写真①:『津屋崎学――A Quaint Town Tsuyazaki-sengen Guide』の表紙
=福津市津屋崎の拙宅で、2011年2月24日撮影
津屋崎の郷土史と自然のガイド本
『津屋崎学――A Quaint Town Tsuyazaki-sengen Guide』が出来ました
(B5判カラー、432㌻) 吉村青春ブログ「津屋崎センゲン」をもとに書籍化
古里・津屋崎の良さや歴史を1冊の本にまとめ、子や孫の世代に伝えたい――。そんな想いを託し、吉村青春ブログ「津屋崎センゲン」をもとに書籍化した津屋崎の郷土史と自然のガイド本、『津屋崎学――A Quaint Town Tsuyazaki-sengen Guide』(B5判カラー、432㌻)が、平成23年(2011年)2月12日、東京にある発行所(イースト株式会社および欧文印刷株式会社)で出来あがり、宅配便できょう24日、私の手元に届きました=写真①=。
解説記事に写真402枚付き
記事は、「第1章 津屋崎の魅力」から始め、「第2章 津屋崎塩田の軌跡~津屋崎は塩で保(も)つ~」、「第3章 〝筑豊の炭鉱王〟・伊藤伝右衛門と津屋崎」や、「第16章 卯建と鏝絵の町家巡り」、小説やテレビ・ドラマに描かれた津屋崎、失われた町家、〝幻の津屋崎鉄道〟などを紹介した「第18章 津屋崎よもやま話」、「第19章 津屋崎の食文化」まで全19章で構成したあと、「津屋崎歴史年表」を掲載。明治創業の荒物屋・旧「乙藤商店」や旧「田中薬局」といった古い町家の様子と、「豊村酒造」の鏝絵、旧「麦屋惣平衛邸」の卯建、「津屋崎干潟」に渡来する冬鳥・クロツラヘラサギ、東京で撮影した泉岳寺や東郷神社、庚申信仰の柴又帝釈天も含め、平成18年から意識的に撮り集めた郷土の祭りや社寺、石碑、風景などの写真402枚と地図60枚付きで分りやすく表現しています=写真②=。
写真②:〈津屋崎千軒〉通りの旧「乙藤商店」(左)や「麻生久彦邸」の卯建(右上)と「豊村酒造」の鏝絵(右下)の掲載ページ
著書名を『津屋崎学』としたのは、「宗像・沖ノ島と関連遺産群」として世界遺産暫定リストに記載された国史跡「津屋崎古墳群」があるのをはじめ、『日本書紀』や『万葉集』にも登場する津屋崎の古代からの歴史と文化、自然、食、先達を調べるほど魅力的な物語が掘り起こされ、奥深く感じ、学として体系的にまとめるに値する古里と思ったからです。サブタイトルに付けた「A Quaint Town Tsuyazaki-sengen Guide」とは、「古風な趣のある町・〈津屋崎千軒〉ガイド」の意味。「A Quaint Town Tsuyazaki-sengen」は、福津市津屋崎の町興しボランティア団体・「津屋崎千軒 海とまちなみの会」(略称・「海とまちなみの会」)が、平成21年(2009年)12月に2万部発行した津屋崎千軒まちなみ散策地図『津屋崎千軒そうつこう(津屋崎の方言で、「歩き回ろう」の意味)』英語・日本語併記版(A2判、表裏カラー)に挿入したキャッチコピーです。
私が生まれた旧福岡県宗像郡津屋崎町(むなかたぐんつやざきまち)は、平成17年(2005年)1月24日、南隣の同郡福間町と合併して福津市となりました。私は由緒ある名が消えた〈津屋崎町〉のイメージを詩の本の中に留めたいと、翌18年(06年)2月、吉村青春第一詩集『鵲声(じやくせい)-津屋崎センゲン』(新風舎文庫)=写真③=を出版。私の産土(うぶすな)を舞台にした詩のアイデンティティー宣言(マニフェスト)の書でもありました。62歳になった同年8月10日、津屋崎の良かとこ(福岡弁で〈良い所〉)を紹介し、郷土の良さ、日本に住む素晴らしさを発信していければと、インターネット上の総合ポータルサイト「gooブログ」を利用して吉村青春ブログ『津屋崎センゲン』を始めました。
写真③:吉村青春第一詩集『鵲声(じやくせい)-津屋崎センゲン』
『津屋崎学』には、『津屋崎センゲン』に連載中の郷土史連載企画・『津屋崎学―琢二と清の郷土史談義―』と、『津屋崎千軒町歩きスポット(津屋崎まちなみ散策)』の記事からも抜粋、加筆し、新たな書き下ろし記事を加えて収録。インターネットで書籍化の記事校正を終えて発行し、1冊の印刷代9,930円と送料525円の計10、455円で世界で一つだけの本を手に入れることができました。
「海とまちなみの会」では平成19年(2007年)10月、最初のまちなみ散策地図『津屋崎千軒そうつこう』日本語版(A2判、表裏カラー)を1万部発行、市民や観光客らに無料配布を開始。さらに、同年11月から津屋崎の観光客に同散策地図を贈って町並み案内するボランティアガイドをスタートさせました。私は町案内を重ねるうち、次の世代に伝えるガイド教本と郷土史紹介を兼ねた著書を残すのが新聞記者だった自分の使命と思い、平成20年(08年)5月からブログ掲載記事の編集を始め、66歳になって書籍化を実現できました。父友次郎は70歳で、母タキは57歳で他界した私のDNA形質では、いつお迎えが来てもおかしくない年齢ですが、本を残せたことで、いつポックリ逝っても悔い無く、感無量です。
以下、『津屋崎学』の目次を紹介します。
津屋崎学
――A Quaint Town Tsuyazaki-sengen Guide
目 次
・はじめに ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
第1章 津屋崎の魅力
第1節 〈津屋崎千軒〉とは・・・・・・・・・・・・
第2節 A Quaint Town Tsuyazaki-sengen(古風
な趣のある町・〈津屋崎千軒〉)・・・・・・・・
第3節 歩いて楽しめる豊かな自然と歴史・・・・・・
第2章 津屋崎塩田の軌跡 ~津屋崎は塩で保(も)つ~
第1節 津屋崎塩田の開発・・・・・・・・・・・・・
第2節 通称「塩倉庫」・・・・・・・・・・・・・・・
第3節 塩田の遺跡・・・・・・・・・・・・・・・・・
第3章 “筑豊の炭鉱王”・伊藤伝右衛門と津屋崎
第1節 伊藤伝右衛門の足跡・・・・・・・・・・・・・
第2節 伝右衛門のお抱え運転手・・・・・・・・・・・
第3節 伝右衛門夫人・白蓮の写真・・・・・・・・・・
第4章 津屋崎の地名
第1節 地名「津屋崎」の謂われ・・・・・・・・・・・
第2節 津屋崎の町名と特色・・・・・・・・・・・・・
第3節 天神町の由来・・・・・・・・・・・・・・・・
第5章 産土神・「波折神社」
第1節 波折神社縁起・・・・・・・・・・・・・・・・
第2節 津屋崎祇園山笠・・・・・・・・・・・・・・・
第3節 オクンチと輪越し・・・・・・・・・・・・・・
第4節 奉納絵馬・・・・・・・・・・・・・・・・・・
第5節 福津市の絵馬・・・・・・・・・・・・・・・・
第6章 明治の津屋崎
第1節 豊村酒造・・・・・・・・・・・・・・・・・・
第2節 「津屋崎千軒民俗館・『藍の家』」・・・・・・・・
第3節 旧乙藤商店・・・・・・・・・・・・・・・・・
第4節 旧田中薬局・・・・・・・・・・・・・・・・・・
第5節 津屋崎馬車鉄道・・・・・・・・・・・・・・・・
第7章 江戸時代の津屋崎
第1節 善福寺と黒田長政公・・・・・・・・・・・・・・
第2節 義民六人士・・・・・・・・・・・・・・・・・・
第3節 津屋崎人形・・・・・・・・・・・・・・・・・・
第4節 上田製菓・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
第5節 庚申塔・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
第8章 大正時代の津屋崎
第1節 新泉岳寺・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
第9章 昭和時代の津屋崎
第1節 東郷公園・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
第2節 東郷神社・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
第10章 鎌倉時代の津屋崎
第1節 教安寺・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
第2節 津屋崎のチャイナタウン・・・・・・・・・・・・
第3節 新原の百塔板碑・・・・・・・・・・・・・・・・
第11章 古代の津屋崎
第1節 国史跡・「津屋崎古墳群」・・・・・・・・・・・・
第2節 「新原・奴山古墳群」・・・・・・・・・・・・・
第3節 「宮地嶽古墳」・・・・・・・・・・・・・・・・
第4節 宗像一族と大和王権・・・・・・・・・・・・・・
第5節 世界遺産暫定リスト記載
「宗像・沖ノ島と関連遺産群」・・・・・・・・・・・
第6節 日本最初の〝裁縫の神様〟・「縫殿神社」・・・・・
第7節 〈神郡宗像〉と津屋崎・・・・・・・・・・・・・
第12章 『万葉集』に詠われた津屋崎
第1節 「万葉古道」・・・・・・・・・・・・・・・・・
第2節 〈名児山万葉歌碑〉・・・・・・・・・・・・・・
第3節 〈在千潟万葉歌碑〉・・・・・・・・・・・・・・
第13章 平安時代の津屋崎
第1節 「かつら潟」と海の中道・・・・・・・・・・・・
第2節「静の墓」と「臼杵の井戸」・・・・・・・・・・・・
第14章 在自の金刀比羅さん
第1節「金刀比羅神社」が在自山にある訳は・・・・・・・・
第2節 筑紫の秋祭り「放生会」の習俗・・・・・・・・・・
第15章 「宮地嶽神社」はどんなお社なのか
第1節 「宮地嶽神社」の由緒・・・・・・・・・・・・・・・
第2節 奥之宮八社・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
第3節 民家村自然広苑・・・・・・・・・・・・・・・・・・
第4節 「宮地岳自然歩道」・・・・・・・・・・・・・
節5節 六百俵之碑・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
第16章 鏝絵と卯建の町家巡り
第1節 鏝絵装飾のある町家・・・・・・・・・・・・・・・・
第2節 卯建の建つ町家・・・・・・・・・・・・・・・・・・
第17章 津屋崎千軒町歩きスポット
第1節 太閤山・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
第2節 法華塔・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
第3節 朝鮮通信使の交流石碑・・・・・・・・・・・・・・・
第4節 裏町の「大師堂」・・・・・・・・・・・・・・・・・・
第5節 出口の「日切地蔵堂」・・・・・・・・・・・・・・・・
第6節 オガンタン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
第7節 西古小路の秋葉神社・・・・・・・・・・・・・・・・
第8節 上本町の延命地蔵堂・・・・・・・・・・・・・・・・
第9節 浜の町の「地蔵堂」・・・・・・・・・・・・・・・・・
第10節 浜の町の「波切不動明王」・・・・・・・・・・・・・
第11節 火除け大師堂・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
第12節 土居の「弁財天社」・・・・・・・・・・・・・・・・・
第13節 田ノ浦の「天満神社」・・・・・・・・・・・・・・・・
第18章 津屋崎よもやま話
第1節 津屋崎の正月・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
第2節 津屋崎は〈港町〉か・・・・・・・・・・・・・・・・・
第3節 小説やテレビ・ドラマに描かれた津屋崎・・・・・・・・
第4節 失われた町家・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
第5節 恋の浦秘話・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
第6節 忍照と「円通寺想智院」・・・・・・・・・・・・・・・・
第7節 お夏大明神・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
第8節 津屋崎の海岸植物・ハマボウ・・・・・・・・・・・・・・
第9節 〈津屋崎千軒〉の戸数・・・・・・・・・・・・・・・・・
第10節 〝幻の津屋崎鉄道〟・・・・・・・・・・・・・・・・・
第19章 津屋崎の食文化
第1節 〝幻の蒸籠雑煮〟・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
第2節 だぶ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
第3節 たこ料理・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・津屋崎歴史年表・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・あとがき ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・参考文献 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・著者略歴 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・