鈍想愚感

何にでも興味を持つ一介の市井人。40年間をサラリーマンとして過ごしてきた経験を元に身の回りの出来事を勝手気ままに切る

神聖な法の場をこんなことで占拠していいのか

2012-10-11 | Weblog
 10日は東京・霞が関の東京地裁へ裁判の傍聴に出かけた。朝10時から大王製紙前社長の井川意高氏の会社法違反事件の判決があり、104号法廷に行ってみると難なく入廷することができた。1カ月前の最終審理も傍聴券交付の列に並ぶことなく、さっと入れたので、今回もそうだろう、との予測が当たった。犯罪の内容が分かりやすく、裁判としては単純なためか、意外と一般の人気は高くないようだ。求刑6年に対し、判決は4年と重かった。本人は反省している旨を表明していたが、ふてぶてしい態度はみられ、通常よりは重い実刑を課せられることとなったようだ。これを不服とする被告側は直ちに控訴する構えのようだが、せいぜい4年が3年になるこくらいのことだろう。
 その後は416号法廷の損害賠償請求の民事裁判を傍聴した。まず、証人尋問に立った原告は40代の女性で、尋問を聞くうちにどうやらナイトクラブに務めるホステスのようで、クラブのママとお客を訴えていることが判明した。被告のお客はクラブに来る度にしつこく原告の胸や尻を触りまくり、もう一人の被告のママは見て知らぬふりをしていた。ある日、友人と来ていた被告は原告とカラオケでデュエットする間に原告のスカートをめくり、パンツを下ろそうとした行為に及んだ、という。それを見たママはそのお客を一旦は「出入り禁止」にしたが、しばらくしたらまた客として来るようになってしまった。
 そして、最初の事件から半年ほどしたら、被告の客は店に来て、以前のように原告を触りまくり、原告はたまらずトイレに逃げ込んだ。そしたら、被告は原告がトイレに入っているのに、鍵をこじ開けトイレに入ってきて、原告の前でズボンのチャックを下ろし、イチ物を出して、「しゃぶれ」と叫んだ、という。その前に原告キャー」と騒いで、チーフが駆けつけてきたが、背後にいるため詳細をみるには至らなかった。狭いクラブの中での一瞬の出来事で、被告は酔っていて「覚えていないが、そんなことはしていない」と否定する。
 あまりのショックと、人を人とも思わない被告の行為に腹が立った原告は警察に被害届を出しに行くが、警察から「その時に連絡してくれば、現行犯逮捕できたが、時間が経っては調べようがない。これはママも共犯だから民事裁判で訴えた方がいい」と言われた、という。第2の事件のあと、しばらくママの出方をうかがっていたが、単に「あの客を出入り禁止にした」としか言われないのに幻滅して、原告はお店をやめてしまった。
 双方の言い分が真っ向から違っているので、真相は藪の中としか言いようがない。お客のお触りの程度が
どの程度で、業界の常識はどこにあるのか、判断に苦しむ状況にあるのは間違いない。尋問の過程で最初の事件の日時が特定できない原告側の弱みもあるが、被害を受けた方の言い分に味方したくなる。
 ただ、精神的なトラウマはともかく、物理的な実害がないので、こんなことくらいで神聖な法の場を占拠することに若干の異を感じる面がなくもない。時々、顔をしかめて証人尋問を聞いている女性の裁判長が憐れにも思えてきた。せいぜい雀の涙ほどの慰謝料でケリということにでもなるのだろう。
コメント
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