評価 (3点/5点満点)
著者の水上颯さんは、開成高校在学中に全国高等学校クイズ選手権で優勝し、その後、東京大学理科三類に現役合格。現在は東大医学部の6年生です。
この本では、水上さんが頭を鍛えるためにやっている、勉強、読書、記憶、時間、アウトプットの「5つの習慣」を紹介しています。
「才能」でも「素質」でもなく、「習慣」で頭は鍛えられる。
読むと、自分なりに効率的な勉強法を追求したり、読書で幅広い知識を吸収したりといった、日々の「積み重ね」で、少しづつ頭を鍛えてきたことが分かります。
やっていることは日常に溶け込むような些細なことばかりに見えますが、それを1週間、1か月、1年と続けていると、大きな進歩につながるんですね。
ここまで自分を作り上げてくれた「習慣」が、自分を見失わないでいられる自信の源になっていると、水上さんも言っています。
【my pick-up】
◎「得意を伸ばす」より「苦手を潰す」
総合力を問われる受験勉強において大事なのは、「苦手を潰していく」ことです。伸びしろという面で考えても、受験範囲という面で考えても、苦手を潰していくほうが合理的なのです。いかに不得意科目を人並みにもっていくか、それをさらに伸ばしていくかしだいで合否が決まってくるともいえます。一番こだわったのが、「人が解ける問題を落とさない」ということです。アベレージヒッターになるための勉強では、参考書や問題集も平均的なもので十分です。あれこれ手をつける必要はありません。僕の場合、東大受験対策として「過去問」をひたすらに解いていきました。
◎「再読」より「新たな1冊」を
僕は、あまり再読をしません。再読する時間があるなら、その分、新しい1冊を読むようにしています。「新しい考え方」を身につけるためには、読む内容も新しいほうがいいと思っているからです。どんな本でも初回の衝撃が一番大きい。そうした刺激を受けるために、新しい本にふれていきたいと思っています。
◎ひとりの時間は「インプット」に使おう
自分だけの武器を磨くことは、ひとりの時間でないとなかなかできない。学生はもちろん、忙しく働いているビジネスパーソンも、その多くが「インプット不足」の状況にあるように思います。人と接する時間はもちろん大切ですが、本を読んだり、勉強したりするひとりの時間もしっかり確保したいところです。