高校の2年生のとき、親が学校に呼び出されお宅のお子さんは商業学校に通っているのに、簿記、そろばんの商業科目の成績が悪いのはどういうわけだ・・・と言われて来た。
美術系の学校に行きたかった私を「お前は男の子だから末は商人になれ」という親の希望で無理やり商業高校に行かせたのアンタではないか・・・と頭の中で反論しつつも、そんなことを口にしたら、小言が罵倒に変わることを承知していたから、じっと頭を下げて小言が通り過ぎるのを待つだけだった。
卒業後50年も経ったころのクラス会でふと思い出して、そんな話をしてみると、俺も、私も・・・と同じように無理やり商業高校に進学させられていたクラスメイトもいた。
*高校の同期会が終わり、クラスの仲間で2次会はどこで・・・と相談中。
一世代を30年とすれば二世代前は、まだまだ親には逆らえない時代だった。
ただ、私と同じように親の希望で商業学校に進学してきたにもかかわらず、私以外のクラスメイトたちは簿記もそろばんも苦手とせず、すんなりクリヤーしていて、親が学校から呼び出されたのは私一人だけのようだった。
冒頭から回りくどい話を始めたが、何が言いたいのかというと、毎年いまどきになると悩まされるのが、税金の申告書だ。
私は税金が嫌なのではなく、申告書を書くための前段階としての帳簿の記帳が少年期から大の苦手だったのだ。
ここで前フリで書いてきた親が学校から呼び出された話がやっと効いて来るのだが、17~8歳のころから嫌いだった簿記が今になって好きになるはずもなく、10円+20円+50円+80円・・・と延々と誰がやってもやってみても同じ結果にしかならない帳簿付けの作業は、どう見てもクリエーティブな要素はなく、空き箱+がらくた×ラッカースプレー=宇宙船になるような面白さはまったくない。
* 左の空き箱がどうして右の写真のような宇宙船になるのかはホームページ「本家おもしろ工作」のがらくた宇宙船をご覧ください。
この面白くもないというより、私にとっては苦痛以外の何物でもない記帳という作業は遅々として進まない。
YouTubeで懐かしの映画音楽を聴いて、気を紛らし、後藤散のど飴をなめて気分転換をし、などなど自分をだまし騙し10日ほどかけてやっと1年分の記帳を終えた。
*「後藤散のど飴」というのは、学研のスタジオで工作の撮影をしているときに見つけたもので、カメラマンが四国の高速道路のサービスエリアで買ったものだというが、関東地方では売っていないようなので、九州の飴メーカーから取り寄せたものだが、のど飴の漢方の処方をした人の名が後藤という人であったことからつけられたネーミングが後藤散で、他に佐藤散、鈴木散というのど飴があるわけではない。
かくして、苦労の末に仕上げた申告書は、一時でも手元に置いておくのも嫌で、3月1日は日曜日だったが、申告期間は日曜日でも開いていますということで、雨の降る寒い日だったが大和市の税務署まで届けてきた。
一年の内で一番憂鬱な仕事を乗り切ったが、今日はその反動からか、開放感からか何も仕事に手がつかなかった。
明日から、通常運転に戻ろう。
ところで、タイトルの深刻な話と言ってのは何だい?
えっ! あ、深刻な話ではなくて、申告の話の間違いだった。
ごめん!