とっちーの「終わりなき旅」

出歩くことが好きで、趣味のマラソン、登山、スキーなどの話を中心にきままな呟きを載せられたらいいな。

2022浅間・八ヶ岳パノラマトレイル:2日目安藤百福センタートレイル

2022-11-02 22:11:24 | 浅間・八ヶ岳パノラマトレイル
ゲルの中で一夜を過ごした2日目の朝。大きなテントでキャンプしたみたいな感じだ。


「読書の森」の食堂前でも記念写真。


その後、車で「安藤百福記念自然体験活動指導者養成センター」まで移動する。安藤百福というとNHKの連続テレビ小説「まんぷく」のヒロイン福ちゃんの夫となる萬平のモデルになった人物であり、カップラーメンの生みの親でもある。安藤百福さんは生前から自然とのふれあいが子どもたちの創造力を豊かにすると信じ、彼の生誕百年を記念して建てられたのが、「安藤百福センター」だ。


中に入っていくと一際目立つ印象的な建物が見えてくる。アウトドア活動の普及や自然体験活動を推進するための人材育成を目的とした専門施設で、設計は2020年東京オリンピックの開催式が行われた新国立競技場の設計を担当した建築家 隈研吾氏が手がけたものだという。


「安藤百福センター」は、“現在見学をお断りしている”との張り紙があり、残念ながら中を見学することはできなかった。ただ、トレイルのスタートが、この敷地内からなので、中の職員に断って、敷地内の森の中に入っていく。


森の中には、さまざまなアーティストが作った「ツリーハウス」を見学できる。このツリーハウスのタイトルは、“間”。コンセプトは、“緑美しい森の中に突如として現れる間。それは手すりも壁もない板の間が、樹々の中の空間を切り取って出現した世界。登ってみてそこに佇めば、きっと非日常の感覚との出会いがあることでしょう”との事。


“bird-apartment”。豊かな自然を一人でも多くの人に楽しんでもらいたいのと同時に、ここに生息している動物たちにとっても価値のあるものにしたい、という思いから「人と鳥の距離が近づく」ようなツリーハウスをデザインしたという。小さなバードハウスが 78 個くっついた一軒の大きなバードハウスだ。大きな入り口は、人間が中に入り奥にある小さなバードハウスを覗き込むことが出来るらしい。


大きな樹の下に吊り下げられたブランコで遊んでいく。


“オオムラサキのツリーハウス”。「蝶に乗る」がコンセプトのフォトジェニックなツリーハウス。大きなバタフライルーフは、オオムラサキがモチーフになっている。自然豊かなこの場所では、準絶滅危惧種にも指定されている貴重なオオムラサキが生息しているそうだ。


緑のトンネルを抜けていく。


鴇久保ビオトープ。むかしトキが生息していた事からその名がついた鴇久保。この場所の見事な景観と自然の生態系を保つために地元の有志たちが活動している。稲の棚田の上は、アサギマダラを呼ぶフジバカマが広がっている。


急坂をグングン下っていく。


坂を下ったところにあるお寺が釈尊寺(しゃくそんじ)だ。小諸市にある天台宗の寺院で、山号は布引山。布引観音とも呼ばれる。断崖絶壁にあるのが布引観音・観音堂だ。


境内には牛の像があり、「牛に引かれて善光寺参り」伝説発祥の地でもある。「牛にひかれて善光寺参り」とは布引山釈尊寺に伝わる縁起書にある幻牛伝説で、むかし信心を持たないおばあさんが、自分が干していた布を角にひっかけ走り去る牛(観音様)を追いかけ、気が付くと長野の善光寺までたどり着いたことから観音様の導きだったと悟り、今までの欲張りで意地悪な心を悔い改めたと伝えられている。その逸話から「思ってもいなかった出来事や、周りからのはからいによって、自分が良い方向へ導かれること」のことわざとなっているのだ。


まずは観音堂に向かう。岩をくりぬいたトンネルの中に入る。


観音堂から、トンネルを出てきた人の様子が見える。こうやって見ると凄い場所にあるのがよくわかる。


トンネルを出た仲間が、観音堂にいる我々を撮ってくれた。観音堂は、岩窟の中にあり、拝殿部分は朱塗りの懸崖造りの舞台となっている。拝殿を支える8本の太柱は6尺8寸(20.6メートル)の高さがあり、天正20年(1592)に造営されたという。


観音堂から釈尊寺境内に戻り、麓までさらに参道を下山して行く。参道には、いろんな見所がある。ここは、善光寺穴といい、長野の善光寺まで穴が通じていると言われ、昔、善光寺の火災の折にこの穴から煙が出たと伝えられているそうだ。


参道には、岩がゴロゴロしており石段が苔むして滑りそうだ。


岩壁の中に牛の横顔が見える。


険しい参道をやっと下山。


千曲川沿いの道をしばらく歩く。


千曲川沿いの崖線の斜面に立地する氷という地区は、浅間連峰の眺望と豊かな湧き水に恵まれた小さな集落村だ。ここには夏でも冷たい不思議な風穴がいくつも点在している。




風穴(ふうけつ)とは、自然が生み出した天然の冷蔵庫と言われており、古代より食料を保存する貯蔵庫として利用されてきた。このような風穴は日本各地にあるが、その中でも、旧小諸町にあった風穴は優秀で、明治大正期には、蚕種(蚕の卵)の貯蔵する役割を担って日本の製糸業を支えていたという。


後半は、静かな森の小径を歩く森林浴コースだ。


最後に、安藤百福センターに戻ってきた。広場には、ボルダリングの塔があり、少しよじ登ってみる。


近くにある「あぐりの湯こもろ」からは、浅間連峰が一望だ。4時間弱ほどで安藤百福センタートレイルを完歩できた。


ちょうどお昼となり、小諸駅周辺でランチとし、午後からは懐古園を観光する事にした。

参考1.2日目の高低図&コースタイム


参考2.2日目のコースマップ


「2022浅間・八ヶ岳パノラマトレイル:2日目懐古園観光」に続く。