日本語学校からこんにちは ~水野外語学院~

千葉県市川市行徳にある日本語学校のブログです。日々の出来事、行事、感じたことなどを紹介しています。

「6月、梅雨、卯月、皐月」。

2011-06-01 08:48:43 | 日本語の授業
 晴れです。けれども、とても寒いのです。ある天気予報士は、「6月にしてこの気温というのは、50年ぶりだ」とか言っていましたが、そうは言わなくとも4月並の気温だとか。なにせ予報では最高気温が18度ですからね。そもそも、4月と言うのは、「サクラ(桜)」が咲き、「花冷え」とか「花曇り」とかいう雅な言葉で彩られていた頃です。

 6月は、水田が緑に染まり、「ウノハナ(卯の花)」が縁取り、「アオガエル」の合奏が始まり…、それなのに、こうも寒いとは。本来なら活発に動いて然るべき虫までが、のそのそと地中に引っ込み始めるのではありますまいか。あれ、もう秋か…なんて惚けて。

 とはいえ、これで、7月8月が収まってくれるはずもなく、下手をすると、5月6月が寒かった分を取り戻せとばかりに、暑さ一直線などとなってしまったならば、本当に、救われないことになってしまいます。

 しかしながら6月1日といえど、旧暦では「卯月の末日」にあたるそうで、そうなれば、まだ「皐月」にもなっていないわけですから、先週来続いていた雨を、「梅雨」とは呼ばず、「卯の花腐し」と呼んでも差し支えなかったのです。それが、「梅雨入り」が発表されたわけですから、あれは「梅雨入り後の雨」だったのです。

「五月雨をあつめて早し 最上川」(芭蕉)

 どうも旧暦になれていないもので、6月という言葉と、「梅雨」、そして皐月が前後してしまったような気がしてなりません。それよりも、この頃の山は、夏山と言ってもよく、樹々の緑麗しき候、「夏山蒼翠にして、滴るが如く」の中で深呼吸でもしたくなってしまいます。

 横浜へ行ったとき、学生たちがあまりに日本の自然(横浜は都市で、港町で、それほど自然が残されているというわけではないのですが、彼らにとっては驚きだったのでしょう。これは中国の内モンゴルから来た学生に限りません。他の南国から来た学生たちもそう言って、写真を撮っていました)に感動してくれましたので、それが、郊外へ行きたい、木々の中を歩きたいという、私の心の底にウズウズと溜まっていた「埋み火」を刺激してしまったようです。

 日々是好日
コメント
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