評価 (3点/5点満点)
店での振る舞い、酒の飲み方、趣味、おしゃれ、人づき合い、旅・・・こうした様々なシーンにおける‘大人の嗜み’がこの本のテーマです。
世の中には、格好いい人間とみっともない人間が存在しますが、どちらになるかを決めるのはその人の行動様式、つまりその人ならではの教養や経験です。
著者の川北義則さんは1935年生まれの81歳。稼いだお金は、一流の店での食事や、様々な遊びに使ってきて、貯金はほとんど残っていないが、面白い人生を送ってきた自信はあるとのこと。
嗜み(たしなみ)とは、「好み、趣味」「平常の心がけ、用意」「つつしみ、節制」「物事に対する心得」という意味ですが、人生の大先輩から、人生を豊かに愉しく生きるための大人の嗜みを学んでみましょう。
【my pick-up】
◎いい時計をするには前提条件がある
時計はただ単に時間を確認するためのものではない。その人となりを表現する重要なアイテムである。どんな時計を腕にはめているかで、その人のセンスや経済力がわかる。セイコーの「グランドセイコー」、シチズンの「ザ・シチズン」など、いまは国内メーカーも高級なシリーズを出している。どちらも、大変にシンプルで美しいフォルムのものが多いから、スーツによく映えるだろう。加えて、品質はスイス製を間違いなく凌駕するだろうから、こういう時計をさり気なく身につけるものも悪くない。もっとも、グランドセイコーの男性用で、60万円くらいが最多価格帯となっている。
◎大人は足元にこだわる
仕事なのにウォーキングシューズを履く男を、世の中がどう評価するかを考えなくてはならない。ウォーキングシューズを履くのは「そのほうが楽だから」だろう。つまり、「楽に仕事をしたい」と彼は白状しているようなものではないか。山奥に住んでいるならまだしも、都会では多少疲れても我慢してきちんと革靴を履く気概がなくてどうするのか。女性の場合も同じで、やはりある程度ヒールがあるほうが脚がきれいに見えるし、きりっとした雰囲気になる。「楽だから」という理由でぺったんこ靴ばかり履いていれば、それなりの女で終わってしまう。
◎大人のプレゼントは重くない
本当にプレゼントが上手な大人は、値段ではなくセンスで勝負できる。恋人でもない人にプレゼントするときに、一番いいのは「消えモノ」だ。消えモノとは、食べ物や花など「いずれなくなる」もののことだ。スカーフやバッグのように、いつまでも残って、贈った人間のことを思い起こさせることがない。
◎旬のものを食べる
とくに、刺身や寿司など「生もの」を食べられないのは恰好が悪い。「生臭いから嫌だ」というのは、「いいものを食べたことがないんです」と告白しているに等しい。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます