評価 (3点/5点満点)
著者の佐々木常夫さんは、東レ勤務時代に自閉症のお子さんやうつ病の奥さんの看病等のために18時退社を迫られ、限られた時間で成果をあげてきた「ワークライフバランス」の先駆者とも言える方です。
すぐ動かず、考えてから動く。それは常に、職業人としての佐々木さんの真ん中にあった信念です。
拙速を良しとする本や、スピード仕事術のようなものが多く見受けられるご時世ですが、膨大な仕事を効率化したいならば、最速で最大の効果を出したいと望むならば、すぐ動くのをやめる。そんな「考えて動く」ことを追求するのが、本書のテーマです。
私が考える「戦略」とは、文字通り「戦いを略す」ことなのです。(P.19)
つまり、戦略的に考えるくせをつければ、無駄な戦いは避けられ、仕事は半減するということ。
すぐ動いたほうがいい仕事があるのは事実ですが、戦略的で重要な仕事であるならば、いきなり走り出すのではなく、どういう手法でどんな順序でやるか、どれぐらいの日数でいつまでにやるか、どんなメンバーで誰をリーダーにするかなどをよく考えてからスタートしましょう。
この本はたくさんは売れないことを断言します。なぜなら日本人の多くは「すぐやることは正しい」と、まるで宗教のように信じているからです。「すぐに動いてはいけない」ことを身に染みて感じているごく少数の人にだけ読んでもらえる本ではないかと思っています。(おわりに)
本書の最後に書いてあったこの文章から、すぐ動いてはいけない仕事もあることを皆さんに認識していただきたいですね。
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