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評価 


(4点/5点満点)
この本は、成長を目指す人がとらわれているメンタルブロック(思い込みの壁)のパターンを例に挙げながら、自分で自分の思考を拡張して進撃するための視点とヒントを提供します。
一例として、「べき」と「マスト(~しなければならない)」を取り払い、自分のメンタルモデル(無意識の心の声)を拡張し続けていくことが重要であると指摘。
「これはこんなもん」「あの人はこういう人」といったメンタルモデルから脱却するために、「べき」を禁句にするとともに、物事をマストで捉える思考も捨ててしまうことを推奨しています。
【my pick-up】
◎勇気ある一言が会社と社会を変える
遠慮のない発言や行動は、会社を変え、世の中を変えます。僕が社員に伝えているのは、世の中の全ての出来事はたった一人の勇気から始まっているということ、つまり、自分の考えを遠慮せずにアウトプットするということです。
もし「若いから」という理由で発言を遠慮したら、おそらくベテランの意見だけで方針が決まります。若い人たちはその方針に従って「もっといい方法があると思うけど・・・」「別のやり方のほうがいいのに・・・」などと不満を感じながら業務を進めることになり、それはストレス要因になり、仕事が楽しくなくなる原因になります。不満や疑問を感じている状態ではモチベーションも高まらず、結果も出にくくなります。
また、先輩も上司も社長も決して完璧ではありませんから、判断を間違うこともあります。そのことに気づかせるのも遠慮のない意見です。もしかしたら自分の意見が取り入れられて、もっといい方針に変えられるかもしれません。そのコミュニケーションがないから、上司などの判断が間違っていたときに不信感が生まれ、組織としてのまとまりが弱くなってしまうのです。
米国など外資系の企業では、会議で発言しない時点でそこにいる価値が問われます。一方、日本人には「言わないほうが得」という考えがあり、これは責任を回避しようとするメンタルブロックからきているように思います。そもそも「自分は言える立場なのか」など消極的になっています。
◎怒りが自分の価値観に気づかせてくれる
僕は怒ることが必ずしも悪いことではないとも思っています。
理由は、怒りを感じることによって自分がどんなことを大事にしているのかに気づいたり、理想と現実のギャップが分かったり、自分と他人の認識のズレを把握できると思っているからです。怒りは、普段はあまり意識していない自分の考え、思考、価値観を再認識させてくれるきっかけであり、シグナルです。怒りを伝えることは問題解決の糸口です。相手と正面から向き合うことで、お互いの認識のズレをお互いが認識でき、埋めるための第一歩が踏み出せるのです。
「怒ってはいけない」や「怒ったら負け」「冷静な自分でいなくてはいけない」はメンタルモデルです。怒りを我慢するとストレスがたまります。それが蓄積すると、あるとき爆発します。直接感情を吐き出すことをしないとズレが増して怒りの頻度も減りません。