評価 (3点/5点満点)
働き方のデジタルシフトとは、ITツールをフル活用した、より軽く便利な働き方・組織・業務フローです。
リモートワークがデジタル化を激しく推し進めましたが、その先にあるDXは技術的な問題にとどまらず、組織的な問題でもあります。
不安定で激動な時代において、前例主義による新しい技術への出遅れは致命的な状況を生み出しかねません。
組織の心理的安全性を高め、健全で心豊かな状況を作ることで、変化に強い柔軟なワークスタイルを導入し、一歩ずつ働き方のデジタルシフトを進めていきましょう。
データサイエンティスト、働き方改革コンサル、AIエンジニア、マーケティングに強い4名の著者が、リモートワークをチャンスと捉えて、しなやかな組織づくりへの処方箋を提示します。
【my pick-up】
◎前時代的な心構えを払拭する
日本社会の根底に流れる考え方の中でも特に「前例主義と細部のこだわり」「あうんの呼吸の重視」「心と体の健康の軽視」の3つが問題だと考えています。この3つの問題はいずれも「生産性の高いリモートワーク」を妨げ、「働き方のデジタルシフト」の実現を阻害します。
(1)産業遺物のFAX
新型コロナウイルスの影響でリモートワークが進んだにもかかわらず、足を引っ張っているのがFAX文化です。FAXは産業遺産の収集で知られている米国スミソニアン博物館で展示されています。つまり、日本は世界的には産業遺物となったものをまだ使い続けているのです。
(2)根強いハンコ文化
FAX以上にリモートワークの妨げになったのがハンコ文化です。
(3)生産性に寄与しない細部へのこだわり
昔ながらの習慣を変えられず、現代においても生産性に寄与しない不要な細部へのこだわりが残っているケースも散見されます。「ちょっとした社内の会議なのに、司会進行台本を作っている人がいた」など、社内向けの資料について細部まで気を使う必要は本当にあるのでしょうか?また大量の印刷は必要でしょうか?資料はデジタル化して、各自がタブレットやノートパソコンで見ればそもそも印刷の必要性すらなくなるのではないでしょうか?
◎手順書
教える側は自身がすでにわかっていることを手順書にするモチベーションはそれほどありません。そこでお勧めしたいのが、教わる側が作るようにするのです。教える側が作るよりもかゆいところに手が届く手順書ができ上がります。