厳選!ビジネス書 今年の200冊

2008年ブログ開設から、紹介したビジネス書は3,000冊超。
1日2,000PVの仕事力を上げる書評ブログ。

2020年94冊目『部下のトリセツ』

2020-03-29 15:41:36 | おすすめビジネス書

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評価 (3点/5点満点)

この本では、部下が自然とついてきてくれるために、リーダーに必要な行動について、部下とのコミュニケーションの取り方を中心に解説しています。

著者の浅野泰生さんは今まで「小さな会社のリーダー」として、社内外問わずさまざまな経営者やリーダーと接して学び、部下との関わり方を改善してきました。そんな浅野さんのノウハウは企業やプロジェクトの規模に関わらず、これからリーダーになる人やリーダーになってから悩んでいる人に役立つのではないでしょうか。

「部下が安心する」「部下が心を開く」「部下をやる気にさせる」「部下を成長に導く」「部下が結果を出せるようになる」といった、コミュニケーションの目的別に本書は構成されています。さらに、各章では部下の振る舞いに対して、リーダーとして「どうするべきか」をお伝えします。

まずは自分の対応を変えなければ部下の受け止め方も変わらない。私自身が変わることで部下と良好な関係性を築いていこうと、思考と行動を変えてきました。

本書で紹介されている内容は、学問でも伝聞でもなく、失敗と改善の繰り返しから導かれた著者ご自身の実録です。
失敗しても諦めずに、少しずつでも、部下に「ついていきたい!」と思われるようなリーダーを目指しましょう
また、さまざまなタイプの部下をまとめて結果を出していくことは決して楽ではないですが、大きな達成感を味わえます。リーダーという役割を楽しんでください。
 
【my pick-up】

◎大きな夢を恥ずかしがらずに共有し続ける
リーダーが部下に対して、〝大きな夢〟を伝えることは、思いのほか大切なことなのです。すぐに達成できそうな〝小さな目標〟ではダメなのです。聞いたらワクワクするような大きな夢でなければいけません。リーダーの一番重要な仕事は、部下に〝より良い未来をイメージさせる〟ことだからです。
リーダーとして、部下の前で大きな夢を掲げるときは「売上を倍にする」「この会社で一番稼ぐ部門にする」と、ちゃんと言い切りましょう。

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2020年93冊目『トップ3%の人は、「これ」を必ずやっている』

2020-03-29 15:33:16 | おすすめビジネス書

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評価 (3点/5点満点)

本書のタイトルにある「これ」とは、「フォロワーシップ」のことです。
フォロワーシップとは、上司の「至らない点」や「見えていない点」があれば、積極的にサポートし、組織を良くするために影響力を発揮するスキルです。

この本では、ロバート・ケリー教授の著書『The Power of Followership』の理論をベースにしながら、今の日本の職場の実情に合わせ、アレンジをして紹介していきます。

「滅私奉公」でもなく、「会社と距離を置く」でもなく、もっとスマートに自分らしさを貫き、それでいて会社にとってなくてはならない存在になる-。そんな高い次元で、「自分らしさ」と「組織人としての影響力」のバランスをとる方法が本書から学べます。

日本では、フォロワーシップを知っているのはわずかに3%程度。そのため、実践している人もやはり3%しかいないのが実情。著者の伊庭正康さんご自身も、フォロワーシップを知ったのは管理職になってからだったそうです。

組織の成功は(上司ではなく)部下の主体性にかかっている、というロバート・ケリー教授の理論をもとに、管理職になる前にフォロワーシップを身につけておきたいものです。
 
<フォロワーシップを高める2つのチカラ>
提言力の4つのレベル
レベル1 積極的な人・・・意見を言うにとどまる
レベル2 主体的な人・・・対策まで提案する
レベル3 支援する人・・・上司の課題を把握した上で、解決に努める
レベル4 参謀役の人・・・新たな気づきを示唆する(コーチングアップ)
 
率先力の4つのレベル
レベル1 積極的な人・・・会議等で意見・質問する(黙らずに)
レベル2 主体的な人・・・上司と同僚の橋渡し役になる(情報を伝える)
レベル3 支援する人・・・上司・同僚が動きやすくなるように根回しをする
レベル4 参謀役の人・・・ある業務においてリーダーの代行をする
 
【my pick-up】

◎自分のやりたいことは、上司に臆さず伝えたほうがいい
私は、自分のやりたいことを伝えることもフォロワーシップの一歩だと考えています。環境に身をゆだねるのではなく、自分の想いや考えを臆さずに正直に伝える。遠慮している場合ではない、ということです。「会社のために、事業のために、影響力を発揮している貴重な人材である。と同時に、ひょっとすると辞められてしまうかもと感じさせる、少し危うさのある人材でもある」。〝チカラのある人材〟には、絶妙なバランスがあります。
 
◎良質のインプットを続け、「経験」を超えた発想ができる人になろう
研修で講師として登壇する際、受講者に尋ねることがあります。「日経新聞、もしくは地元新聞、ビジネス書、専門誌を読んでいるか」です。私の研修で確認をすると、読んでいる人は1割程度。インプットの少ない人は、経験からしか発想できないため、理想的なフォロワーにはとてもなれません。「良質のインプット」によって、人が気づかない問題に気づける人になるのです。
 
◎「しくみを変えてから、意識を変える」が正しい順番
JALの復活に際し、フィロソフィー(社員が大事にする考え方)が発表されたのは、破綻から1年後のこと。では、その間に何をしたのか。「しくみ」をがらりと変えています。まず、先に着手したことは徹底的なコスト管理です。1便ごとに採算を追求するマネジメントに変えたのです。1便あたりのコストを可視化すべく、「パイロットの人件費」「キャビンアテンダントの人件費」「空港費用」といったコストの単価を制定し、1便ごとの収支を算出したのです。コストの甘い提案をした社員、予実が甘い社員は、指導を受け、意識が変わっていったといいます。これこそが、先に「しくみ」を導入し、しくみによって「意識」を変えていった典型例でしょう。

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