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評価 

(3点/5点満点)
自分がトクだと思っていることが、実は、そんなにトクではないとしたら。
人気経済ジャーナリストの荻原博子さんが、節約・投資・保険・老後におけるオイシイ話の中の「落とし穴」を紹介します。
一読すると批判ばかりしているように思えますが、「良い面」はたくさん情報が存在しているので、あえて「悪い面」にフォーカスしていると思います。
決断する前に、本書を参考に少し考える時間があってもいいかもしれません。
【my pick-up】
◎分散投資の罠
リーマンショックでは、ドル、株、債券と、別々の籠に資産を分けて入れていたにもかかわらず、卵はすべて一気に割れてしまったことになります。「投資信託」は、売る時と買う時以外にも、その「投資信託」を持っているあいだはずっと、「信託報酬」という手数料が金融機関に入ってきます。この手数料を上回る利益を得るのはかなり大変です。そもそも、リスクが嫌なら、投資しなければいいだけの話です。手堅く銀行に預金しておく選択を。
◎個人型確定拠出年金(iDeCo)のデメリット
「iDeCo」のデメリットは、積み立てたものが、基本的に満60歳になるまで引き出せないというところです。また、「iDeCo」は口座を開設する時に最低でも2777円かかります。さらに、運用期間中も毎月167円の維持管理料を支払わなくてはならない。それで、もしリスクはあまり取りたくないからと安全確実な定期預金のほうを選んだら、今の低金利では完全にマイナスになってしまいます。「iDeCo」で有利なのは、所得が高いので節税しなくてはいけない人。60歳まで安定的な収入があるので、引き出さなくてもいい人です。
◎健康増進型保険のからくり
保険会社にとっては、元気で長生きすれば、保険金の支払いも少なくなるので保険料を割り引いても儲かるという計算。タバコを吸わない人だと保険料が安くなる。血圧や肥満・痩せすぎ度を示すBMIが一定の基準を満たせば保険料が安くなる。1日平均で8000歩以上歩くと、保険料の一部が返ってくる。ある調査によると、毎日ウォーキングなどの中程度の運動をしただけで、運動をしない人よりも寿命が3年ほど延びるとのこと。努力できそうなら、このような保険もあります。
◎銀行店舗の罠
銀行の窓口業務は、駅前の一等地に店を構え、給料の高い銀行員を雇って業務をしているので、コストに見合わないのです。また、「△△銀行の××です。今度、私が○○様の担当になりました」などと、頼んでもいないのに電話をしてくるのは、あなたの銀行口座を見て、お金があるので投資しそうな客だと判断したからです。銀行に行かない。インターネットバンキングとATMがあれば、たいていのことは済みます。しかも、そのほうが、おトクです。