日本語学校からこんにちは ~水野外語学院~

千葉県市川市行徳にある日本語学校のブログです。日々の出来事、行事、感じたことなどを紹介しています。

「スーパーにあった、あれは何?」…「鏡餅のことでした。不可解な物体だったのでしょうね」

2023-12-26 09:00:22 | 日本語学校
晴れ。

朝、まず、お湯を沸かそうと、台所へ行けば、「ジャコバサボテン」が、また賑やなことになっていました。ヒイ、フウ、ミイ…と数えていけば、20は超えていましたね。窓側、つまり裏側にも花は咲いているでしょうし…。そのうえ、プックリと膨らんだつぼみがあっちにもこっちにも…。

日が当たれば、ここだけは白いお花畑。まあ、きれいですね。

今年の予想は暖冬とのことでしたが、これも温暖化のせいでしょうか。このあたりの今日の気温は、朝は5度くらいで、昼は13度くらいになるとか。もとより、朝は冷える。ただ乾燥しているので、底冷えというのは、それほどは感じられません。そこが救いかも。

さて、「クリスマス」も過ぎ、あとは「大掃除」に「年越し」に、「正月」にと、まあ、いろいろなことが控えています。「大掃除」だって、「そば」だっていつだっていいようなものの、これも習慣でしょうねえ。

今、ここで勉強している人達の、「(お国)正月」期間というのも、違っているので、「年越し」とか「お正月」とか言っても、「それがなんじゃい」とアッケラカンとしたものです。それぞれの宗教に則った「正月」があるのでしょう。日本人だったら、すぐ(現地の)それに同調して、「さあ、祭り、祭りだ」と浮かれ騒ぐところでしょうが、宗教心のある人達は、いくらその地の祭りだと言っても、流されたりはしないようなのです。

ただ、そういう人達でも、日本にいる時間が長いと、多少気になるところも出てくるようで、昨年でしたか、「スーパーにあった、あれは、一体何なんだ」と訊かれたことがありました。手で、「こんなの」とかたどって訊かれたのですが、絵を描いてもらって、やっとわかりました。なんと「鏡餅」。

この学校に来て、やっと訊く気になれたのでしょう。それまでは、気にはなっていても、近い(同国人か同一宗教の)人達に訊けなかった。叱られるかもしれないと思っていたのかな。もし、(気になるものが)自分の宗教とは無縁の、別の宗教的なものであったらどうしようと思っていたのかもしれません。その点、私たちは「無害」ですから、すぐに「ああ、あれはね」ですもの。

私たち日本人の習慣も、宗教に堅く結びついているものと言うより、むしろ「文化」であり、「慣習」である(もちろん、昔は宗教に根ざしてはいるのでしょうが)ということが判ったから訊けたのでしょう。

一度訊くと、あれもわからない、これもわからないと、いろいろなことが出てきます。

ただ、残念なことに、そういうことが訊けるくらいの日本語力がついた頃に卒業ですから、全部、中途半端な形になってしまいます。

もっとも、これからは友達に訊けばいいし、進学先にも先生がいますから、その方達に訊けばいい。それにアルバイト先にも日本人がいるでしょうから、その人達にも聞けばいい。もしかしたら、その人達の答えが皆違っているかもしれませんが。その生まれ育った土地によって、過ごし方も違うということがわかれば、それに越したことはありません。それもまた、日本理解の助けとなるでしょうから。

「神様は一柱のみ。日本人はおかしい。だから日本人は信じられない」そう言われても、「へえ、そんなもんか」とヘラヘラと笑ってやり過ごせる我々の考え方の欠けらでも見えるかもしれません。

とはいえ、「お正月」です。その前に「除夜の鐘」。そして「元旦」。「お節」、「雑煮」を食べ、「初詣」に行き、「書き初め」をする。七日に「七草がゆ」を食べて、11日は「鏡開き」で、15日に「どんど焼き」をする…。まあ、やろうと思えば、かなり忙しいですね。

その土地に古くから住んでいる人が多ければ多いほど、勢い、風習も残り、守られてもいるでしょう。ただ日本でも失われるものが少なくはないのが実情。だから、宗教と関係のない学校で、それを保存していこうとするのです。

日本の小中高の公立学校というのは、宗教とは関係のないものなので、あまり気にせずに、皆と同じように楽しんでもらえるといいのですが…。

日々是好日
コメント
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