいる。1999年より現在まで、山形県、兵庫県、北海道、宮城県、福島県等、各地で斉藤葉子と共に障害者支援チャリティーコンサートを継続して行う。更に、2004年より現在まで、NPO法人岩手県青少年自立センター「ポランの広場」支援コンサートに出演。2006年、東京、「夢・きらめき・光」のテーマによるベーシックバレエアートとのコラボレーションコンサートに出演。2004年5月北京にて中国録音録像出版総社よりCDアルバム大提琴名曲集(ピアノ斉藤葉子)をリリース。

    ああ、なるほど、ピアノの斉藤葉子さんとは、ずいぶん前から共演されているんですね。

    演奏は、素晴らしかったの一言に尽きます。タタール民謡の「在銀色的月光下」やアサフィエフの「涙の泉」など、初めて聴く音楽に心打たれました。最後のドヴォルザークの「ポロネーズ」も、ああ、いいなあ!と音楽に浸っておりました。2004年にリリースされたというCDに、ちょいと興味があります。

    残念ながら、書と音楽のコラボは都合で拝見できませんでしたが、出口で心ばかりの寄付をして帰りました。

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    ヤンネ舘野ヴァイオリン・リサイタルでモーツァルト、ガーシュイン、フランク等を聴く

    2014年04月30日 06時02分45秒 | -室内楽
    「昭和の日」となった29日、山形市の文翔館議場ホールで、ヤンネ舘野ヴァイオリン・リサイタルを聴きました。午前中に、いよいよ近づいた法事の準備のためにあちこち片付けをしてから、文翔館の駐車場に行ってみたら、すでに満車でした! 甘かった。ゴールデン・ウィークを甘く見ていました。文翔館の見学者も多かったのでしょう。しかたがないので、少し離れた駐車場に車を停め、徒歩でホールに向かいました。幸いに晴天で風も弱い日でしたので、気持ちの良い散歩となりました。



    本日のステージ配置は、中央のステージ上にピアノと独奏者用の譜面台を置き、ホールを横長に使って半円形にステージを取り囲むような形です。びっくりしたのは、やけにお客さんが多いことです。百人は優に超えていたようです。もしかしたら、天童混声合唱団等でピアノを担当している白田佳子(よしこ)さんとヤンネさんのご縁から、合唱団関係者や聴衆の方々にヤンネさんのファンが多いのかもしれない、などと想像しました。ほぼ満席に近い聴衆の層は、山響や山形Qとはだいぶ異なります。年配者、とくに女性が多いのが特徴です。

    男性の実行委員の方が、演奏の開始を告げると、ヤンネ舘野さん(Vn)と白田佳子さん(Pf)が登場します。ヤンネさんは黒のソフトなシャツで、白田さんは深青色のドレスです。プログラムには、本日の曲目として、

    1. ヴィターリ? シャコンヌ
    2. モーツァルト ヴァイオリン・ソナタ イ長調 K.305
    3. ガーシュイン パリのアメリカ人 (ハイフェッツ編曲)
    4. フランク ヴァイオリン・ソナタ イ長調

    の四曲が予定されています。今回のお目当ての曲は、もちろんフランクのヴァイオリン・ソナタです。



    第1曲目:ヴィターリ?の「シャコンヌ」。バッハの厳しい世界とは違って、もっとロマンティックな音楽です。ヤンネさんは、要所にヴィヴラートもきかせながら、感情過多ではなく、情熱をもって演奏します。白田さんのピアノが、大きくバックを支えます。
    第2曲目:モーツァルト「ヴァイオリン・ソナタ イ長調 K.305」。第1楽章:アレグロ・モルト。第2楽章:アンダンテ・グラツィオーソ。お母さんを亡くしたパリ時代の作品でありながら、実に明るい音楽です。
    第3曲目:ガーシュイン「パリのアメリカ人」(ハイフェッツ編)。これは楽しい! 警笛やパリの雑踏の様子と、慣れないアメリカ人の様子がユーモラスに描かれます。

    ここで15分の休憩があり、後半は大好きなフランクの「ヴァイオリン・ソナタ イ長調」(*1)です。白田佳子さんのピアノとヤンネさんのヴァイオリンが、実によい味! 上品で、あったかい音楽になっています。思わず聞き惚れてしまいました。

    ブラボー!の声がかかり、拍手に応えて、アンコールを4曲。
    (1) ハチャトゥリアン「ノクターン」
    (2) ブリッジ「メロディ」
    (3) モンティ「チャールダッシュ」
    (4) マスネ「タイースの瞑想曲」
    このうち、ブリッジの「メロディ」という曲は、初めて聴きました。なかなかいい曲ですね! どうやら、お父さんの舘野泉さんが左手のピアニストとして再起を決意するきっかけになった曲らしいです。うーむ、先日のプレシャス・カルテット(*2)のプログラム中にも、ブリッジの「ロンドンデリー・エアー」というステキな曲が取り上げられていましたし、ブリッジという作曲家に興味津々です。こんなふうに、演奏会は、新しい作曲家や作品を知る貴重な機会となっています。



    実は、15分の休憩の際に、たまたま臨席になった老婦人にのど飴をすすめたのがきっかけで、少しだけ言葉を交わしました。夫の介護で外出もできず、先ごろ夫君が逝去されたために、はじめて外出をしたのだとか。誘ってくれたお友達?の方に感謝しつつ、久々の演奏会を楽しまれたようでした。

    本当にそうですね。何気なく集まったように見える聴衆の一人一人に、実はそれぞれの生活やドラマがあるのですね。この日のみごとな演奏会は、きっと記憶の中に鮮明に刻まれたことでしょう。

    (*1):フランクの「ヴァイオリン・ソナタ」を聴く~「電網郊外散歩道」2006年6月
    (*2):プレシャス・カルテット山形公演vol.2でハイドン、ブリッジ、ブラームスを聴く~「電網郊外散歩道」2014年3月

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    山形弦楽四重奏団第51回定期演奏会でモーツァルトの「ハイドン・セット」から3曲を聴く

    2014年04月27日 10時11分45秒 | -室内楽
    好天に恵まれた土曜の夕方、早朝から畑仕事に精を出し、午後には野暮用な総会に出席、夕方から山形市の文翔館議場ホールに向かいました。本日は、山形弦楽四重奏団(*1)の第51回定期演奏会です。



    到着して手洗いを済ませた時には、すでにプレコンサートが始まっておりましたので、曲名などを聴くことはできませんでしたが、溝邉奈菜さん(Vn)と田中知子さん(Vla)のお2人による演奏で、三楽章のステキな曲でした。

    演奏前のプログラム紹介のトークは、中島光之さんです。進学塾で国語の先生の経験もあるだけに、いつものことながらたいへん明解でわかりやすい、でもハイドンとモーツァルトの関係が具体的にどうスゴイのかなど、視点にキラリと光るものがある、そんなお話でした。今回のプログラムノートの内容も、音楽雑誌のエッセイに再録したいと思うような、またなぜハイドンの弦楽四重奏曲全曲演奏を目指す団体が、モーツァルトの「ハイドンセット」を二回に分けて全曲演奏するのか、その理由を説得力をもって説明するものでした。



    さて、演奏家が登場、向かって左から、第1ヴァイオリンの中島光之さん。黒の上着の下は、ダークグレーのシャツに明るい銀鼠色のネクタイ。その右、第2ヴァイオリンの今井東子さんは黒のドレスで。右奥はヴィオラの倉田譲さん。黒いシャツ姿で、今晩の気温を予測したかのようです。一番右がチェロの茂木明人さんで、黒の上着に、赤に近いピンクのネクタイをしめています。

    本日の曲目はすべてモーツァルトで、1曲目は弦楽四重奏曲第16番、変ホ長調、K.428 です。第1楽章:アレグロ・マ・ノン・トロッポ。半音階を生かした、陰影を感じさせる音楽です。絵画で言えば、ややくすんだ色合いにもかかわらず激しさを内包した作品、といった感じ。第2楽章:アンダンテ・コン・モト。ここも一種独特な、和音の移り変わりで聴かせるような、不思議な音楽です。第3楽章:メヌエット。活発なメヌエット。トリオ部になって、人懐こい旋律が出てきます。第4楽章:アレグロ・ヴィヴァーチェ。活気ある音楽が展開されます。

    そして2曲目は、弦楽四重奏曲第15番ニ短調K.421です。第1楽章:アレグロ・モデラート。モーツァルトの短調の音楽は、不思議に心にすっと入ってきます。憂愁や悲しみは誰の心にもあるために、それが聴く側でも共感できるからでしょうか。第2楽章:アンダンテ。アンサンブルの中で、ハイドンよりもチェロが活躍し、いい味を出していると感じます。もしかして、ハイ・アマチュアのお殿様の腕前に遠慮する必要のない、プロフェッショナルな演奏家を想定できたモーツァルトの自由な立場のせいでしょうか。第3楽章:メヌエット、アレグレット。いきなり映画にも使えそうな悲劇的あるいはペシミスティックな楽想で始まります。でも、途中には1st-Vnが優雅に踊るとき他はピツィカートで合わせるようなところもあり、転がるように明暗が転換していき、最初の悲劇的あるいはペシミスティックな旋律に回帰して終わります。第4楽章:アレグレット・マ・ノン・トロッポ~ピウ・アレグロ。全体としての優しさの中に、ヴィオラも強く訴えるように奏されて、激しさも内包するようです。前席のお客さんの中からブラボー!の声もかかり、ああ、良い音楽・演奏を聴いたなあと感じました。



    ここで15分の休憩です。モーツァルト人気でしょうか、客席はだいぶ埋まっており、いつもよりもぐっとお客さんの数が多いみたい。しかも、年配者だけでなくて、若い人が多いのが特徴でしょうか。もしかしたら、大学の学生さんたちが来ているのかもしれないと思いました。他には山響関係者で、クラリネットの郷津さんや川上さん、フルート&ピッコロの小松崎さんのお顔なども見られました。

    最後の第3曲目は:弦楽四重奏曲第14番ト長調K.387「春」です。
    第1楽章:出だしのすぐ後から、Vcの低音の上に、Vla~2ndVn~1stVn と受け渡す場面が出てきて、おお!いかにもカルテット!と感じます。これが繰り返されますが、1st-Vnがいかにも春らしさを運んでくるような。でも春の女神ではなくて、呑兵衛の牧神だったかも(^o^)/ 第2楽章:メヌエット、アレグロ。楽しく美しく変化に富んだアレグロです。第3楽章:アンダンテ・カンタービレ。ヴァイオリンをはじめ良く歌うアンサンブルの中でも、やっぱりチェロの茂木さんの活躍にモーツァルトらしさを感じます。第4楽章:モルト・アレグロ。チェロ~ヴィオラ~第2ヴァイオリン~第1ヴァイオリンと追いかけるようなフーガです。これが繰り返され、全体としてソナタ形式を踏襲しているのでしょうか。半音階的要素もあり、いかにも力作と感じさせる作品で、聴き終わった後の満足感がじわ~っと感じられるものでした。

    再び前席のお客さんからブラボー!の声がかかり、聴衆の拍手の中で、アンコール曲が紹介されましたが、やはりモーツァルトのオペラ「コシ・ファン・トゥッテ」の中から、「有名なアリアです」とだけ。素人音楽愛好家には、それだけじゃわからん(*2)がな~(^o^)/
    でも、スキップするみたいな音楽は、たぶんソプラノのアリアと見当をつけました。さて、正解は? ここは元「先生」に採点をお願いすることにいたしましょう(^o^)/

    (*1):山形交響楽団に所属する弦楽奏者からなるカルテットで、ハイドンの弦楽四重奏曲全曲演奏を目標に、年四回の定期演奏会を開催し、すでに十年を超える活動歴を持つ団体。近年は、戦争で夭折した作曲家や現代の若手なども含めて、邦人作曲家の作品も積極的に取り上げています。
    (*2):アンコールの原曲目は、たぶん、これでしょう。"È amore un ladroncello"


    山響団員の中でも特にシャイな四人の紳士淑女が、いくら春の盛りとはいえ「愛の神はいたずら者」などという曲を選択したことを羞じらったのでしょうか(^o^)/

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    モーツァルト「弦楽五重奏曲第6番K.614」を聴く

    2014年04月09日 06時01分53秒 | -室内楽
    このところ、通勤の音楽として聴いているのは、モーツァルトの弦楽五重奏曲第6番、変ホ長調K.614です。モーツァルトが世を去る8ヶ月前に作曲されたという最晩年の作品ですが、ハイドンに通じる明るさとユーモアを感じさせる曲です。

    第1楽章:アレグロ・ディ・モルト、変ホ長調。出だしがヴィオラのひなびた音で、でもリズミカルに始まります。この第1主題が全体を通して印象的で、続くヴァイオリンとチェロによる第2主題は明るい響きなのですが、よく似たリズムのせいでしょうか、どうしても第1主題に印象が引っ張られてしまうようです。
    第2楽章:アンダンテ、変ロ長調。「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」のような主題が、様々に変奏されていきます。ここはヴィオラではなく第1ヴァイオリンが主体です。チャーミングですが、コーダでは不協和音も使われており、これは明らかに意図的なものでしょう。
    第3楽章:メヌエット。アレグレット、変ホ長調。ヴァイオリンが、丘の上からスキップで降りてくるような旋律を奏でます。このリズムの形を保ちながら、様々な声部に受け渡されて行きます。中間部はゆるやかに変わりますが、再びもとの旋律とリズムに戻ります。
    第4楽章:アレグロ、変ロ長調。軽快なロンドですが、そこは最晩年のモーツァルトの曲らしく、複雑なフーガ風の響きと進行も聴き取ることができます。ここは実に見事なところで、「ジュピター」交響曲の終楽章でも感じられるような、五人の奏者がそれぞれ独立に動きながら、全体として見事な調和と統一見せる、といった風情を感じさせるものです。

    演奏は、スメタナ四重奏団にヨセフ・スークがヴィオラで加わったもので、LPでよく聴いた1981年夏のDENONによるPCM録音をCDで買い直した、COCO-70514という型番のものです。この頃になると、デジタル録音技術もすっかり安定し、安心して聴くことができます。

    ■スーク(Vla),スメタナ四重奏団
    I=8'22" II=7'41" III=4'21" IV=5'19" total=25'43"

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    松本蘭「蘭ing」~ヴァイオリン愛奏曲集を聴く

    2014年04月03日 06時03分18秒 | -室内楽
    山形交響楽団第235回定期演奏会(*1)で購入した、松本蘭さんのCD「蘭ing」を聴いています。通勤の車中で聴くだけでなく、自宅のパソコンに取り込み、PC-audioで再生して聴いています。パソコンの画面に、曲名が表示されるのを見ながら聴くのは、たいへん便利なものです。利用頻度の点では、メインのステレオ装置を完全にしのいでいます。



    収録されている曲目は、次のとおり。

    1. エルガー/朝の歌
    2. サン=サーンス/白鳥(ハイフェッツ版)
    3. 加藤昌則/うまれゆく、風 - Caprice Fantastique -
    4. パガニーニ/カンタービレ
    5. ドビュッシー/亜麻色の髪の乙女
    6. リムスキー=コルサコフ(編曲:加藤昌則)/シェエラザードの歌(シェエラザード「若き王子と王女」より)
    7. ドヴォルザーク/ユーモレスク
    8. バルトーク/ルーマニア民俗舞曲 棒踊り
    9. バルトーク/ルーマニア民俗舞曲 飾り帯の踊り
    10. バルトーク/ルーマニア民俗舞曲 踏み踊り
    11. バルトーク/ルーマニア民俗舞曲 角笛の踊り
    12. バルトーク/ルーマニア民俗舞曲 ルーマニア風ポルカ
    13. バルトーク/ルーマニア民俗舞曲 速い踊り
    14. アイルランド民謡(編曲:加藤昌則)/夏の名残りのバラ(「庭の千草」)
    15. クライスラー/ラ・ジターナ(「ジプシーの女」)
    16. 山田耕筰(編曲:加藤昌則)/からたちの花
    17. ヴュータン/アメリカの思い出
    18. フォスター/故郷の人々(「スワニー川」)(ハイフェッツ版)

    過去の大家によるヴァイオリン愛奏曲集も良いけれど、今まさに活躍中の若い演奏家のものも魅力的なものがあります。エルガーの「朝の歌」に始まり、ヴュータンの「アルプス一万尺」じゃなかった「ヤンキー・ドゥードル」を素材にした超絶技巧を経て、フォスターの「故郷の人々」に終わる曲集は、よく考えられた、多彩な魅力を持っています。バルトークの「ルーマニア民俗舞曲」もいいし、本CDで一番演奏時間が長いR.コルサコフの「シェエラザード」も、スヴェトラーノフ盤やストコフスキー盤のような官能的なものでなく、もっとずっと清楚なシェエラザード姫です(^o^)/

    ところで、3曲目の「うまれゆく、風 - Caprice Fantastique -」の作曲者でピアノの加藤昌則さんというのは、つい先ごろ、奥村愛さんとのチャリティ・コンサートで、モーツァルトのヴァイオリン・ソナタに感心したあの「加藤昌則」さん(*2)ではないのか? たまたま偶然なのか、それともチャーミングな女性ヴァイオリニストに人気のピアニスト兼作曲家なのか、そのへんの真相は定かではありませんが、ヴァイオリンの表現力を聴かせる、なかなか魅力的な曲・演奏です。

    (*1):山響第235回定期演奏会でラヴェル、サンサーンス、茂木宏文、ブリテンを聴く~「電網郊外散歩道」2014年3月
    (*2):住友生命全国縦断チャリティコンサートで奥村愛・加藤昌則の演奏を聴く~「電網郊外散歩道」2014年3月

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    プレシャス・カルテット山形公演vol.2でハイドン、ブリッジ、ブラームスを聴く

    2014年03月29日 06時03分39秒 | -室内楽
    天気予報では全国的に好天でしたので、一日休みを取って、果樹園の剪定枝の後片付けに精を出しましたが、まだ終わりません。発芽の前に、そろそろ休眠期の防除をしなければならず、なんとか今週中には終えたいところです。にもかかわらず、夕方から山形市の遊学館ホールに出かけ、プレシャス・カルテット山形公演vol.2を聴きました。今回の曲目は、

    (1) ハイドン 弦楽四重奏曲第77番ハ長調「皇帝」
    (2) ブリッジ ロンドンデリー・エアー
    (3) ブラームス 弦楽四重奏曲第1番ハ短調Op.51.1

    というものです。前回(*1)は、かなり親しみやすい曲目もありましたが、今回はぐっと渋いプログラムとなっています。今回は、簡潔で読みやすいプログラムノートもあって、良かった良かった(^o^)/



    遊学館ホールは、講演会だとか○○式典などでは入ったことがありますが、音楽会、しかも室内楽の演奏会は初めての経験です。ステージには、演奏者の背面に反響板を置き、天井にもシート状のものを吊り下げて吹き抜けでない形にしています。開演前のホールの聴衆のざわつきを聴く限り、石造りと木造とを併用した構造で、けっこう反響はあるようです。三月末の花の金曜日という、送別会シーズンのせいか、お客さんの入りは今ひとつで、もったいない! それとも、県営駐車場で割引が受けられるとはいうものの、専用駐車場を持たない会場を郊外のマイカー族が敬遠し、徒歩や自転車で来れる人が中心だったのでしょうか。

    ステージ上は、向かって左から、第1ヴァイオリン:水色のドレスの加藤えりなさん、第2ヴァイオリン:白いドレスの古川仁菜さん、ヴィオラ:ピンクのドレスの岡さおりさん、そしてチェロ:黒いシャツ姿の小川和久さんです。

    前半は、ハイドンの「皇帝」。安定感のある技術とアンサンブルが、バランスの良い響きを生み出します。どちらかといえば、外に向かう陽性な表現というよりは、内に向かう求心的な演奏と感じました。例の「皇帝讃歌」を含む第2楽章も、静かで美しいものでした。
    続くブリッジの「ロンドンデリー・エアー」は、「ロンドンデリーの歌」もしくは「ダニーボーイ」として親しんでいる旋律がどこかに聞こえる現代風の音楽です。ヴィオラに魅力的なフレーズが多く、「ダニーボーイ」の旋律がかなりはっきりと出てくるところなどは、特に印象的です。四人の合奏で再び「ダニーボーイ」の旋律がしっかり出てくるところは、いい音楽だな~と聴き惚れます。

    15分の休憩の後、後半はブラームスです。第1楽章:アレグロ。緊張感と集中力を要する音楽が、緻密に、しかし激しさを内包して演奏されます。ヴィオラの長く引く音が印象的。第2楽章:ロマンツェ、ポコ・アダージョ。ブラームスらしく、内声から入ります。優しく穏やかな音楽。終わり方も、ヴァイオリンがピツィカートなのに、ヴィオラとチェロは弓で、始まりに対応しているのでしょうか。第3楽章:アレグレット・モルト・モデラート・エ・コモド~ウン・ポコ・ピウ・アニマート。第2ヴァイオリンがユラユラと揺れる間、他の3人がピツィカートを奏するなど、面白いところがたくさんあります。優しい音楽です。第4楽章:アレグロ。出だしの悲劇的な気分など、「ハ短調」を意識したのでしょうか。劇的な昂揚があります。あ~、良かった!

    アンコールは、アストル・ピアソラの「リベルタンゴ」(*2)。皆さんがそうなのかもしれませんが、特に第1ヴァイオリンの加藤さん、この曲がお好きなのでしょうね。のって演奏されているのがよくわかりました。私もこの曲が大好きですので、のりのりで(^o^)聴きました。帰りの車中でも、この曲がエンドレスでリピートしておりました(^o^)/

    (*1):プレシャス・カルテット山形公演を聴く(1),(2)~「電網郊外散歩道」2013年7月
    (*2):記憶が曖昧になってしまいましたが、もしかしたら「ブエノスアイレスの四季」から「春」だったかもしれません(^o^;)>poripori

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    住友生命全国縦断チャリティコンサートで奥村愛・加藤昌則の演奏を聴く

    2014年03月12日 19時34分02秒 | -室内楽
    東日本大震災の日、山形テルサホールで、住友生命の全国縦断チャリティコンサートを聴きました。娘がどこからか招待券をいただいたのだそうで、ヴァイオリンの奥村愛さんと、ピアノが加藤昌則さんの共演です。このコンサートでは、東日本大震災で被災した学校にピアノを贈る活動の一環として開催されるのだそうで、趣旨には大賛成。開演前には、住友生命山形支社の支社長さんがご挨拶。そして、皆で一分間の黙祷を行いました。

    いただいたプログラムによれば、本日の曲目は:

    1. J.シュトラウスII 喜歌劇「こうもり」序曲
    2. ハチャトリアン 組曲「仮面舞踏会」より「ワルツ」
    3. ゲーゼ 「ジェラシー」
    4. モンティ 「チャルダッシュ」
    5. ヘス(加藤昌則編曲) 「ラヴェンダーの咲く庭で」
    6. サラサーテ 「ツィゴイネルワイゼン」
     (休憩)
    7. パッヘルベル(山下康介編曲) 「カノン」
    8. モーツァルト ヴァイオリン・ソナタ ト長調 K.379
    9. ワックスマン 「カルメン幻想曲」

    というもので、とくに前半は、フィギュアスケートに用いられた音楽を集めたものだそうです。

    プログラムの前半、サーモンピンクのドレスで登場した奥村さんと、上着を脱いでワイシャツにベスト姿の加藤さんが登場します。一曲目、シュトラウスの「こうもり」序曲は、ふだんオーケストラで聴きなれている分だけ、ヴァイオリンとピアノで奏される音楽に新鮮な楽しさを感じます。ハチャトリアンの「仮面舞踏会」のワルツは、ほんとにフィギュアスケートを思い出してしまいます。「ジェラシー」はコンチネンタルタンゴのスタンダードですが、あれほど濃密な妖艶さではなくて、もっとおしゃれな感じ。五曲目の「ラヴェンダーの咲く庭」は、映画のテーマ音楽で、もとはヴァイオリン協奏曲のスタイルで書かれたものだそうですが、今回は加藤さんの編曲で、キュートで詩的な音楽になっていました。実は、加藤昌則さんの本業は作曲家なのだそうで、「耳は聞こえます」と会場を湧かせるお茶目なトークも魅力です(^o^)/
    前半の最後となる「ツィゴイネルワイゼン」は、LPやCDで聴く分には、お気楽なコメントもできましょうが、実際に演奏家が音楽にのめりこんで演奏している姿を前に、こちらもぐぐっと集中して、ひたすら耳を傾けるだけです。あ~良かった!

    15分の休憩の後は、奥村さんも衣装を変えて登場です。黒っぽいドレスに白いキラキラがたくさん見えて、ちょうど夜空に雪のイメージでしょうか。加藤さんは、スカーフなのかアスコット・タイなのか、少しだけおしゃれして登場です。

    七曲目は、パッヘルベルのカノンです。これも、ふだんは弦楽合奏で聴いていますので、ヴァイオリンとピアノで聴くのはたいへん新鮮です。八曲目のモーツァルトのヴァイオリン・ソナタは、プログラムでは

    第1楽章: アダージョ
    第2楽章: アレグロ
    第3楽章: アンダンティーノ・カンタービレ

    としていますが、Wikipedia では前の二つを一緒にして、第1楽章:アダージョの序奏とアレグロ、第2楽章:アンダンティーノ・カンタービレ、としていました。このへんの事情は、楽譜もないし、よくわかりません。でも、たいへんステキな曲で、いっぺんに気に入りました。とくに、加藤さんのピアノ!見事なモーツァルトです。モーツァルトのヴァイオリン・ソナタは、ヴァイオリンの助奏つきの(ピアノ)ソナタと言われるだけあり、ピアノの比重が大きいものだそうですが、たしかにそのとおりではあるものの、アンダンティーノ・カンタービレでヴァイオリンがピツィカートで奏するところは、実にチャーミングです。良い音楽を知ることができました。
    最後の「カルメン幻想曲」は、ハイフェッツのために作られたのだそうで、さもあろうと思わせる技巧的で情熱的で、奥村さんの言葉を借りれば、「カッコいい」音楽です。

    拍手に応えて、アンコールはチャップリンの「スマイル」。思わず懐かしい気分になります。曲想からして、使われた映画は「ライムライト」あたりだったかな?と一瞬思いましたが、あれは「テリーのテーマ」だったと思い直し、調べてみたら「モダンタイムス」でした。当方の記憶は、だいぶ色あせてきております(^o^;)>poripori

    帰り際に、東日本大震災のチャリティに協力し、募金箱に心ばかりの金額を入れて来ました。これが被災した学校にピアノを寄贈する一助になり、子どもたちが大きな声で希望を歌えるようになれば、と思います。



    YouTube で、モーツァルトのヴァイオリン・ソナタ第27番ト長調 K.379 の動画を見つけました。

    Mozart - Violin Sonata No. 27 in G, K. 379 [complete]


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    今年こそヤンネさんのリサイタルを聴きたい

    2014年02月21日 06時04分39秒 | -室内楽
    先の山形弦楽四重奏団第50回定期演奏会や山響モーツァルト定期で、プログラムに入っていたチラシの中に、ヤンネ舘野さんのヴァイオリン・リサイタルのものがありました。ヤンネさんといえば、山形交響楽団の第2ヴァイオリンの首席で、2012年の冬に、モーツァルトの第3番のヴァイオリン協奏曲のソロを聴いています。たしか、その年の春にもヴァイオリン・リサイタルがあったはずですが、残念ながら都合がつかず、いつかは聴いてみたいと念願しておりました。

    願っていれば叶うもので、この春、4月29日の「みどりの日」14:00~、文翔館議場ホールでリサイタルを開く予定とのこと。しかも曲目が大好きなフランクのヴァイオリン・ソナタです。これは行かずにいられようか、いや、いられない:反語(^o^)/
    さっそくスケジュールに記入しました。

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