評価 (4点/5点満点)
仕事の効率化を図り、家庭も仕事も諦めない、さらに将来の自分への投資もしていく。
そんな無駄のない理想的な1日を作る具体的な方法について紹介します。
本書で強調されているのは、1日をよりよく、より充実したものにするためには、習慣やルーティーンを組み上げていくことが絶対に必要だという点です。
その習慣化の実践メソッドも記載されていますのでご安心ください。
タイムマネジメントを真正面から取り上げた本の刊行は、久々のように思います。
単なる仕事の時短術ではなく、生活や人生全体における時間の使い方そのものを根底から変えることを目的とした1冊に仕上がっています。
【my pick-up】
◎自己投資を最優先に!
「将来なりたい姿もまだはっきりしないし、自己投資と言われても何をしていいかわからない!」という人は、ひとまず運動と読書に取り組んでみてください。私自身、この2つに取り組み始めてから、営業成績社内No.1になるなど、仕事で成果を出すことができました。何をするべきかわからないなら、騙されたと思って、この2つに取り組むことをお勧めします。思いつきで行うのではなく、計画的に毎日行うことが重要です。短時間でも習慣にするということです。
◎1日の「1%」が周りと差をつける
1日24時間のうち、たった1%の15分間を自己投資の時間に当てるだけで、その他大勢から抜け出せるのです。社会人になれば、勉強から解放されたと喜んで、ほとんどの人が勉強をしなくなります。そのため、たったの15分でも周りと大きく差をつけることができます。1日15分だけと決めて、読書をする。語学を学ぶ。資格取得に励む。運動をする。何でも結構です。超短時間超集中で自己投資に励んでみてください。1年もするとかなりの成長が見込めます。
◎朝イチは自己投資のゴールデンタイム
朝の時間帯をうまく使えるようになると、充実感も満足感も高まります。早朝、まだライバルたちが目覚める前に起きて自己投資をする自分。ライバルたちが起きてくる時間帯には、すでに自分を高める活動を1つ2つ終えている自分。朝活をすると、学習や運動でスキルアップするだけでなく、精神的なゆとりも持てるので一石二鳥なのです。
◎目的・目標・手段をきちんと考えている
多くの人は「さて、何をやろうか」とか「何から手をつけようかな」と、手段から考え始めます。目的・目標・手段、この順序で考えると「やるべきこと」だけでなく、「やらないでおくべきこと」も明確になります。しかし、手段しか見ていないと「あれもやった方が良いかな?」「こっちもやっておくべきじゃないかな?」とあれこれ手を出してしまい、結局無駄だったということになりかねません。
◎意志力に頼らない習慣の作り方
習慣を身につけていく際には、成果には目をつむりましょう。成果ではなく、自分がどれだけ時間を費やせたかだけに注目してください。例えば「今日は15分間運動した」「10日連続で読書時間が取れている」といった具合です。習慣が実を結ぶのは、だいぶ先の話です。だからこそ、習慣にしなければいけないのです。目先に結果に一喜一憂せず、将来的な長いスパンで「継続すること」に全力を尽くしましょう。
◎合理的判断をする
普段私たちは、状況や出来事を感覚的に捉えています。合理的かどうかというよりは、これまでの経験で何となく良し悪しを判断しているのです。その感覚的な判断を、合理的判断に変えていけばいいのです。その状況や出来事のメリットとデメリットを並べたり、そこから何が学べるかを分析したりしましょう。こうして合理的に考えていくことで、感情も落ち着き、前向きに捉えられるようになっていきます。
◎「ムダ」を省く
普段仕事をしていると、いつもの手順で、いつも通りに進めることになんの疑問も感じなくなります。つまり、それが当たり前だと感じてしまうのです。しかし、その当たり前を見直さなければ、無駄は見つかりません。そのためには、目的に立ち戻って、ゼロベースで仕事の手段を見直す必要があるのです。そこで初めて「あれ?以前からやっていたけど、この工程は不要だな」「新しい○○で代用すると手早く終わるな」という点に気づけたりします。普段何気なく取り組んでいる業務こそ、一度時間を取って、目的から見直してみてください。