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『人生を遊ぶ』

毎日、「今・ここ」を味わいながら、「あぁ、面白かった~ッ!!」と言いながら、いつか死んでいきたい。

  

《ひとり快気祝い》

2024-09-26 06:42:07 | フレンチ

 

 

術後一週間が過ぎたので、
おとついから、普通食にもどした。

そして、きのうは
オフ日だったので、
カミさん曰く《ひとり快気祝い》に
馴染みの三ツ星フレンチで
デジュネ(ランチ)をしてきた。

 



いつもブログを見て下すっている
シェフやマダムからも
体調のお気遣いを頂き
有り難く思わせていただいた。



風邪の具合も
大分と良くなって、
まずまずのコンディションだったのは
ご馳走を頂くのに幸いであった。





オードヴルは、
モンサン・ミッシェル産ムール貝の
香草バター焼きに
フランス産コッパ。

ムール貝は小指の先ほどの
小粒だったが、味は濃く、
さすがの本場産だと
その存在感には目を見張った。

マダムに
「小っちゃくて、シジミの親方みたいですねぇ・・・」
と感想をもらしたら、笑っておられた。

農業国フランス産のコッパも
イタリア産の物に負けず劣らず
濃厚な味で、ラール(肪身)の甘さも
格別な逸品だった。

普段は、あまり口にする機会のない
アンディーヴ・ルージュの
仄かな苦味とのマリアージュも
けっこうなものだった。

(* ̄∇ ̄)ノ

 



スープは、
栗のポタージュ。

フォン・ド・レギューム
(野菜の出汁)
で栗のマッシュを伸ばして
シノワゼ(裏漉し)せずに
ややザラリとした食感を残してあり、
自然の甘味と風味が活かされた
佳味なるものだった。





ポワソンは
ルー・ド・メール(スズキ)のグリエ。

カリリと焼かれた皮目と
フワリとした白身の
テクスチュアの違いと
合わさった味わいは、
フレンチながらも
「焼き魚」の旨味が堪能された。

この時季に
ラタトゥイユの付け合わせは、
まだ暑い日々も少なくない、
夏の名残りを
シェフが表現されたようだった。





メインのヴィアンドは、
スペイン産のプーレ・ジョーヌ。

フランス産家禽類が
輸入制限されている為、
あえてのエスパニョルである。

シェフに調理前の素材を
見せて頂いたが、
なるほど、やや黄色味がかった
皮目だった。

今回は、珍しく、
ヴァプールという蒸し上げる
調理法で頂いた。

一度、ソテーした時に出た
ジュ・ド・ヴィアンド(肉汁)に
ヴィネーグル・ド・ケレス
(シェリー・ヴィネガー)を加えて
ソースに仕上げる。

 


癖がなく香り豊かな
ポワトリーヌ(胸肉)で、
シュープリーム・ソースはもとより、
ガルニチュールのエシャロットや
アリコヴェール(インゲン)、
ポム・アンナとのマリアージュも
佳かった。

(人´∀`*)

 



デセールは、
ミルティーユの
グラスとガトー。

巷には有りがちな素材だが、
一流シェフの創るものは
やはり、極上の逸品となる。





甘やかになった口中を
薫り高いエスプレッソが
キリリと引き締めてくれた。

 



そして、
コースの名残りを惜しむかのように
プチフールを味わいながら、
しばし、シェフ&マダムと歓談して
『ひとり快気祝い』を
無事、愉しく過ごさせて頂いた。

 


柔道家とJUDO選手

2024-08-02 04:47:16 | フレンチ

きのうから
葉月となりにけり・・・
だったが、
梅雨明け宣言がなされた。

天気予報では、
これから一週間は
ずっと30℃超えの真夏日が続く。

35℃を越す猛暑日がないだけでも
有難く感じる
近頃の夏である。

去年も
38℃くらいの最高気温が
あったと思うが、
試しに外に出てみると、
それこそ肌に紫外線が
ピリピリいうのが感じられた。

*

50㎏ものソーラーパネルと
蓄電池を階下から二階に
カミさんと持ち上げたせいで、
きのうから左足がピリピリ痺れを
感じている。

坐骨神経が
圧迫されたのが
原因かもしれない。

痛みも辛いが
痺れも不快感である。

早く治ってくれればいいが、
歩いた方がいいのか
安静に寝ている方がいいのか
判らない。

*

ソーラーシステムを設置すると
晴れた日には
電力がドンドンたまるのが
楽しみになる・・・
とは、聞いていたが、
まさしく、そんな感じがする。

カンカン照りの日なぞは
丸々一日分くらいの
クーラーが稼働できる
電力が溜まってくれる。

ただし、曇りの時は少なく、
雨の日は全くたまらない。

本来の目的は、
真夏の停電対策用ではあるが、
普段から陽光蓄電してたら
寝室内の電化製品くらいは
悠々と賄えそうである。

**

おとついの
王位戦「第三局」は
ソーちゃんが逆転で勝利し、
これでスコアを
「2-1」と先リードした。

元・三冠で
タイトル31期の渡辺九段は、
さすがに研究が深くて、
中盤まではリードしていたが、
またまた、最終盤では逆転されて、
「いつも、こうなっちゃう・・・」
と漏らしていた。

奥さんが漫画家で
『将棋の渡辺くん』には
赤裸々な旦那の日常が
コミカライズされていて、
ソーちゃんも度々登場する。

作品内で興味深かったのは、
奥さん共々、
病院でIQ検査を受けてみたら、
渡辺九段は「103」くらいで、
奥さんの方が高かった
というオチで笑えたが、
棋士はみな高いと思っていただけに、
意外な結果ではあった。

それでも、
ソーちゃんだけは
135以上はありそうである。

**

『セカスト』に『ノリタケ』の
シリーズ物アシェット
『ノワール・ダルジャン』
『ノワール・ドール』
のセット物があったので、
3000円の廉価で購入してきた。

これで、このシリーズは6枚揃った。

中皿なので、
大皿と組み合わせると
さまざまなヴァリエーションが
楽しめる。


きのうは、さっそく、
『タルタル・ド・クルヴェット』
(甘海老のタルタル仕立て)
を拵えてみた。

塩昆布水に半日
甘海老を浸して
キッチンペーパーで
水分を拭き取ってから
セルクル(丸型)で成形した。

レモンオリーヴ油と
ヴィアン・マリアージュであった。



*

ブリは振り塩で脱水・脱臭し、
グリルパンで焼き上げた。

トマトペーストを
野菜ジュースで伸ばして
生クリームを加え
ソースにした。



*****

先日の女子柔道で、
ウタちゃんが
敗退後、会場で大泣きしたことが、
昭和生まれの柔道経験者には
醜態と目に映ったようで、
あちこちのYouTubeサイトで
酷評を耳にした。

勝敗やメダル獲得を最優先する
「スポーツJUDO」は
本来の「柔道」とは違うのでは・・・
という意見もあった。

なるほど・・・。
本来は、神に奉納する
神事であった「相撲」も、
スポーツ化すると勝敗が優先され、
白鳳が優勝を決定した一番で
土俵上でガッツポーズをした時には
横綱審議会から
「品位に欠ける」
という教育的指導があった。

ウタちゃんも
後になって恥ずかしく思ったのか、
号泣した事を謝罪したという。

彼女に勝って優勝した
ケルディヨロワ(ウズベキスタン)は
畳の上でも、会場を去る時も
喜びを抑えて、惻隠の情で
相手に敬意を払い
泰然自若としていたのは
立派だった。

これこそが
柔道家の姿であろう。

本家の「天才」柔術家
ウタちゃんが号泣して
取り乱したのに対して、
柔道のスピリットを体現したのが
外国の選手だったのは
何やら象徴的な思いにさせられた。


















「ムニュ・デテ」2024

2024-08-01 04:40:06 | フレンチ

レ・ヴァコンス・ デテ
(les vacances d’été/夏休み)
の“お楽しみ”の一環として、
休み前から予約していた
三ツ星フレンチで
「ムニュ・デテ」(夏のメニュー)
を堪能してきた。

在京中から
40年来、通っているお店なので、
マダム&シェフとも
親戚みたいなものである(笑)。

なので、
“ぼっちフレンチ”でも、
気さくにお話をしながらなので
カウンセラーにとっての
癒しの「ひと時」でもある。

 

*

アミューズは
冷たいトマト・ジュレに
モッツァレラとカラスミを
あしらったもの。

夏日の火照った体に
ヒンヤリと染み入り、
カラスミの塩気も
塩分補給にちょうど良かった。

スマホで仏語をググると、
カラスミは
「ブタルグ(boutargue)」
と知れた。

そういや、
イタリアでは
パスタに削ってかける時に
「ボッタルガ」と言っていた。

 

**

パンは二種供され、
酸味のある全粒粉のものは
なかなかに滋味があった。

マダムによる
心遣いのフルール(生花)も
目を和ませてくれる。

 

***

オードヴルは
大分産の岩ガキのロティ。

“海のミルク”に相応しい
濃厚な旨味に
香草バターの風味が
絶妙にマッチしていた。

貝殻に滴ったジュに
パンを浸して頂くと、
濃厚なエキスが
脳髄にズズンと響いた。

 

****

ポワソンは
旬のイサキに
シャンピニオンを抱かせて
パート・フィロに包んだブリック。

香ばしく揚がっており、
ナイフを入れると
パリリと小気味のよい音がし、
まずは耳で楽しませてくれた。

熱々のクネルは風味豊かで、
敷かれた冷たいガスパチョとの
「ショー/フロワ」
(温冷製仕立て)は
フレンチならではの面白味である。

路地物のオーベルジーヌ
(茄子/aubergine)は
旬の夏野菜の味わいであった。

 

*****

スープは
「フリュイ・ド・メール」
(海の幸)
で、ビスクやアメリケーヌのような
甲殻類の風味の佳味だった。

 

******

ヴィアンドは
この日のメインの
『ポール・ド・マンガリッツァ』。

ハンガリー原種のブランド豚を
日本で交配させたものだという。

脂の融点が32℃というから、
この時季、常温で
溶けてしまうほどである。

肉質は緻密で
ミッチリした感じで、
脂は甘く、赤味は
この上なくアッサリしている。

アプリコットのコンフィチュールが
ナッペしてあるので、
フレンチならではの
「獣肉+果実」
のマリアージュも佳かった。

 

*******

デセールは
『スープ・ド・ペシェ』に
ココナツとアプリコットのソルベ。

生のアンズを
コンフィチュールにしてから
ソルベにした
フレンチ・レストランならではの
自家製ソルベは
滑らかでとろける寸前のものを
フットボール型に模ったもので、
これは、絶妙に美味しかった。

80年代からの
11年間の在京中に、
京都・神戸・大阪の
「京阪神」で100店ほどの
フレンチを制覇してきたが、
これに優るソルベはなかった・・・
というほどの秀逸なものだった。

 

*********

エスプレッソを
キュッと喫して、
その苦味で
甘やかになった
口中を引き締め、
絢爛たるコースの〆とした。

次は、
初秋となる
九月の半ば頃に予約を入れ、
「ムニュ・ド・オトンヌ」
(秋のメニュー)
を楽しみに来たいと思っている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


四年に一度の「うるう年」

2024-02-29 08:14:06 | フレンチ

きのう、今日と
オフ日だが、
昨日は3ケ月に一度の
メンタル・クリニック受診日だった。

42歳での鬱病発症来、
幾度も再発したので、
その予防のために24年も
毎日、パロキセチン10mgを
一錠服用している。

おかげで、
季節の変わり目や
激務が続いた後でも、
気分の変調が激しく揺れずに
済んでいる。

思春期以降、
気分や体調が安定しない事があり、
仕方なくやり過ごしていたが、
今となっては、脳内セロトニン伝達の
機能不全だったのかもしれない・・・と、
SSRIを服用するようになってから
気が付いた。

【二つ悪い事さてないものよ】
である。

なので、内服薬ではあるが、
自分にとっては
義手・義足に相当する
機能障害を補ってくれるものとして
二十余年服用してきた。



*

ゆんべは夕飯係だったので、
カミさんが買ってあった
鯖の干物を一日吟醸酒に浸して
干物臭を除き、
バターとレモンオリーヴ油で
ソテーした。

蜂蜜をキャラメリゼし、
ペルノー酒で香り付けして、
掃除した鯖の骨と頭で取った
少量のフュメ・ド・ポワソンで
ソースとした。

カミさんと試食して、
「驚くほど、美味いねぇ・・・」
と、感心しあった。

干物で存分に脱水されてるので、
旨味が凝縮したところに、
パセリとパン粉でパネし
表面をカリリとさせたのもよかった。

ソーテルヌを開栓して
一緒にやってみたが、
バター風味とよく合っていた。

このくらいのフレンチなら、
お金をとれそうだ・・・
とも思った(笑)。



**

年度末で、
来月は残すところ
あと七日ばかりの勤務となり、
その後はスプリング・ロンバケである。

職場での
“サラ飯”タイムは
まさに、ホッと一息の
時間でもある。

この一年も
飽きもせず、
ベントを作ってきた。

年度ごとに新調する
100均のタッパーも
やや黄ばんでさえきた。

ベント箱のお役御免になった
タッパー君は
古楽器工房で
端材やパーツ入れとして
第二の人生を送る。



***

ダンゴ三兄弟たちが
全員自立し、都会暮らしをしているが、
何年も前に、子ども達の
小中学時代の持ち物整理をした際に
出てきた筆記具やクラス写真などを
職場に持ち込んでは
その名の記してある鉛筆などで
生徒に心理テストをやっている(笑)。



**

きのうは
先日レッスンに来てくれた
K君が、わざわざ、
昔の発表会時代の動画を
ビデオからDVDにコピーして
送って下すった。

 



なかには、20年前の
まだスマートで精悍な姿があり、
昔の自分と邂逅したような
不思議な気分にもなった(笑)。

コンクール用曲でもあった
パガニーニの『カプリース24番』を
弾いていたのにも驚いた。

今では、とても弾ける曲じゃない。





 

 

 


ジビエ『ペルドロー・ルージュ』

2023-12-28 07:17:47 | フレンチ

きのうは
三ツ星フレンチで
以前からお願いしてあった
ジビエの『ペルドロー・ルージュ』
(山鶉)のキュイジーヌ(料理)を
楽しんできた。


*

アミューズは
『鰆のヴィネグレット・ソース』

トマト・ジョーヌとの
相性もよかった。



*

ペルドローは
バロンティーヌという
ロール状に巻いたものを
メダイヨン(メダル状)に
カットされて供された。

中心には
フォアグラが鋳込まれている。

ペルドロー自体は
以前に頂いたカイユ(鶉)に近く、
やはり鳥肉の味がした。

ガラから出汁をとった
ソースは味わい深く、
フレンチらしい高貴な味わいだった。

 



*

キュイソー(腿肉)と
クール(心臓)は
チコリと共にサラダ仕立てで供された。

歯応えと香りは
野生のジビエらしく
旨味も濃いものだった。

ハツ(心臓)をも含めて
丸々一羽分を堪能した。



*

ジビエだけに
いささかワイルド感のあった
肉料理の後には、
たおやかな『ガトーショコラ』となり、
なんだか、ホッとする瞬間だった。



*

エスプレッソで一息つくと、
しばし、シェフやマダムとも歓談して、
この一年のフレンチの
「食べ納め」となった。



*

シェフからは
Xmasディナーで用いたという
1ケ5万円もするトリュフを
見せて頂いた。

その大理石のような
ノワール(黒い)マーブル模様と
むせるような芳香は
いかにも妖艶な感じがした。



*

以前に、
シェフから見せてもらった
新書版『パリの味』が
Amazonで文庫が出ていたので
注文した。

溜まっていたポイントで
「0円」で入手できたのは
ラッキーだった。