厳選!ビジネス書 今年の200冊

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2013年94冊目『ずっと「安月給」の人の思考法』

2013-05-10 14:47:31 | おすすめビジネス書
ずっと「安月給」の人の思考法 ずっと「安月給」の人の思考法
価格:¥ 1,365(税込)
発売日:2013-04-18

評価  (4点/5点満点)

「何でがんばっているのに、成果を出しているのに、給料が上がらないんだ!」

本書はまず、このような疑問に答える「給料のルール」が紹介されています。

現実に日本企業では、「成果を上げる=給料が上がる」という仕組みではないことを知るべきでしょう。給料の金額を決める要素の中で、「個々の従業員が出した成果」はわずか4.1%しかありません。一番できる人と一番できない人とでは、8.2%しか給料が変わらないのです。仮にその会社の平均月収を40万円とするならば、差額はわずか3万2800円です。

次に、「安月給の人の8つの思考法」を学び、どうすればこの社会で収入を増やすことができるか、生き残ることができるか、その方法を考えます。

①「社員食堂が安い!」と喜ぶ

労働者が明日も働くのに必要な経費が少なくなれば、労働力の価値が下がり、給料を下げることができます。会社が食事を用意すれば、それだけ食費が減ります。その分給料を安くしても労働者は生きていかれるのです。

②「家族を大切にする会社です」にグッとくる

この会社が言っているのは、「給料は安いが、家族手当は充実している」ということです。支給額が同じでも、それを「基本給」として払うか「家族手当」として払うかによって、残業代・ボーナス・退職金などの額が変わるのです。

③「年功序列は悪!」と考える

安易に「実力主義」を求め、完全歩合の企業などに移ってしまうと、金額面でも精神面でも痛い目を見る可能性もあります。

④「技術革新が進めば生産性が上がり、給料も上がる」と期待している

技術革新により業務が〝効率化〟したために、生き残りやすくなったわけですが、同時に労働力の価値が下がったのです。

⑤「チャンスはいつまでもある」と思っている

のがすたびにチャンスは小さくなっていくのが現実社会です。

⑥就業規則を読んだことがない

給料を引き下げる要因に対抗するためには、給料の本質を理解し、何に対してお金が支払われているかを理解しなければいけません。給料に関しては、すべて就業規則に書いてあります。

⑦「会社の経費で落ちるか」をいつも気にしている

たしかに、会社がお金を出してくれればうれしいでしょう。しかし、会社がお金を出してくれるからセミナー等にに行くのではなく、自分がその金額に見合う意味があると思ったものには、自分のお金で参加しなければいけません。「経費精算」に慣れていると、商品を買う基準が「経費で落ちるかどうか」になってしまいます。

⑧「人は見かけが9割」を理解していない

ビジネスは、中身が大事です。しかし、「見かけ」をないがしろにする人は、中身がいいということを信じてもらえないのです。

ビジネス書と経済書をうまくリンクさせた内容です。最近の「アベノミクス」で、景気がよくなれば再び給料も上がるという楽観的な期待がありますが、本書のとおり自力で収入、さらには利益を伸ばす取組みが必要でしょう。

【my pick-up】

◎2倍の成果を出しても、給料は1.2倍くらいしか上がらない

労働者として優秀になり、企業に利益をもたらすことで得られるのは「雇い続けてもらえること」なのです。2倍の成果が出せるようになっても、給料は2倍にはなりません。そういうものなのです。それが資本主義経済における給料です。

◎輸出より輸入のほうが為替の影響が大きい!

「輸入」のほうが、為替の影響を大きく受けます。なぜなら、貿易の決済に使う通貨が「輸出」と「輸入」で違うからです。日本では、輸出品の約50%がドル建てです。一方、モノを輸入するときには70%がドル建てです。これはどういうことか、一言でいうと「輸入のほうが為替のメリット・デメリットを大きく受ける」ということです。

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