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2014年81冊目『コンサルタントは決算書のどこを見ているのか』

2014-03-18 16:26:20 | おすすめビジネス書
コンサルタントは決算書のどこを見ているのか (PHPビジネス新書) コンサルタントは決算書のどこを見ているのか (PHPビジネス新書)
価格:¥ 882(税込)
発売日:2014-02-19

評価  (3点/5点満点)

この本のメッセージは、「決算書はとても重要な情報・経営意思決定資料ではあるが、狭い意味の数値データのみの決算書(PL、BS、CF)だけに頼るのはやめよう」というものです。

つまり、決算書を非財務数値やセグメント情報、経営者による経営分析と反省記録、様々な注記も含めて、従来よりも広くとらえてほしいとのこと。

それにより、見えない無形資産や見えない事業の本質を見抜き、磨いて会社をもっと成長させるためにはどうするか、検討することができます。

~会社の真の実力を見抜く22の質問リスト~

1.会社のビジョンや、10年後、5年後の数値目標(売上高と利益)は何か。あなたは高い志をもっているか。また、それらを全社員と共有しているか。

2.つねに10年後、5年後、3年後の会社の姿を思い描いているか。そこから逆算して、いま何を実行すべきかを考えて確実に実行しているか。

3.短期経営計画(予算)をつくって、月次ベースで予算と実績を比較しているか。

4.会社の事業をひと言(「~の~業」という具合に)で言い表せるか。同業他社との違いや強みは何か言えるか。それを鮮明に打ち出そうとしているか。

5.自社の提供する商品・サービスの市場全体、業界全体の現状と今後の動向、将来性をどのようにとらえているか。

6.会社の顧客(ターゲット)はだれか。それは3年後、5年後も同じか。

7.競争に勝つために、自社独自の数値をつくって行動の目安・モノサシにしているか。

8.経営者は会計思考ができるか。会計思考をすることで、会社を強くて伸びる会社に変えられることを知っているか。

9.月次決算を重視し、月末締めで翌月1週間以内に完成し、予算と対比し、差異について早急に手を打っているか。

10.いままでは税法基準のみを尊重して経理してきたが、企業が成長発展していく過程で、一般に公正妥当と認められる適正な会計処理方法に変更していこうという気持ちはあるか。

11.決算書には表れない会計数値の限界があることを知っているか。決算書では見えない部分にこそ、会社のブランド価値を向上させる要素があることを理解しているか。

12.為替相場の決算への影響額をつねに把握しているか。同時に、できるだけ為替変動に耐えうるような事業構造、取引形態に変えようと努力しているか。

13.現時点でどのような経営課題があり、それを優先順位の高い順に並べるとどうなるか。また、中長期の視点でとらえると、どのような経営課題があると認識しているか。

14.あなたは重要な経営課題について、問題解決にどこまで関与しているか。会社全体の業務の流れのなかで、自分自身がとことん関与している最重要な個所があるか。

15.経営戦略に沿って機能別に分解した組織図を書いて、適材適所に人員を配置しているか。そして、それを定期的に見直しているか。兼務者が多い場合には、何年以内に適任者を採用するか、下位者から抜擢するのかを予定しているか。

16.主要な業務のプロセスをつねに見直し、それを標準化すると同時に、ムダ・ムラ・ムリをなくし、コストダウンに供しているか。また、不正や誤謬の防止、またはそれらを早期に発見する目的で、組織や業務管理の手続きのなかに内部牽制制度を導入しているか。

17.あなたは自分の仕事の棚卸しをしているか。そのうえで自分の行動を客観視し、PDCAをまわしているか。会社全体では定期的に全社員の仕事の棚卸しをして、仕事の重複や抜け漏れを防止しているか。

18.社員をやる気にさせるための人事評価制度を構築、運用しようとしているか。

19.年に1度は社内のすべての会議体とプロジェクトの棚卸しを行い、成果の把握に努めているか。

20.ブランド価値を高める源泉となっているデザインの重要性を認識し、社内外のデザイナーに企業価値やブランド価値を上げるような役目を与えているか。

21.ブランド価値を高めるには、デザインだけではなく、新技術開発や新商品開発のための基礎研究や応用化研究も同様に重視すべきである。そのための研究者を重用しているか。

22.新しい事業や新商品開発などで、どれだけ挑戦し、失敗してきたか。その失敗は次の一手にどのように活きたかについて、それらを具体的に把握しているか。

企業の競争力の源泉になる決算書に載っていない無形資産や人的資産にスポットライトを当て、必ずしも決算書だけに頼らない、経営者のコメント・注記・補足情報等も含めた「決算書の見方」を紹介しています。

その特徴は第1章から第4章に表れています。第5章以降は、会計や経営の基礎的なことも含めて解説がされています。

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