評価 (3点/5点満点)
この本は、社内における人間関係と成果を両立させること、言い換えれば「余計な敵をつくらずに圧倒的な成果を生み出す方法」を紹介する1冊です。
周囲との人間関係をうまく築けないことには、圧倒的な成果を生み出すことはできません。ただし、ゴマのすり方や上司に媚びを売って気に入られる方法ではなく、成果主義時代の処世術を身につける必要があるとのこと。例えば、自分一人で動けばもっと早くいい成果を出せたとしても、敢えて周囲の人を巻き込む引き立て役に回りながら、成果+信頼を生み出すのです。
本書では、まず「謙虚をつくる仕組み」を紹介し、その後「目的志向」「引き立て役」「ファクト志向」の3つのポイントをフレームワークに話が展開されています。
特に、結果がすべてと思っている人に読んで頂きたいと思います。実力のわりに評価されない理由が分かりますよ。
【my pick-up】
◎行動と評価を直結させる秘訣
上司から評価を勝ち取る人とそうでない人の最大の違いは、上司の優先順位を把握してるかどうかです。当然、上司が優先順位を高くしていることに貢献したほうが、評価につながりやすくなります。上司が優先順位を低くしていることで、いくら成果を出しても評価にはつながりません。言ってみれば当然のことなのですが、上司は求めていないのに、自分がやりたいことを優先的に行動している人が多いのです。
◎「数字」という事実に徹底的にこだわる
心がけておきたいことは「徹底的に数字をもとに語る」ことです。そうすれば、主観が入り込みにくくなるので、自慢のニュアンスが出にくくなります。また、たとえ自分の苦手な人や敵対する人からの指摘であっても、それが事実にもとづいているのであれば、建設的なものなので、冷静に受け止めてください。
◎「正論」と「方法論」をセットで語る人が昇進する
正論はそれがファクトであったとしても実は上司からすれば「わかっていること」であることがほとんどです。方法論なく正論だけを語ることに大きな意味はありません。「WHAT」を特定しただけで、わかった気になってしまうことに問題があります。正論を言っても受け入れられないのは、ファクトを論理立てて、方法論とセットで話せていないからです。「言われたことや目の前の仕事をこなしているだけで新しい提案がない」「正論を吐いているだけで行動しない」という部下には物足りなさを感じ、より責任あるポジションに引き上げることはありません。