とっちーの「終わりなき旅」

出歩くことが好きで、趣味のマラソン、登山、スキーなどの話を中心にきままな呟きを載せられたらいいな。

「吉田拓郎ライブ2012」inパシフィコ横浜

2012-10-31 19:27:58 | コンサート
1975年8月2日~3日にかけて静岡県掛川市のつま恋多目的ホールに5万人以上を動員して行われたオールナイトライブから、30年の時を経て2006年に再びつま恋で開催されたライブで我々の世代に再び感動と興奮をもたらした吉田拓郎。そして、その3年後の2009年に「生涯最後のコンサート」として全国ツアーを計画しながら、4公演を終了後、慢性気管支炎を患ったとしてその後予定された公演を全てキャンセルして現在に至っていた。

3年前、この「生涯最後のコンサート」を見ずにしてはおけないとばかりにチケットを必死に入手しようと頑張ったが、あまりの競争率の高さにあきらめざるをえなかった。結局、ほとんどの公演が中止になりチケットをとっても見ることはできなかったのだが、もうこれで生拓郎を見ることができないのかと非常に悲しい思いをしていたのだ。

しかし、ことし首都圏4箇所のみではあるが、ライブを行なうとの情報が入り、これが本当に最後のコンサートになるかもしれないとの思いから、頑張ってチケットを入手したのだ。ゲットできたのは、パシフィコ横浜国立大ホールでの3公演目だった。最終公演は、11月6日のNHKホールとなる。

開演まで1時間以上あったが、もうドキドキワクワクしながら会場に向かった。ホールの控え室のような部屋の窓の明かりが見え、何人ものファンがその方向を見ていた。突然、みんなが声を上げたので、その方向を見ると、何と生拓郎が手を振っていたのである。もう、びっくりだ。これは幸先いいと思いながら、入場者の列に並んだ。かなりの列が後方まで延びていた。


行列の途中で、海側にお洒落な塔が見えた。「ぷかりさん橋」という場所で、「シーバス」や横浜港一周のクルーズなどの船が発着する、みなとみらいの海の玄関である。なかなかロケーションがいい場所である。


さて、やっとホール内に入ると、お祝いの生花が飾られていた。フジテレビとNHKからである。NHKのSONGSとあるからには、きっといずれテレビで放送されることは間違いないようだ。DVDもNHKホールでの公演が収録されるらしい。


開演までまだ時間があり、場内はグッズを購入するファンでごった返していた。これも、長い行列となっていた。私も折角なので行列に加わり、ブックカバー&ペンケースセットを購入する。




そして、席に着くといよいよ公演の始まりである。スポットライトが当たり、拓郎が登場だ。しかし、彼は急にスポットライトから外れて暗い場所に隠れてしまう。照明との打ち合わせとは違う場所にわざと立ったらしい。その後、スポットライトの中に入り、いたずら心であえて照明を困らせたような話をした。いかにも拓郎らしい出だしである。最初から意表をつく登場だったが、最初の曲も何と「エマニエル夫人」のテーマソングだった。先日なくなったシルビア・クリステルへの哀悼であった。

続いて、本当のオープニングは「ロンリー・ストリートキャフェ」を弾き語りだ。いよいよライブが始まると思うと感極まる想いだった。そして、2曲目は早くも「落陽」である。えっ、もうやっちゃうのという感じだ。この時点で観客は総立ちになった。もっと後半で聞きたかった曲だが、嬉しいことには違いない。

その後も、MCを交えながら休憩なしで進行していった。3年前の大阪公演間近で急に体調不良でキャンセルした話や、観客も年をとって乾いた拍手になってきたなあと、相変わらず毒舌は快調である。しかし、歌っている声は張りがあって拓郎健在を感じさせたが、MCになると声が枯れているような感じがした。やはり今までの公演の疲れがでているのかなあと少し気になった。

中盤で「ふゆがきた」という曲を歌ったが、自分の曲の中で一番気が乗らない曲だそうだ。一番やる気がない曲を今からやると堂々と公言するあたりも拓郎たる所以であろう。この曲をさらっと流し、その後の曲を目一杯気持ちをこめて歌いたいという気分転換の曲なのだそうだ。

「落陽」以降は、思ったより知った曲が少なくいささか拍子抜けする選曲が多かった。「伽草子」「流星」「全部だきしめて」「春だったね 」あたりを聞いて再び会場が盛り上がったが、もう最後の時が来ていた。

アンコールは、「リンゴ」と「外は白い雪の夜」の2曲だ。どちらもいい曲だったが、アンコールの曲にしては盛り上がりに欠ける。拓郎も今年で66歳という。やはり、年齢的にはきついのかもしれない。6年前のつま恋のような興奮はもう無理なのかなとある意味納得した。でも、1曲、1曲ごとの張りのある歌声はまったく健在である。なんとか体調を回復させて、これだけの舞台に立ってくれただけでも嬉しいことである。最後の公演も成功するといいなと思ってパシフィコ横浜を後にした。

みなとみらい駅に帰り道を急ぐ人たち。


最後に見た「コスモクロック21」。やっぱりきれいだなあ。