そよ風つうしん

小さな自然の発見をご紹介してきましたが、転居で環境が激変。内容を一部変更し日々の雑感を綴ったりもしています

末盛千枝子さんの著書より

2022年04月30日 | 心に残っている言葉
『ことばのともしび』(新教出版社・2013)
年をとることのすばらしさの一つは、いろいろな経験が、特に苦しく悲しい経験が、結局は自分を育ててきたという実感を持てることではないかと思います。

著者は、配偶者との死別、幼い2人の子どもを抱えながらの絵本編集者としての生活、ご子息の難病と障害など、たくさんのご苦労を生き抜いてこられました。
その暮らしの中で感じた多くのことを通じて、今あるご自分をみつめて、書かれているご本です。

どの著書を拝見しても感じる温かさは、たくさんの苦しみや悲しみが育て上げたものであると、しみじみと感じます。

多くの有名人が「人生に無駄な経験は一つもない」とおっしゃっています。
年を取ると、本当にそうだと、自信をもって言えるようになりますね


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写真は、葉をすっかり落とした裸木の梢に輝く環天頂アークの姿です。
少し画面を暗く調整してありますが、大阪府枚方市に暮らしていたころのある夕方、見上げた空に見えていました。
思わずご近所の方々を呼び出して、みんなで見上げました。
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福岡伸一さんの言葉より

2022年04月24日 | 心に残っている言葉
コラム「福岡伸一の動的平衡」より筆者の言葉を。
<北斗八星かそけき光>(朝日新聞 2017/5/18 )

>ああ、自然界にあるすべてのものが、くっきりとした輪郭をもって見えていた少年の頃がなつかしい。
そのかわり、年齢とともに、せめて、見えざるものに思いをはせる思索の深度が、いくばくか深まったと思いたい。


この言葉は、少しご高齢な方々なら実感を持ってお読みになったのでは、ないでしょうか?

私も、そうでした。
何歳頃からでしょうか・・・月や星等を見上げたときに、若い頃のように、すっきりした輪郭で見えなくなってきたと感じて、ひどくガッカリしたことでした。

けれども、福岡先生には遠く及びませんが、「見えざるもの」を考えるときには、若い頃よりは多少なりとも深く考えられると、かくありたいという希望と共にささやかですが感じています。


<北斗八星?>
北斗七星のひしゃくの柄の下から2番目にある「ミザール」という星は、そのすぐ近くに
「アルコル」という4等星があります。アルコルはアラビア語で「かすかなもの」と言う意味です。

今のように夜空が明るいと、都会の夜空で肉眼では見えないかもですが、私が若い頃には見えていました。
福岡先生もきっとご覧になっていたのでしょう。

それも、今では思い出の中の一つになってしまいました。

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大切なものを思い出させてくれる絵本

2022年04月16日 | 本の紹介・その他いろいろ
先日、誕生日祝いにプレゼントされた絵本です。

いせひでこさんは、ノンフィクション作家柳田邦男さんの奥さまで、柔らかいタッチであたたかい絵をお描きになる絵本作家です。
片方の目がご不自由と知った時は驚き、そして深く尊敬しました。

この本は、私たちが日々の生活の中で見失っている大切なもの大切なこと
ひとつ、ひとつ取り上げて
思い出させてくれます。
そこに添えられている絵が、またすばらしい。

たとえば、こんなことも

空 雲のかたち 風の匂い

窓のむこう、道のむこうに見えるものはなに

夜明けや夕暮れとの出会いはありましたか

などなど、もっとたくさんの、
忘れそうになっていることをいっぱい思い出させてくれて、

その中にあった
大きな樹の近くで、かばんを引きずりながら泣いている少年の姿が
私の幼い友人のようにも見えて、泣きそうになりました。

そのページには
「樹木を友達だと考えたことがありますか。」
という言葉があります。
その少年も、樹の太い枝にたどりついてしがみついたら、きっと樹が心を温めてくれたでしょう・・・
私の友人の少年も、樹を友達だと思えるようになってほしいです。そしたら、悲しいときもけしてひとりぼっちじゃないと信じられるから。

そしてお終いのページの
「時代は言葉をないがしろにしている---」
「あなたは言葉を信じていますか」

というひと言には、はっとさせられました。 日本語はとても綺麗で豊かですばらしいのに、
ともすれば忘れられそうな言葉がたくさんありますもの。

長く手元に置いて、心を支えてもらえる本であると思っています。プレゼントしてくれた娘に感謝です


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長島選手のステキな言葉

2022年04月06日 | 心に残っている言葉
昔、まだ長島選手が現役だった頃。
シンガーソングライターのさだまさしの『坂の途中で』という本を読んだ時のメモに、長島選手と、さだまさしのこんな言葉がありました。
さださんは、長島選手のことを「僕の神様」と言っていたくらい尊敬していました。

引用します。

>「さださん、私はたった一つ自慢出来ることがあります。私はグラウンドで一度も手抜きをしなかった」
「五万大観衆の中には一生にたった一度だけ、長島に会いに来てくれる人がいる。その人の前で手抜きなんて出来ない」
「結果は良い時もあれば、悪い時もある。だが、自分は一生懸命やるということで自分を許していた」

以下は、さださんの言葉です。
>僕はそんな神様のセリフに涙をこらえられなかった.やっぱり、この人を尊敬してよかったと思った。結果ではなく、自分はベストを尽くしたか? これが男の勝負のすべてだと、その時に改めて確信したのだった。

これは、男だけでなく全ての人間に当てはまるのではないでしょうか?


私はグレープ時代から、さださんのファンでした。
とことん辛いとき、どれだけさださんの唄に励まされてきたことでしょう。
さださんの唄をきいていると、こらえていた涙がどっとあふれて、その涙と共に悲しみや苦しみが流れ去るのです。

長島さんも、さださんも、いい人だな~~と、改めてしみじみと想いました。


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写真は、ガガイモの種が風に乗って飛んで行くところです。
気持ち良さそうでしょう?
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いじめをとめるのは やさしい心

2022年04月02日 | 心に残っている言葉
新年度が始まりました。 新しい生活が始まって張り切っている人も、たくさんいることでしょう。

学校はまだ春休み。
春休みが終らないと良いのに・・・と心の底から思っている子供たちが居るはず。
来週には始まる新学期。
辛いだろうなあ~~

ずっと前に読んだ新聞の書評欄(96年1月14日 朝日新聞)より、引用します。
『いじめ』(たくま・たけとし著 サイエンス社刊)についての米沢富美子さんによる紹介記事より。

>本書の第2部では、いじめの問題をどのように考えるべきかが解説されている。
いじめを止めるのはやさしい心、そしてその「やさしい心が発達するためには身近にやさしい心」をもった人がいることが必要というくだりは、当たり前だけど実は大人だってそうなのだと、感銘深く思った。親も子供も先生も、一読に値する本である。>

いじめをする人は、たいてい自分より弱いものに当たることで、日頃の鬱憤を吐き出しているのですよね・・・
いじめる人(子)こそ、愛を求めているのかも?
先生も親も、そのことをもう一度切実な問題として考えていただけないでしょうか?

本当に「やさしい心」とは?
私自身もいま考え込んでいるところです。

えせ優しさは、そこいらへんにいっぱい転がっているし、自分も持ちやすいけれど、本物のそれとなると、かなりの心の大きさ深さがないと、なかなか難しいですよね。
私はどうなんだろう? 肝に銘じて生きて行かなければ!


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写真は、近く土手で見付けた寄り添うツクシです!
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