とっちーの「終わりなき旅」

出歩くことが好きで、趣味のマラソン、登山、スキーなどの話を中心にきままな呟きを載せられたらいいな。

「免疫力を高める生活」藤田紘一郎さん

2012-10-13 11:30:39 | 社会人大学
先週の社会人大学は、東京医科歯科大学名誉教授の藤田紘一郎さんの講演だった。その後、浜名湖ウルトラマラニックなどあって、なかなかアップできず、今頃になってしまった。

藤田紘一郎さんのプロフィール

1939年中国東北部(旧満州)生れ。東京医科歯科大学医学部卒業。東京大学伝染病研究所(現・医科学研究所) 大学院終了。テキサス大学で研究後、金沢医科大学、長崎大学医学部教授を経て、87年より現職。専門は寄生虫 学と熱帯病学。日本医学会議のメンバーとして、マラリア、フィラリア、住血吸虫、成人T細胞白血病やエイズ関 連の免疫研究の傍ら、寄生虫と人とのより良い共生をPRしている。主な著書に「笑うカイチュウ」(94年、講談社-写真下-)、 「ボンボン・マルコスの犬」(96年、ルック)、「癒す水、蝕む水」(96年、NHK出版-写真下-)、 「空飛ぶ寄生虫」(96年、講談社)、「体にいい寄生虫」(97年、ワニブックス)等がある。

藤田さんは、「カイチュウ博士」とも呼ばれ、実際自分の体にはカイチュウがいるそうだ。ほんの数十年前まで、日本人の半分以上はお腹に寄生虫を“飼って”いたが、戦後の高度経済成長期を経て、生活が豊かに、清潔になるにつれて、寄生虫の感染率は急速に下がっていった。しかしその後は、花粉症やアトピー性皮膚炎などに代表されるアレルギー病が急増している。藤田さんによれば、ここには明確な因果関係が存在するという。

藤田さんの仮説によれば、寄生虫の人体感染によるアレルギー抑制効果があるという。40年にわたって寄生虫や菌と人間との共生について研究を続けているそうで、なかなか面白い説である。なるほどと頷けることもある。しかし、いまさらカイチュウを体内に飼うことまでは正直言ってやりたくはない。

ただ、「清潔」を追求するあまり、人間の汗や体臭までをも消し去ろうとする現代日本の「キレイ社会」のエスカレートぶりはやりすぎだともいえなくない。確かに、抗菌グッズや消臭剤、防腐剤などが普及すれば、それに伴い寄生虫や各種菌などを撲滅に追い込むが、ますます人間の免疫力が低下していくのは目に見えている。

過度な潔癖嗜好は人間が生きていくうえでは、考え物だ。毎日風呂に入り、体を石鹸でゴシゴシ洗い過ぎると肌の潤いがなくなってしまうというのも納得できる。水で洗い流す程度で充分だそうである。わたしも、どっちかというと石鹸で念入りに洗うのは面倒くさいので今までどおりでよかったと安堵した。

また、食べるものはやはり添加物のない手作りのものがいい。野菜、豆類、果物、穀類等だ。発酵食品の納豆、味噌、漬物、ヨーグルト等もいいそうだ。特に色付きの野菜や果物を採ることで体に害がある活性酸素をとることができる。赤ワインに含まれるポリフェノールも効果があるという。この辺りの話は、何度もテレビや本で紹介されており、いろいろ思い当ることばかりだったが、改めて聞くとやはり勉強になる。カイチュウは飼いたくないけど、野菜や果物はしっかりとらねばと思った。