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鈍想愚感

何にでも興味を持つ一介の市井人。40年間をサラリーマンとして過ごしてきた経験を元に身の回りの出来事を勝手気ままに切る

4月19日は俳優座サヨナラ公演で、「俳優座さよなら」とその別れを惜しむ声が一層高まった公演であった

2025-04-19 | Weblog

 19日は東京・六本木の俳優座劇場のサヨナラ公演である「嵐」を観賞した。英ウイリアム・シェイクスピア原作のもので、弟アントーニオの陰謀によりミラノ侯爵の地位と領地を簒奪されたプロスペローはひとり娘のミランダとともに妖精や妖怪、精霊たちの住む絶海の孤島に流され、12年の年月を経て秘術を究め、ある日自らを陥れたナポリ王アロンゾーへの復讐のため、大嵐を起こし、彼らとナポリ王の王子ファーディナンドが乗る船を難破させ、孤島へ漂着させる。そこでミランダとファーディナンドが恋に落ちたのを利用し、妖精たちを操ってさらなる復讐を企てる。

 舞台でそうした船の難破を見せるわけにはいかないので、難破した後のプロスペローとナポリ王や、妖精とのやり取りを見せながら、ミランダとファーディナンドとの恋の展開をとらまえていく。舞台の上だけでなく、会場内を出演者が縦横無尽にかけまわることで、広がりをみせつけるなどしていたのが注目された。後で考えると舞台のうえの装置は腰掛けらしき木箱とちょっとした台があるきりで、舞台装置といえるものはほとんどなかった。登場人物がめまぐるしく舞台のうえを走り回るので、筋立てを追うのが精一杯という感じであった。

 そして、最後にはミラノ公国とナポリ公国の王子と姫が恋に陥ることで、お互いのしてきたことを振り返り、和解して握手することで、めでたしめでたしという結果となり、幕が下りることとなる。この公演は19日が最終日ということで、最終場面でプロスペロー役の演者が最後の挨拶をする段になると、さよなら公演の最終日ということで、会場内の観客のほとんど全員が立って拍手するいわゆるスタンディングオベーションという状態となり、それも拍手が鳴りやまず5分近く拍手の音が成り響いた。この俳優座そのものもこれで最後となるような噂もあり、重ねて名残り惜しい感じも加わって拍手がいつまでも鳴りやまなかった。

 会場のアナウンスで、会場内での写真撮影も許されて多くの人が携帯での写真撮影に乗り出したこともあって、一層にサヨナラ公演のムードが高まり、劇場内は一大歓声に包まれた。1951年の劇場公開以来、実に74年の長きにわたり、日本演劇界をリードしてきた俳優座に別れを惜しむ感情も高まってきて、一層サヨナラを感じる思いが強まっていった。演劇の会場と演目が最終日とんるのには初めてお目にかかったが、こんなに観衆が盛り上がるものなのか、とある意味で日本の演劇を支える層の厚さに感激もした。]

 実は10数年以上も前に埼玉県下で平幹二朗主演で同じタイトルの「テンペスト」を観劇したことがあったが、筋立てはすっかり忘れてしまっていて、今回の観劇の参考とはならなかった。だから、比較もできないが、大遭難の中で、主役の平幹二朗が大声をあげて熱演しうていたことだけを覚えていた。それよりも主宰者の劇団俳優座のサヨナラ公演だということしか頭に浮かんでこなかった。だから、サヨナラ俳優座、今後もこの魂をどこかにつないでいってほしいものである、と強く思った次第。

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