日本語学校からこんにちは ~水野外語学院~

千葉県市川市行徳にある日本語学校のブログです。日々の出来事、行事、感じたことなどを紹介しています。

「(秋の)虫の声」。「無い物ねだりの人間」。

2011-09-20 12:22:53 | 日本語の授業
 チチチチ、チチチチと虫が鳴いています。「マツムシ」のようです。インターネットが発達したおかげで、多くの人がそれを安価に享受できるようになりました。そのおかげで、私も、好きな時に、自然の中での虫の声を聞き、その名を知ることができるようになりました。

ほんの少し前までは、聞こえてくる(虫の)声を、それぞれ「人の言葉」に訳し直し、それで虫の物語を織り上げ、語り継いでいくという風でしたが、いつの間にか、そういうこともなくなってしまいました。

 日本人なら、おそらく、子供の時に、「虫の声」という歌を歌ったことがあるでしょう。

「1.あれ まつ虫が ないている    ちんちろ ちんちろ ちんちろりん
  あれ すず虫が なきだした    りんりん りんりん りーんりん

  秋の夜ながを なきとおす    ああ おもしろい 虫のこえ

 2.きりきり きりきり きりぎりす   がちゃがちゃ がちゃがちゃ くつわ虫
  あとから馬おい おいついて    ちょんちょんちょんちょん すいっちょん

  秋の夜ながを なきとおす     ああ おもしろい 虫のこえ 」

 それがいつの間にか、テープで本物の虫の声を聞くことができるようになり、そして、今ではインターネットで、好きな時に、好きなだけ、好きな「秋の虫の声」を楽しむことができるようになりました。

 ところが、人とは不思議なものです。デジタル時計がはやり出すと、アナログの時計を欲しがるようになったり、カラー写真が当たり前になってくると、モノクロ写真のほうに魅力を感じるようになったりしする。それと同じで、こうまで便利になってくると、「虫の声」の歌詞がなにやら恋しくなってきます。

 学生たちの国でも、こうやって虫たちと、親しく暮らすという文化はあるのでしょうか。それとも、虫というのは害虫にすぎないのでしょうか。

 さて、昨日の夕方から、ぐっと気温が下がってきました。今日は長袖を着た学生もいます。これも台風が近づいてきたせいでしょう。秋は、夜の寝苦しさが和らぎ、眠りが深くなる季節でもあります。遅刻者が増えなければいいのですが…。

日々是好日
コメント
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