何をやっても続かないのは、脳がダメな自分を記憶しているからだ 価格:¥ 1,449(税込) 発売日:2013-12-13 |
評価 (3点/5点満点)
この本は、変えたいけれど、なかなか変えられない日々の習慣についての悩みを、最新の脳科学の研究を元に解決しようという目的で作られました。
根性論でも精神論でもない、科学的視点と理論から、習慣化させる秘訣が書かれています。また、いくら言っても直らない他人の習慣を改善する方法についても触れています。
習慣と脳の関係をまずは知ることにしましょう。
・ひとたび行動が習慣化されると、脳はいちいち考えて判断をせずとも、少ない労力で最大の効果が上げられるように活動する。
・脳というのは、自分で気がついているより前に活動を開始していて、いわゆる潜在意識にあたる部分が、結果としてその後に続く行動に大きな影響を与えている。
・人間の行動の90%が習慣によって動いているので、習慣を変えようと新しいことを始めるときには、脳の中では短いスパンで大きな変化が起こっている。
習慣を変えるということは、脳を変化させることです。
また脳科学の研究は今でも、どんどんアップデートされているので、常に最新の情報を押さえておくことが大事です。
「従来、習慣化には21日かかると言われていましたが、実際には200回くらいの繰り返しがあって、行動の習慣化ができてくるということが明らかになってきました。21日よりも根気が必要ということです。」(P.84)
【my pick-up】
◎「アメとムチ」では逆効果!?
「アメとムチ」を使いこなすのが、通常の指導の仕方ですが、ウッデン・コーチ(アメリカのUCLAバスケットボール・チームの伝説的コーチ)の指導は「アメとアメなし」だったことが研究からわかっています。「アメとアメなし」ということは、選手が指導通りできたときには「褒める」、そして、できないときには「褒めない」ことです。
◎運動をすると頭が良くなる
仕事の時間配分を決める、計画を立てる、短期的な記憶をする、いくつもの仕事を同時に進めるマルチタスク機能を上げる、曖昧な条件でも決断をする、など仕事でもプライベートでも役立ちそうな高次機能が、運動をすることで約7倍に跳ね上がるというのです。これ以外にも、物事をこなすスピードは、約3倍に上がります。
ここでの運動というのは、有酸素運動で10分間を早足で歩くくらいです。身体が慣れるに従って、毎週少しずつ運動量を増やしていきます。少しでも有酸素運動をすると脳の活性が高まって、記憶力が良くなるのです。
その他にも、運動を続けると健忘症になりにくい、アルコールの飲み過ぎで減ってしまった脳細胞を増やすなど、脳にかなり良い影響を与えることが最新の脳科学からわかってきています。実際に世界の記憶力チャンピオンの脳トレの半分の時間は、有酸素運動に使われるといわれています。
普段運動をしている人は、ERN(くよくよ脳波)は弱く、PO(前向き脳波)が強く出る傾向にあります。つまり、運動によってミスをしたときに、あまりくよくよしないで、改善しようという気持ちが強くなるのです。脳科学の研究を見ていくと、普段から運動をしている人は、前向きで改善意欲が強い脳になっている傾向があるようです。
◎「感謝」をすると脳の厚みが増す
感謝を習慣にしていくと、脳の中では面白いことが起こっています。10年近く感謝のワークをしていると、意志力に関わる前頭前野の厚みが0.1ミリほど増します。1年当たり4千万個の前頭前野の脳細胞が増える計算になります。感謝することで、脳細胞は凄い勢いで増えていくのです。
脳細胞を凄まじい勢いで増やす方法を具体的にお伝えしましょう。大きいことでも小さいことでも感謝できることを見つけて、それを日記に書くことです。