そよ風つうしん

小さな自然の発見をご紹介してきましたが、転居で環境が激変。内容を一部変更し日々の雑感を綴ったりもしています

炎 舞う

2008年10月24日 | 本の紹介・その他いろいろ
       その夜

       旅先の宿の前の 小さな砂浜では

       にぎやかなお祭りが ひらかれ

       篝火(かがりび)が焚かれた

       その向こうに広がる海には

       静かで深い 豊かな闇が広がっている

       

       賑わいに背を向けて

       わたしは 闇と炎に 話しかける

       お願いです どうかきれいに写ってくださいね
   

       心が静まるのを待って

       そっとシャッターを押す

       
       
       ときおり薪が崩れると

       闇の中に 火の粉が舞い上がった



       
       火の粉は点の光
     
       だが、写真には
     
       線になって写っていた

       そうか
       
       これは火の粉の足跡なのだ・・・

       
       

       折しも中天に輝く満月が

       おだやかに 私を照らし

       足元には やわらかな波の音・・・

       
          (2008年10月13日 和歌の浦あじろ浜にて)
コメント (18)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする