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そよ風つうしん

小さな自然の発見をご紹介してきましたが、転居で環境が激変。内容を一部変更し日々の雑感を綴ったりもしています

もうすぐ十三夜

2006年10月28日 | 月のある風景
旧暦九月十三夜の月は、後の月のちのつき)と呼ばれます。

今年は11月3日の文化の日に当たります。

旧暦九月十五夜のお月見は、現在も行事として残っていますが、十三夜のほうは忘れられがちのように思います。
またの名を、名残の月、豆名月、栗名月などとも呼ばれ、豆や栗をお供えしてきました。
昔の人は、十五夜だけのお月見を片見月かたみづき)といって嫌ったそうです。

11月3日は晴れの特異日ですから、お天気も比較的安定していて、きれいな月が見られるのではないでしょうか?
ご一緒に夜空を見上げてみませんか。




お若い方はご存じないかもしれないですが、「野菊の墓」(伊藤左千夫)という小説の、書き出し部分にも「後の月」が登場します。

主人公の男性が、後の月の頃になると、今は亡き恋しい人をどうしても思い出してしまうと、つぶやくのです。

結ばれなかった恋は、いつまでも胸の奥にしまわれていて、懐かしい風景を目にすると、ふとよみがえっては悲しみをかきたてられるのでしょうか。


そういえば、樋口一葉の小説にも「十三夜」というのがあります。
昔は、この夜の月が人々の生活に密着していたことを感じますね。


<亡き父に名を呼ばれたる心地して
            庭に出てみる十三夜かな>



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