評価 (3点/5点満点)
この本では、「全体最適」という仕事でもよく使う言葉ではありますが、実際にこれをどうマネジメントするか、ありそうでなかったテーマを取り上げた1冊です。
失われた20年(30年?)において、なぜ経営者の努力は実を結んでこなかったのか?それは、「ほとんどの社員が、社長が何をしないのかを知らない」ということだと言います。それが理解されないまま、仕組みやルールといった手段だけが講じられても、目的なき手段は本来の機能を発揮することができません。そして「手段の目的化」という状態を作り出し、部分最適の問題を引き起こしてしまうのです。
~全体最適化の流れ~
STEP1 社内の現状把握
STEP2 ビジョンの明確化
STEP3 推進チームの立ち上げ
STEP4 全体最適化に向けての全社キックオフ
STEP5 全体最適化に向けての経営陣とミドル層とのビジョン共有
STEP6 全体最適化に向けてのミドル層による戦略策定
STEP7 全体最適化に向けてのミドル層と現場層とのビジョン・戦略の共有
STEP8 全体最適化に向けての現場層でのアクションプラン策定
STEP9 アクションプラン実行
STEP10 戦略の精度と実行スピードの向上を目的としたPDCA
企業はビジョンによって生まれ変わり、全体最適化は生産性を向上させ企業を改革します。その際、社長のビジョンは単に「伝える」だけでなく、社員に「伝わる」ことが非常に重要だと、本書を読んで納得しました。